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第二章 半年前の事件

こんにちは!

お久しぶりです。トミーです。

やっっっっと出来上がりました!

イェイ!

と、言うことで。

読んでいただけば幸いです。


俺と大輔は「ここじゃなんだから。」と、音楽室に戻った。

「それで?どうしたんだ?」と、俺。

「お前さ、気づかないのか??」と大輔。

「何が?」

「嘘だろ?澪の事だよ!明らかにおかしいだろ!瞬間移動したり!」

とキレ気味の大輔。

「あっ、ああ。確かに。」

と、俺。

「…俺。思うんだけどさ~。あん時からだと思うんだよな。あいつがおかしくなったの。」

「…あん時、か…。」

 

半年前。

俺達はいつもの通り音の世界で「不協和音」を「良いハーモニー」に変えていた。

具体的に何をするかと言うと、悪いことをすると、その悪いことをした者から不協和音がでる。その不協和音が続くと、「ガンサ」という、悪の親玉の復活を早める。

今は、俺達のお父さん達が封印したから何もないが、復活すると、音の世界は死に、こっちの世界では時が止まる。

それを阻止するため、俺達は代々自分達の楽器を使い、不協和音を良いハーモニーに変えていた。

俺は、トロンボーンで自然の力を借り、敵を倒し、

大輔は、トランペットで獣達の力を借り、敵を倒し、

澪は、ユーフォニウムで敵から出ている不協和音を良いハーモニーに変換していた。

そして、澪には、音の世界の物一つ一つから出るハーモニーを「視る」事ができる。つまり、相手の心を読むことも出来る。

これらを使い、俺達は敵と戦っていた。


しかし。

今日は何だか大輔の様子がおかしい。

俺達は今、澪が「こっちの方に不協和音が視える。」と言うので、とある公園にいる。

大輔の様子を見ると、今日の敵はいつもと何かが違うらしい。

「…嘘だろ…何で回復してんだよ…」

と大輔。

とても深刻な顔をしている。

敵は女のようだ。

「どうした。」

と、俺。

「今、この白虎があの女を攻撃した。でも。回復しやがった…」

「マジかよ…」

今まで、俺達が与えた傷を回復した敵はいなかった。

…すると。

「ウフフ♪あなた、いい攻撃じゃない♪」と、女。

「…お前、何者だ。」と、俺。

「あたしが何者か、聞いてどうするの?」

目の前の女は気持ちの悪い笑みを浮かべている。

「あたしは、回復できちゃうから、あなた達が頑張っても無理ね♪」

「…無理でも、倒す。」と、大輔。

いつもとはうってかわって真剣だ。 

「ウフフ♪やって見なさいよ♪」と女。

余裕の笑みを浮かべている。

「…行くぞ。」と、俺。

「おう。」「うん。」

と、俺の後ろに立っている二人は応えた。

「「スッ」」

俺と大輔は、同時に息を吸う。

そして、自分達の楽器を吹きならし、

俺は女へ水の波動を放った。

大輔はさっきよりも大きい白虎を呼び寄せ、女へ放した。


そして。

どの攻撃も命中した。 が。

「シュゥゥ………」

女の傷はみるみる回復した。

その次の瞬間。女は何か構えた。

「ピー……」

と、甲高い音が聞こえたと思ったら。

「バリバリッ!!!!」

「「!?」」

次の瞬間、爆音と共にものすごい光を伴って稲妻が俺の所へ一直線。

「ぐっっ………!」

その稲妻は俺の腹部に直撃し、息を吸うのも苦しくなる。

「ウフフ♪大丈夫??まぁ、呆気ない。無理もないか♪あたし、あんた達が恐れているガンサの妹だし?早く退散した方がいいんじゃない??このままじゃ、こいつ死んじゃうよ??」

