表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

科学も技術も、まずはこの世界で出来る事から

 これが別の歴史を歩んだ異世界の1930年である。

 大恐慌を迎えてブロック経済が始まり、世界各地が低迷と停滞を余儀なくされていた。

 史実以上に広大な地域の権益を持つヒノモトだが、この状況はさすがにつらいものがあった。

 それでも史実の日本よりはマシであったが。



 ただ、経済的な落ち込みもさる事ながら、欧米列強の圧力はいかんともしがたい。

 これをどうにかしたいというのがヒノモトの願いだった。



 そんな時にヒノモトの神がお告げをもたらした。

「救いをもたらす。

 別の道をたどった同胞が」

 この声を聞いたヒノモトの民は、日本との出会う事になる。



 話を聞いた日本も、これを放ってはおけなかった。

 どこまで出来るかわからないが、出来るだけの事をしようと決意した。



 さしあたっては、必要な食料や物資の確保。

 これを輸入に、必要な物品や技術を伝える。

 自国と交易をするという不思議な状態だ。

 そして、ヒノモトが生き残るために何が必要かを考えていく事になる。



「まずはユーラシア大陸の資源。

 これを、わかってる範囲で伝えよう」

 最初はここから始まった。

 この地域にも様々な資源がある。

 これを採掘して、必要な物資を確保する。

 日本とヒノモトにとって重要な事を進めていく。



 さらに様々な資源の加工方法。

 工作機械などを日本は輸出していく。

 どんなに資源があっても、使えなくては意味が無い。

 これを効率的に効果的に原材料に、部品に加工していく手段をもたらす。



 とはいえ、日本だけで全てを提供できるわけもない。

 人口が2000万人に減った日本である。

 生産量はどうしても下がる。

 なので、様々な機械の核心的な部分は日本が生産。

 それ以外のヒノモトが作れるものはヒノモトが生産する。

 この分担体制が作られていった。



 ここで日本も極力資源を使わずに済むようにしていく。

 2000万人になった日本は、以前ほど資源を消費せずに済む。

 また、電力だけなら原子力発電所を稼働させるだけで済む。

 これで電力の全て、そして石油やガスなどの化石燃料を電力におきかえていく。

 これにより日本の電力化は進んだ。



 食料などは自給率100%になるので、輸入の必要性は大幅に下がった。

 それでも、日本国内では手に入らないものは輸入するしかないが。

 これはヒノモトの権益が及ぶ範囲から十分に確保可能だ。



 こうした適応をこなしながら、日本はヒノモトの社会基盤の向上をはかっていく。

 まずは工業地帯の建設。

 神奈川県から静岡県にかけての太平洋側沿岸部。

 ここに大規模な工業地帯を建設する事から始まる。



 ここに港を作り、石油や天然ガスなどの燃料を受け取る施設を作り。

 工業用の発電所を作り、水を運ぶための運河を通す。



 作業に日本から持ち込んだブルドーザーなどの作業用・建設用機械を持ち込んだ。

 これにより工期を大幅に短縮した。

 建設開始してから1年もすれば、最初の企業の誘致が可能となった。



 また、この地域は舗装道路を敷き詰めていった。

 都心部でも舗装道路が少ないご時世である。

 大規模とはいえ工業地帯全てを舗装するという事に、ヒノモトの民は驚いた。

 この道は東京と結ばれ事になる。



 工業用の設備だけではない。

 ここで働く者達用の設備も作られていく。

 そのために、浄水場から下水処理場、電線にガス管などが建設されていった。

 ゴミ処理場などもだ。



 住居も日本基準での建設が行われる。

 建材は事前加工して建築現場に持ち込まれ。

 耐震性や耐火性なども日本基準で作られていった。

 一戸建てやマンション・アパートは風呂とトイレが完備。

 冷暖房も備えてる。

 この居住環境にヒノモトの労働者は唖然とした。

「どこの御殿だ?」

 誰もがこの言葉を漏らした。



 この建設や建築にも日本からもたらされた工具が使われる。

 電動ドリルに、電動のこぎり、その他様々な電動工具。

 これらのおかげで作業効率は大幅に上昇。

 各施設がかつてない早さで完成していった。



 こうして建造された工業地帯は、最初に入った企業から活動を開始。

 日本からもたらされる知識を元に、この世界で作れる様々な機械を作り出していく事になる。



 工作機械だけではない。

 事務作業も小さくて大きな変化が訪れる。

 日本製の各文具によって。



 単純な紙や鉛筆の質がこの時代とは違う。

 なめらかな書き心地を提供してくれるこれらは、筆記の手間を大きく低下させた。

 消しゴムも、格段の消去力をもたらす。



 ファイルにバインダー、ルーズリーフにタグシール、ポストイット。

 穴開けパンチにホチキス。

 こういった小さな道具も、書類をまとめて整理する効率を格段に上昇させた。

 というよりミスが大幅に減っていく事になる。



 さらに内線電話が標準となり、社内・屋内限定ではあるが、伝達効率が上がった。

 今までは伝令として人が走って叫び回らねばならなかったのにだ。



 おまけに作業所には冷暖房完備。

