表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/61

国王杯 3-4コーナー→直線

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 3→4コーナー入り口

語り:ハンス(グラジエーター鞍上)

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 さて勾配も落ち着いたし、少し息を入れさせるかな。



 コロネも同じ考えなのか前に出ないな。


 レスターもついて来てるけど同様か。


 なんかこう淡々とついて来てるな。



 ナイトは少しだけ差を詰めたのか?


 でもその背後から古馬の有力所が迫ってる


 あの馬は古馬と同じ位置から行けるのか?



 まあいい、こっちとしては逃げて差す競馬をするだけだ。


 この馬ならそれができると思う。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 3→4コーナー入り口

語り:俺

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 グラジエーターとコロネは頭差の状態で接近したままだが少し減速している。


 多分わざと引き付けてラストスパートに備えてるんだな。


 今俺と先行馬群との差は2馬身半。


 こちらもアニーの指示で向こうと同じペースに落とした。



 後続馬群は一塊で俺を飲み込もうとしている。


 もう馬群の先頭のハインケルとは一馬身半程度の差しかない。



 この4コーナーの出口付近でそろそろ残り3ハロンのポールが見えてくる。


 そこからが勝負どころだ。


 アニーは後ろも振り返らず前だけを見ている。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 4コーナー出口手前

語り:ハンス(グラジエーター鞍上)

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 ここからが勝負どころだ。


 僕はグラジエーターに加速するように促した。


 でも全力じゃない。


 全力を出すのは直線に入ってからだ。



 グラジエーターの加速にコロネは少し遅れたけど、また盛り返そうとしてきた。


 でも残念だけどもう並ばせないよ。


 このまま直線で置いて行く。



 でも予想外の事が起こった。


 レスターが外に進路を取ってグラジエーターに並びかけて来た。


 クルーズの事だからコロネの脱落を待って、内から来ると思ってたけどね。


 まあいいか。ランカスターカップの再戦と行こうじゃないか。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 4コーナー出口手前

語り:クルーズ(レスター鞍上)

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 今日はグラジエーターさえ負かせば後は振りきれる。


 だからここから並びかけてスタミナ比べを挑む。



 それがレース前に先生達と話し合った結論だった。


 三歳は斤量が軽い。


 こんな起伏の大きいコースだったら、それが何よりの武器になる。


 だから古馬は一切気にしない事に決めた。



 同じ三歳のナイトはようやく仕上げて来た感じだ。


 本来休ませるべき所を、主催者側に強く乞われて出て来たと聞いている。


 ミストラル騒ぎが無ければ、絶対に出て来ることが無かった馬だ。


 今までずっと負けてきたけど、今回だけは気にしない事にする。



 他より戦績が劣っているなら、何もかも気にする事は出来ない。


 何かに集中してそれが嵌れば勝つくらいに徹底しないと。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 4コーナー出口手前

語り:俺

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 今丁度残り3ハロンを示すポールの横に来た。


 そこでアニーがムチを入れずに俺を軽く追った。


 それで半馬身差で俺を飲み込もうとしていた古馬達を引き離した。



 後ろではマイクがアニーと同じ様にハインケルを促して仕掛けていた。


 キースも同様だ。


 だが俺程の反応速度は無い。


 これが斤量差なんだろうな。



 前ではグラジエーターがレスターと並んで直線に向かっている。


 コロネは僅かに遅れているのか?


 レスターはスタミナに自信があるから、グラジエーターにここから挑むつもりだろう。


 俺も離されてはいない。


 先行馬群の三番手になったコロネから2馬身程度の差でついて行っている。


 俺はアニーの合図次第でいつでもスパートできるように構えていた。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 直線 残り450m

語り:ハンス

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 僕はここでグラジエーターに全力を出すように指示した。


 コロネはもう何馬身か後ろで、今は真横にいるレスターとの一騎打ちのような形だ。


 今はお互い併せ馬の形で、ランカスターカップの直線の再現の様になっている。


 ここはゴールまでずっと上り坂だし、今までマイペースを守っていた僕の馬には後ろからではなかなか追いつけないと思う。



 それにエリスズナイトは状態がきついだろうし、古馬は斤量が重い。


 今は隣のレスターを倒すことに集中しよう。


 グラジエーターはあの時もレスターには決して抜かせなかった。


 今日はナイトも纏めて負かして、この世代の代表は僕の馬だと証明して見せる。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 直線 残り400m

語り:俺

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 前ではグラジエーターとレスターのマッチレースになっている。


 俺はさっきと同じ間隔で、前の二頭について行ってアニーの合図を待っている。


 残り2ハロンのポールを過ぎると同時にアニーの左ムチが飛んだ。



 俺は身を沈めて全力で前の2頭を追った。


 だがやはり上り坂だけあって、平地程の勢いは出ない。


 でも前の2頭より俺の方が速い。


 追いつけるか?


 そう思った時にグラジエーターに異変が起こった。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 直線 残り300m

語り:ハンス(グラジエーター鞍上)

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


 どうしたんだ?急に手応えが・・・


 僕のグラジエーターはどんどんレスターに置いて行かれる。


 そして外からはアニーのエリスズナイトが僕を追い越して行く。


 そして更にその外からもう1頭。



 これはどう見てもスタミナ切れ・・・



 グラジエーターの距離の限界がこのタフなコースだとモロに出てしまったという事か。




△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race

国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 馬主席

語り:エリス

△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race△▼Race


「ちょっとウソでしょ!?ハンスどうにかしてよ!!」


 ヴィルマの叫び同様、一番人気馬の失速で場内がどよめいています。



 これはスタミナ切れ。


 このタフな競馬場ではパワー同様スタミナも要求されます。


 ランカスターカップの行われた競馬場ではどちらかと言えばスピードや切れ味が要求されましたし、3歳同士では完成度の差で圧倒していた事もあって、グラジエーターの欠点があの場では出なかったという事でしょう。


 でもこの欠点は今日と同じ距離を使えばいずれ露呈していたことです。


 ヴィルマには不本意な事でしょうが、仕方の無い事です。



 ケイトの方に視線を移しますと、じっと拳を握り締めて今先頭に立ったレスターを見つめています。


 そのレスターの外から今ナイトが襲い掛かろうとしていました。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