Mission⑥ 『服を購入せよ!』
支払いを終えて店の外に出て、指定通り6と書かれた封筒を開ける。
『互いに互いの服を選んで買うこと! なお、このデート中はそれぞれが選んだ服を着用すること! ※服を買い終わって店の外に出たら7の封筒を開けること』
食事の後はショッピングか、この書き方で言うと俺がフィーア先生の服を選び、フィーア先生が俺の服を選ぶ。そして、買った服を着た状態で次に行くという感じかな?
封筒には北区画にある服屋の地図も入っていた。いくつかの店が書かれていて、どこで買ってもいいみたいだ。
「とりあえず、フィーア先生、どの店に行きます?」
「その前にミヤマくん、こっちのカード見て欲しいんだけど……初めてのパターンだよ」
「え? ……あっ、本当ですね」
言われてフィーア先生が手に持つメッセージカードを見て見ると……基本的には俺と同じ内容だが、最後の部分、次の封筒に関する指定が違っていた。
『※7の封筒は、カイトの7封筒に書かれたタイミングで開くこと』
これはたしかに不思議な書き方である。こう書かれているということは、フィーア先生の7の封筒を開くタイミングは俺とは違うということみたいだ。
なるほど、こういうパターンもあるのか、ということはこれから先は互いの封筒の順番がズレてくる可能性もあるのか……なんか少し難しくなってきたな。
「……なんというか、トーレさんって結構いろいろ考えてないですか? 互いのタイミングとかズラしてるってことは……」
「トーレお姉ちゃんって、普通に頭いいからね……後先考えないだけで」
「なるほど……まぁ、とりあえず行きますか」
「うん。楽しみだなぁミヤマくんは、どんな服選んでくれるのかなぁ~」
「あ、あんまり期待し過ぎないでくださいよ」
自分の服のセンスというのは正直よく分からないものだ。特に異性の服を選ぶとなれば……な、なんとか、いい感じの服を選びたいものだ。
俺とフィーア先生がやってきたのは、どちらかと言えばカジュアルな服が多い店。超高級店というわけではないが、それなりに人気のブランド店だったりする。
中に入って、それぞれの服を選び始める。俺はフィーア先生の服を選ぶわけだが、さてどうするか……。
まず、勝手なイメージではあるが下は絶対ロングスカートが似合うと思う。普段修道服の姿を見慣れているからかもしれないが、露出が高い服は少しイメージと違う気がする。
落ち着いた色合いがいいと思うけど、フィーア先生の髪の色自体は暗めの色合いなので、ある程度の明るさはあったほうがいいかな?
少しオレンジっぽいこげ茶のロングスカート……上着は、白が似合うと思う。黒色のニットシャツに正式な名称は知らないが、白いモコモコした感じの上着。
服を選び終えてフィーア先生と合流し、互いに選んだ服を試着してみることにした。
フィーア先生が選んでくれた服は、紺色のジーンズに黒色のシャツ……そして白色ベースに、オレンジとピンクの差し色が入ったパーカーだった。
これは面白いというか、自分で選ぶとまず選ばない色合いだ。いままでシャツは白色ばかり着ていたので、少し新鮮な気持ちで着替えて鏡を見て見ると……かなりいい感じというか、フィーア先生のセンスの良さが伝わってくる。
少ししてフィーア先生も着替え終わったみたいで、互いに服を見せ合うことになった。
「どうかな?」
「よく似合ってますよ。なんというか、落ち着いた大人の女性って感じで素敵です」
「ふふ、ありがとう。ミヤマくんもカッコいいよ。白も似合うね」
「ありがとうございます……けど、図らずも互いに白い上着ですね」
「だね。しかも、色の感じも似てていいね。私は文句なしなんだけど、ミヤマくんはどうかな?」
「ええ、俺もこの服気に入りましたし、問題なしですよ」
意図せずなんか少しペアルックっぽくなったが……普段の自分とは違う感じの服を着るのも新鮮だ。
それに自画自賛になるが、フィーア先生の服は凄く似合っていると思う。なんか、清楚な大人の女性って感じで、フィーア先生のイメージによくあっているというか、改めてフィーア先生って滅茶苦茶美人だと再認識した。
そのままふたりで服を購入し、そのまま着ていくことを伝えたあとで、元の服はそれぞれのマジックボックスにしまう。
服がガラッと変わって気持ち新たに店の外に出て、7の封筒を開く。
『カイトがエスコートして、デートにあった場所にフィーアを連れていくこと! ※目的地に着いたらフィーアは7の封筒を開ける。カイトはフィーアの7の封筒の指示に従って8の封筒を開けること』
……なんか、ここまでで一番難しい指示来たんだけど……え? こっちに選択を委ねるパターンもあるのか!?
シリアス先輩「――ッ!? この感じ……話が動く!?」
???「なんすかその直感?」
シリアス先輩「砂糖の気配を感じた」
???「……いつも通りっすね」