 工場内や屋外の労働者には扇風機付きの上着や、電熱服がもたらされる。

 夏の暑さにも冬の寒さにも負けずに作業が出来る。



 さらに工場の煙突には煤煙用のフィルターが。

 これは空気を浄化するだけでなく、再利用かのうな資源の回収すらしていく。

 これにより輸入資源を大幅に減らす事が出来るようになった。



 それだけではない。

 蒸発して消えていく水すらも回収する。

 これにより、絶えず補給しなければならない水が減った。

 水資源の節約にもなる。



 工場で発する熱。

 これを利用した発電も行われる。

 同じく熱を放つゴミ処理場も。

 こうした場所での発電が、発電所への負担を低減させていく。



 さらに水の浄化はもとより。

 下水の処理も進む。

 おまけに下水から水素やメタンを回収しての発電すら行う。

 工業地帯はこの時代ではあり得ないほど清潔で快適な環境を保っていった。



 これらの技術は他の工場などにも用いられていく。

 資源の回収、下水や煤煙の浄化。

 これにより生活環境は大幅に改善。

 病気が大幅に減っていった。

 すなわち、体調不良による休業者が激減。

 安定した生産が期待できるようになった。



 こうして神奈川・静岡の協業地帯。

 川岡工業地帯と呼ばれる地域は、ヒノモトと周辺国の産業中心地となっていく。



 こうした工業地帯から、まずは日用品が作られていく。

 軍需品をと求めるヒノモト政府であるが、日本は断固として拒否。

「まずは人々の日常生活を改善しないと」

「それに工場の工作機械も」

「でなければ軍需品もまともに作れない」

 この意見にヒノモト側も納得するしかなかった。



 実際、日用品の生産によって、ヒノモトの工業力が劇的に変わる。

 日用品はどこででも求められる。

 生産を継続出来る。

 自然と労働者や職人の腕を上げる事になる。

 毎日仕事があるのだから当然だ。



 また、高性能な作業機械や工具は、様々な作業効率を上げる。

 こうしてできあがった高性能な道具を工場で使う事で、さらに生産性と品質を上げていける。

 この恩恵は軍需品にも与えられる。



 作業効率や工作精度が上がれば、軍需品の品質も上がる。

 それは戦力の増強に直結する。

 なにより、より高性能な兵器を作るための土台となる。

 これを日用品を作り続ける事でヒノモトは手に入れていく。



 まずは日用品。

 この言葉の意味は、数年するとヒノモトに当たり前として受け入れられるようになる。



 とはいえ、一足飛びにとはいかない。

 核心部品だけ作ったとしても、とうていヒノモト全土に製品をいきわたらせる事は出来ない。

 なので、段階的に様々なものを作っていく。

 その一つが真空管による制御機器になる。



 工作機械の制御。

 これを人間だけでなく制御機器を使って行う。

 高度な職人がいなくても、一定の品質を出せるようにする。

 このためにはどうしても電子制御が必要になる。

 そこでちゅうもくされたのが真空管だ。



 トランジスタなどは製造に手間がかかる。

 少なくとも今のヒノモトには不可能。

 だが、真空管なら問題なく作れる。

 ならば、まずはここから作ろうという事になった。



 設計図面は日本が作る。

 もちろん、このための知識も教えていくが。

 今すぐにも必要なものは日本が用意していく事になった。



 こうして真空管制御器が作られ、工作機械に用いられていく。

 効果は絶大で、真空管制御器を用いた工場の作業効率は数倍に跳ね上がった。

 これが川岡協業地帯を始め、ヒノモト全国に広がっていく。



 と同時にトランジスタの生産体制の構築も進められていく。

 やはり確信部品は日本で製造。

 それ以外は真空管制御器を手に入れたヒノモトが担当。

 これによりかなりの短期間でトランジスタの量産が可能となった。



 トランジスタが開発されれば、今度はこれを用いた制御器が作られていく。

 真空管制御器は早くもお役御免となった。

 だが、過渡期の重要な時期を支えたとして、真空管は不滅の地位を築き上げる。



 トランジスタ制御器や電子機器が量産されると、ヒノモトの工業力は爆発した。

 生産効率はさらに数倍。

 真空管以前とは比べものにならない規模となる。

 真空管より小型で頑丈で精度が高い。

 この機器は川岡工業地帯からヒノモト各地に飛んでいく事になる。



 こうしてヒノモトは大規模な工業地帯を手に入れた。

 そして、工業地帯建設と平行して行われていた兵器開発の結果を作り出していく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアに同じ内容の話を販売↓


【日本が国ごと転移したのは、別の歴史を歩んだ1930年の世界だった、こで列強に圧力を受けてるもう一つの日本を救う事になりそうです】
https://fantia.jp/products/945848


 中身は全く同じ。
 この話が気に入ったら手に取ってほしい。


_____________________

 以前こちらで俺の書いた話が話題になってたので紹介 ↓


http://mokotyama.sblo.jp/

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