と、目の前の女は俺の隣に立っている二人に勝ち誇ったように言う。

「…た…いさん…しろ…だと…?」

と、俺は込み上げてくる怒りを顕にした。

「陵!駄目だ。…悔しいが、こいつの言う通りだ。現にお前は今、戦える状態じゃない。退散しよう。」

と、大輔が怒りを殺して言った。

「…んなこと…」

できるわけねぇだろ!と言おうとしたが、もう限界で、そこでぷつん…と意識が途切れた。

2日後。

俺は大輔の家で目を覚ました。

「おい!わかるか?俺だ!大輔だ!」

と、大輔は泣きそうな顔で俺を覗きこんだ。

「…ああ。」と、俺。

「良かった…。」と、大輔。

大輔はまず、俺をここまで連れて来て、俺達の先代である、大輔のお母さんのフルートで、俺のことを回復してもらい、そして夜が明け、澪と大輔は普通に学校に行き、今日まで俺の看病を二人でしてくれていた。という事を教えてくれた。


「…それで?澪はどこにいるんだ?」

俺は、部屋の中を見回し言った。今日、目覚めてからこの一時間、一度も見ていない。

「…そ、れは…」

いきなり大輔の顔が歪んだ。

嫌な予感がしたが、俺は勇気を出して、

「どうしたんだ?」

さりげなく聞こえるように聞いた。

「…本当にごめん…っ!!」

と、大輔はいきなり謝りだした。

「あの…な、昨日澪と俺で…あの女の所へもう一回行ったんだ。」

と、大輔。顔に血の気が無い。

「…嘘だろ…」

多分、俺の顔は真っ青だ。

何故なら2日前、三人で行って全く歯が立たなかったのに、二人であの女が倒せたとは思わなかったからだ。

そして、澪がこの場にいない事実を勝手に頭が関係付け、どんどん嫌な方向へと持っていく。

「誰が言い出したんだよ…。」

と、俺は気にもなっていない事を質問した。

大輔が「そこで何があったか」を話すのを先伸ばしにするために。

俺は情けない。大輔が「そこで何があったか」を話し、事実を知る事に怯えている。

今、この質問をしても、たった何分か先伸ばしにするだけなのに。

大輔のお母さんが回復してくれたはずなのに、胸が痛い。

「澪だ。」と、大輔ははっきりと言った。

「…?何で…」

この俺を含む三人の中でたぶん一番分析能力が高いのは澪だ。

三人で戦って勝てなかった敵を二人で戦って勝てるとは思わないだろう。

なのに、澪は「二人で戦う」選択をした。

何故…?

「俺も、もちろん止めた。『三人で戦って歯が立たなかったのに、二人で行って勝てるわけねぇだろ!それに、あの女がまだ公園にいるかもわかんねぇじゃねぇか!!』ってな。」

「じゃあ、どうして…?」

「あいつの目的が『二人で戦う。』っていうことじゃなかったからだよ。」

「…??」

俺は、ますます意味がわからなくなった。

あの女のところに、戦う以外に用があるとは思わなかったからだ。

「あいつは、『お前の為に行く』って言ったんだ。」

「俺の為に…?」

「ああ。あいつは、俺と陵があの女に攻撃を仕掛けていたとき、あいつはあいつで、あの女の心の中を視て、あの女の考えていることを探っていたんだ。それで澪は、あの女は陵のことがずっと好きで、陵の彼女の澪に嫉妬していた。そこで、俺達を倒し、澪を奪い、陵を自分の物にしようとしていたんだ。だから澪は自分が、女のところにいけば、陵や俺を傷つけなくて済む。って、女のところに行ったんだ。だけど、俺は陵も澪も傷ついて欲しくないから、指をくわえて見てるなんてできなかった。だからせめて、、と思って澪と一緒にあの女の所へ行ったんだ。だけど、あの女は『この女にしか用はない』と言って、俺のことを吹き飛ばしたんだ。で、そのままどこかへ連れ去っちまった。…マジでごめん…。澪を守れなかった…。あの時俺が止めていれば…、お前も目覚めた瞬間…こんな話を聞かされなくて済んだのに…。」

大輔はぼろぼろと涙を流しながら謝ってきた。

「嘘だろ…。」

俺はショックで言葉が出なかった。

まさか、俺なんかのために二人があの女の所へ行き、澪は俺のために自分を差しだし、大輔は俺のためにこんなに心を痛め、苦しんでる。


「…澪を助けに行こう。」


俺は、色々なことを自分なりに一生懸命考え、"これ"にたどり着いた。いたって普通の、当たり前なことなんだろうけれど、俺の馬鹿な頭は、"これ"にたどり着くのにとても時間をかけやがった。


