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国王杯 下り坂→1-2コーナー

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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 下り坂→1コーナー

語り:俺

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 この下り坂は約800m。つまり全体の1/3を占める。


 下りはそのまま勢いに任せて駆け下りれば良いと思うかもしれないが、そうすると車輪と違って人でも馬でも脚に負担がかかる。



 俺の友人が高校の頃は登山部員で、よく放課後重しを入れたリュックを背負って、校舎の階段を上り下りしていたそうだ。


 そいつの話によると、上りは当然きついけれど、勢いに任せて下ると膝に来るそうだ。


 今日のこのコースを走っていると、その事を思い出す。



 今の所先行馬群とはジリジリと差が開いて、今は約4馬身半から5馬身くらい。


 下りはそろそろ終わりで、あと少しで底を打って右にターンする。


 そうなると残り約1600mに下りは無く、僅かな平坦以外は登りだけになる。



 さてここから先のどこでジリジリと差を詰めますかね。




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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 下り坂→1コーナー

語り:アニー(エリスズナイト鞍上)

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 よし良い感じだ。



 コロネはともかく、グラジエーターもレスターも馬格があるからその分脚に来るだろう。


 まああいつらにそんなもん撥ね退ける強さがあれば、こっちに出番は無いがな。


 それにしても、こいつは速度維持の指示にすぐに従ってくれたな。


 釣られて前を追いかけて行って同じ様に消耗したら、今日のコンディションじゃ多分勝ち目はねえ・・


 こいつの操縦性の良さと気味悪いくらい的確なレースセンスに感謝だな。



 後ろにはマイクか。


 ちゃんと冷静に乗ってやがるな。


 ならいい。




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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 下り坂→1コーナー

語り:マイク(ハインケル鞍上)

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 やはり姐さんはすごい。


 この下りで大した苦労もなくナイトを落ち着かせて、的確なスピードを維持している。



 時々ナイトと一緒に調教をすると今でも複雑になる。


 お前いつの間にそんなに強くなったんだよって・・・・




 ナイトの主戦騎手は最初は俺だった。


 それは勝ち星を少しづつ重ねてG1に乗る資格を得た俺への公爵様からの計らいだった。


 世代一番の良血馬を任せて貰えて本当に嬉しかったけど、俺とナイトは期待に応えられなくて惨敗ばかりだった。


 ジェイクのナイトへの虐待や気性面の問題から来る馬体細化とかあったけど、それでも俺は責任を感じていた。



 やがて俺は降ろされ、姐さんに代わった途端にナイトは未勝利をあっさり勝ってしまった。


 馬体の回復とかナイトに様々な変化があった事は確かだけど、レースを見たら姐さんと俺の騎乗技術の差は明らかだった。


 次の条件特別では逃がしてワンサイドゲームで勝ってしまったし、トライアルではレスターの奇襲にも動じず差し切り勝ち。


 ランカスターカップでは流れに応じた絶好の位置取りとスパートのタイミング、キースさんとの火の出るような叩き合いやアクシデントにもめげずに馬を追う姿勢。


 全てが凄かった。



 俺と姐さんとの決定的な違いを見せつけられて、もう騎手を辞めようかと思っていたら今回の依頼があった。


 キースさんにも依頼が行ったと聞いたから、この馬にはてっきりキースさんが乗るものだと思っていた。


 でも公爵様やオーエン先生は俺にこの馬を回してくれた。


 是非期待に応えられる騎乗をして、公爵様やオーエン先生だけでなく姐さんにも認めてもらえる様に頑張るんだ。




 この場はペース配分の上手い姐さんにこのままついて行こう。


 グラジエーターやコロネは忘れよう。




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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 1-2コーナー入り口

語り:ハンス(グラジエーター鞍上)

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 この辺りで下りの底だな。


 コロネは相変わらず首差くらいで内にいるし、レスターも1馬身差くらいでついてきている。


 ナイトは結構離れたな。


 作戦なのか、ついて来れないのかわからないけど手加減はしないよ。



 ここからは登って行く。


 この馬には坂をものともしないパワーがあるし、簡単には追いつかれないスピードもある。


 このまま最後まで押し切ってみせる。




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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 1-2コーナー入り口

語り:クルーズ(レスター鞍上)

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 何だろう?妙な感じがする。


 でも後ろを振り返っても仕方がない。



 グラジエーターをマークする作戦は間違ってないと思うし、こっちは最短距離を通っている。


 これから先の登りのパワー勝負は望む所だしスタミナだって負けない。


 ただアニーさんが理由もなく馬を下げるとは思えないしな・・・


 古馬だって先行型のコロネ以外離れたままだ。


 でも僕は前に進むしかない。


 このまま前に行ってどこかでグラジエーターを交わしてやる。




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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 1-2コーナー入り口

語り:俺

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 よし、ここで底を打った。


 下りでは無駄な消耗は避けられたと思うし、何とか乗り切ったぞ。



 ここからゴールまでは殆どが登りでスタミナ配分が重要になって来るぞ。


 この右コーナーは1-2コーナー併せて約400mあるけど、前に離されない程度について行くだけにして、無理に前に追いつこうとしない方が良い。


 ここの2コーナーを出てもう一つのコースとの合流地点を過ぎたら一番きつい坂があるからな。



 グラジエーターの内に潜り込んでるコロネは良い作戦かもな。


 あの位置を譲らない限り最短距離を通る事が出来るし、グラジエーターにも終始プレッシャーをかけられる。


 でも俺からはオーバーペースに見えるんだよなあ。




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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 1-2コーナー入り口

語り:アニー

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 ここまではうまく行ってるな。


 さて問題はここからか。


 こいつの今の仕上がりでどこまで持つか・・・


 まあレース前にあんなふざけた事を言って来たハンスだけには負けねえ!


 それだけは絶対だ!




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国王杯 芝2400M

場所:王立競馬場 馬主席

語り:エリス

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 難所の一つの下りをうまく抜けましたか。


 今の所は上々と言えるでしょう。


 とにかくナイトに関しては、今日は出られただけでも十分ですし、結果を求めるわけには行かないでしょう。



 ハインケルの位置取りも上々です。


 グローヴァーの位置取りは後ろ過ぎにも見えますが、キースさんに考えがあっての事でしょう。







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