終わりと終わらない戦い
「これで一段落ですかねえ」
「だと良いんですが」
とある場所にて、現状を振り返る者達は憂鬱な顔をしている。
長い戦争が終わり、一応は平和が訪れた。
列強国は損害が大きくて再戦する余力が無い。
これらの援助を受けていた中華民国と朝鮮もだ。
戦闘がないという状態になり、一応は平穏になった。
しかし、問題は全く解決していない。
列強はいよいよヒノモトを警戒してくる。
交易や貿易の制限も始めた。
完全なブロック経済化だ。
これは大恐慌からの事なので、今更ではあるが。
しかし、完全に排除されるとなるとこたえるものがあった。
とはいえ、史実と違いヒノモトと日本はユーラシア東部と東南アジアがある。
資源の自給自足はある程度可能だ。
史実の日本のように、資源がなくて困窮するという事はない。
それでもだ。
敵対は決定的。
再び戦争が起こる事も覚悟せねばならない。
その時は列強各国が相手になるだろう。
植民地もこれにならう。
救いなのは、植民地の多くが独立を求めて動いてる事。
この対応に列強はおわれる事になる。
それが強硬手段になる事も予想される。
大半の植民地はヒノモト側につく事を求めてる。
宗主国の下での自治領や保護国を求めてない。
今回の戦争でこの流れが加速した。
ヒノモト制圧地域がいずれも独立に向けた動きを示した事で。
ならば我々もと自立を求める者達が出てくる。
これは各植民地の危機感にもよる。
宗主国の下での自治や保護国化は、どうせ今までと変わらないだろうと。
名前だけ変わった実質植民地であろうと。
あくまでこれは植民地の者達の予想である。
だが、こう考えさせるほどの事を宗主国はしてきた。
警戒するのも当然。
だからヒノモトへの接触を求め、独立自立の後押しを望んでくる。
保護国となるにしても、それはヒノモトが良いと。
植民地がこのような考えなのだから、列強は強攻策をとるしかない。
下手に自治や保護国化したら、ヒノモトとつながる事になるのだから。
こうした状態ではない今ですらヒノモトとの繋がりを求めてるのだし。
「衝突は避けられない」
語り合う男の片方が結論を出す。
分かりきった答えだ。
しかし、はっきりと言葉にする事で、事態の重さを実感してしまう。
「となれば、もうこれに対処するしかないですな」
あとはどうやっていくかである。
「それに、あの国が」
「ええ、そうですね」
心配もある。
今回の中華民国と朝鮮への援助。
これらはヨーロッパ列強だけによるものではない。
関与してる国がある。
「アメリカ」
「ええ」
アメリカは今回、表だって参戦はしてない。
ただ、大量の物資を生産して中華民国と朝鮮に流していった。
大西洋を渡って、ヨーロッパからアジアを通して。
植民地に展開する列強国軍への物資も作っていた。
このおかげで、ヨーロッパ各国の軍隊は戦えていた。
これが本格的に参戦したらどうなるか。
歴史を知る者ならば憂鬱になっていく。
「勝てないわけではない」
「しかし、簡単に勝てるわけもない」
兵器の質ならば勝っている。
しかし、数で押し切られたらどうなるか分からない。
負ける事もないだろうが、大きな損害を覚悟する必要はあるかもしれない。
しかし避けて通る事は出来ない。
巨大な工業力と生産力で物資を増産されたら、終わるものも終わらない。
途切れる事のない補給は、戦争の勝利に必要な条件だ。
これを提供するなら、アメリカを倒す必要がある。
でないと、終わらない戦争を続ける事になる。
「やるしかない」
「残念ながら」
決まり切った結論。
それを確認して、2人の男はため息を吐いた。
彼等だけではない。
世界情勢を知り、考える力がある者は同じ結論にいたっている。
そして、同じようにため息を吐いていく。
戦争はまだ終わったわけではないと。
今は休んでるだけでしかない。
本当の戦争はこれからになる。
これらが分かってしまうだけに、憂慮は消えなかった。
それでも。
これから生き延びるためにはやれる事をやるしかない。
それが血を流しながら戦う事であっても。
その先にだけ存続があるのなら。
日本・ヒノモト、そして共栄圏と各地の植民地は、その時に向かっていく。
列強の宗主国らも。
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これにて終了。
続きも書きたいけど、一旦終わらせる。
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