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干支十二王 ~戌年の思い~

作者: 紫苑

俺は、気持ちよかったらそれでいい


イレようがイレられようが、相手が喜んでくれて、尚且つ自分が気持ちよければなんでもいい

たまにお金をくれる人だっているから更にいい


カナちゃんもケーちゃんも最初は複雑そうな顔や嫌そうな顔をしてたけど、今では情報を集めるのに重宝してるし、ソーさんやミキさん達に褒められることも多い

あ、でもケーちゃんは嫌そうな顔をすることはなくなったけど心配するような顔をすることは増えたなぁ

カナちゃんも俺の行動を肯定してくれてはいるけど心配してるってオーラを全面に出してる

性病とかには気を付けてるのに、信用ないのかな

二人とも俺がどんないい情報を持ってこようが、絶対に褒めてくれないんだ

ただ黙って複雑そうな顔をして頭を撫でてくれたりするだけ

俺は二人に褒めてほしいからやってるのに・・・


・・・あぁ、でもたまに思うんだ

俺が世間一般でいう"マトモ"な人間に育ってたら今頃何してたのかな、って



きっと母さんは生きてるよね

父さんは・・・まぁいいや

母さんは綺麗だったから三十路になってもモテるだろうな

二人で町を歩いたらきっと、親子じゃなくて姉弟かカップルと間違われるよね

んで間違われたことに目を合わせて笑うんだ


学校ではどうだろう

普通の人はほいほいセックスなんてしないらしいし・・・

うん、きっとスポーツにのめり込むんだよね

俺は、何するかな

大抵なんでも出来るけど・・・やっぱ野球かサッカーかなぁ?

あ、甲子園に行ってみたいし、野球かな

ピッチャーがいい

目立つし、エースナンバーが1ってのがすごくカッコいいから

練習に一生懸命取り組んで、友情ってのを育んで、一緒に汗を流すんだ


たまに甘酸っぱいピュアな恋とかしたりしてさ、仲間内で恋ばなってのをしたりとかして、いわゆる青春ってのを過ごすんだ


そう考えると楽しそうだなぁ

"マトモ"に暮らすのも



「・・・ね、ぼーっとしてどうしたのぉ?ゆかりちゃん」

「・・・・?あ、ヨーくん先輩」


ヨーくん先輩は小さくて可愛いクセにイカれてる人

抱いたり抱かれたりする関係でもあるし、仲間の一人でもある


仲間は全部で12人

全員が全員、どこかしらイカれてる、狂人の集団

それぞれの名前に動物が入っててその動物を並び替えると干支になるから、干支十二王なんて名前がついてる集団

身体の一部にその動物の刺青も入れてるんだ

ある意味おそろい

ちなみに俺は犬で、ヨーくん先輩は羊


「ヨーくん先輩、何か用?」

「ん?あぁ、そーちゃんさんが呼んでたよぉ。また行ってほしいとこがあるんだってぇ」

「ソーさんが・・・またオシゴトかなぁ」

「そうなんじゃなぁい?ほら、ゆかりちゃんビスクドールみたいに綺麗だから。観賞用にってだけでも引く手あまたなんだよぉ!」

「・・・ねぇヨーくん先輩。俺、皆の役にたってる?」


綺麗、なんて言われて、何故か心臓の辺りがもやっとした

俺の突然の質問をぶつけられたヨーくん先輩は一瞬キョトンと目を瞬かせたけれど、すぐに可愛く、あざといといわれる笑顔を浮かべ言った


「勿論だよぉ!だってゆかりちゃん、すごく頑張ってるじゃん。ゆかりちゃんの持ってくる情報はネットでも、虎徹でもるうちゃんでもきりちゃんでも、りんとくんにだって持ってこれない情報が沢山あるもん・・・・だからきっと、かなたくんやけいちゃんもいつか笑って褒めてくれるよぉ」

「!・・・うん、ありがと、ヨーくん先輩・・・・それじゃ俺、ソーさんとこ行ってくるね」

「うんっ!いってらっしゃい」


皆から褒められるこの容姿

存分に利用して、もっと、もっともっと役に立てば、ケーちゃんやカナちゃんも苦い顔しないでくれるかな

きっと、褒めてくれるよね

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