発達の過程
ある日、地球にイーブ星人の乗った宇宙船がやってきた。未知なる生命体の出現に地球人達は固唾を呑んだが、どうやら敵意がない事を知り、イーブ星人達を歓迎した。
「ようこそおいでくださいました。我々はあなた方を心から歓迎します。」
「どうもありがとう。」
「どうぞこれから、末長く地球と仲良くしてください。つきましては我々地球の発達の為に、イーブ星の科学技術を是非ともご教示願いたいのですが…。」
申し出る地球人にイーブ星人は言った。
「それは構いません。ただし、私共にも教えて頂きたい事があります。」
「何でございましょう? しかしお見受けするところ、科学技術はイーブ星の方が上。お恥ずかしながら我々に教えられる事はないと思いますが…。」
恐縮する地球人の言葉をイーブ星人は否定した。
「とんでもない!! 地球の方々には素晴らしい知恵と技術があるではないですか!?」
「と、申しますと…。」
「どうか、私共に火の起こし方や使用法を教えて頂きたいのです。」
「火の起こし方ですか!?」
遥か遠い昔に自分達の祖先が発見し、今日では生活の一部として必要不可欠になった火。その使用法を、科学技術では地球の先をいくイーブ星人が聞いてきたのだ。この事態に耳を疑った地球人達は目を丸くしてイーブ星人を見た…。
どうやら、技術発達の過程はその星それぞれのようである。