「…え…それは駄目だ。陵の気持ちもわからなくはないけど、駄目だ。いくら俺の母さんが回復してくれたからって…」

「いや。お前にばっかりカッコいい真似させてられるか。俺だって大輔も澪も大好きだ。…好きな奴位護らせろよ…。」

「…陵…。」

「澪は今、何されてっかもわかんねぇんだ。ここは彼氏の俺が行くべきだろっ☆」

「…ああ。そうだな!」

「んじゃ、行くか。」

「おう!」

その後、俺は、大輔と共に澪の所へ向かった。

………そして。

俺達はみつけた。

瀕死の澪を。

澪の目の前には、あの女が立っていた。

「…嘘だろ…。」

と、大輔。

「大輔…、陵…。」

と、澪。

口から血をごぼごぼと吐きながら、こんなに頑張って喋ってくれているのに俺は、

「何でだよ…何で一人で行ってんだよ…。」

なんて言葉しかかけてあげられなかった。


「…ごめんね…」


……俺はこの時、頭の中で何かが「ぷつん…っ」と切れた音を聞いた。

「…ふざけんな…」

と、俺。

「…何でこんなになるまで…何が目的なんだ…????」

と、大輔。

怒りで、それとも怖れかわからないけれど、大輔の握っているこぶしは震えていた。

「…フフ♪知りたい?…じゃあ教えてあげる。。まぁ、簡潔に言うと、この娘がうざかったの♪いっつも陵君の隣に居て。笑顔で。陵君の優しさをもらって。……あたしにもくれた事あったのに。」

と、女。

俺は思わず

「!!!!そんなことの為に澪をこんなにしやがったのか!?」

と言った。

すると女は、

「……じゃあ、あたしの物になってよ。」

と言った。

俺は、思わずトランペットを吹きならし、水の波動で攻撃をした。

しかし。

「………それが陵君の答え?」

と女は言った。

「…なぁ、お前、誰だ?」

と、大輔。

「…それをあなたたちに教えてなんになるの??陵君は私の物になるの?」

「…あぁ。もしかしたらなるかもしれねぇ。」

「ちょっ……!おい大輔!」

「…そう?陵君は私の事覚えて無いみたいだけど。…優香っていうんだよ。」

「………!!!!!!」


「陵??知ってるのか?」

「……ああ。」

『優香』は、俺の近所に住んでいた、2つ上の、俺にとってお姉ちゃんみたいな人だった。

…でも。澪と付き合いはじめてから俺の前に姿を見せなくなった。

「…思い出した?…さあ、どうする??このままだと、この娘、死んじゃうよ?」

「ああ。もちろん…」

俺はトランペットを。大輔はトロンボーンを。吹きならした。

「!?」

突然俺達が吹きならしてきたので、動揺している。

「待って!!!!この娘を助ける事も出来るから!」

と女はバリアで身を守りながら言った。

俺達は、「澪を助ける事ができる」という言葉に反応し、楽器を吹きならすのを止めた。

「…陵君が私の物になるなら。私は、この娘を回復する。ならないなら、今、ここで始末する。」

「まだそんなこと言ってんのか!?そんなの……」


「いや。なってやるよ。」


「「!?」」


俺は、決めた。

たとえ君と会えなくとも。

俺は君を助ける。


「…陵!!!!しっかりしろ!」

「…ダ…メ…」

二人して俺を止めるが、

「いや。俺は澪を助ける。」

「♪じゃ、決まりね!…いいことおもいついた。」

「「??」」

俺達は嫌な予感がした。

が。

「あのね、陵と一緒に行くには、その娘の体を借りないといけないの。でも、魂をうつしかえるのに、一年かかるの。その間は、その娘と過ごせば?まぁ、一年後には、その娘の体と陵君はあたしのものだけど♪」

俺は、この条件に乗ることにした。


「わかった。」

「じゃ、決まりね!バイバイ!!!!」

と、女がいった瞬間。

地面に穴が開き、どこかに飛ばされた。


そして。 

気づいたら三人とも俺が目覚めた、

大輔の家にいたのだった。

いかがでしたか?

楽しんでいただけましたか?

それでは。



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