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新たな銃、新たな戦い方

 東南アジアに展開していた列強各国軍は撤退を続けていた。

 足止めのために一部部隊は残り、ゲリラ戦を展開している。

 しかし、主力や本体は可能な限り無傷でインドへ向かうよう指示されていた。

 兵力温存のためである。



 まともに戦えば負ける。

 これがわかってるからイギリスなどは真っ正面からの戦いを控えた。

 地雷を設置し、橋を壊し、鉄道の線路を撤去してヒノモトの進撃を少しでも止めようとした。



 いくつかの要塞や重要拠点では敵を引きつけるための抵抗も行われた。

 だが、これらも進撃を少しでも食い止めるためのもの。

 捨て駒・死兵を作ってでも足止めをしていった。

 もちろん、適度に戦ったら撤退する事も考えてのことではある。

 だが、圧倒的なヒノモト軍を前に、多くの要塞や重要拠点は撃破される。

 脱出すら間に合わないほどに。



 撤退も簡単にはいかない。

 進撃速度が速すぎるヒノモト軍に対して、列強軍はあまりにも遅かった。

 本来の歴史よりも強化された97式中戦車や95式軽戦車の足から逃れられる者は少なく。

 4トントラックや軽トラックで移動する歩兵もまた素早く展開する。



 特に95式軽戦車と軽トラックは列強側からすると脅威だった。

 95式軽戦車は10トン程度の軽さなので、多くの地形に侵入出来る。

 また、20ミリ機関砲は戦車以外の多くの車両を破壊できる。

 トラックなどの車両なだもっと簡単に。

 これがあちこちに広がり、列強軍を撃破するのだ。



 軽トラックも同じだ。

 小型で軽量、それでいて積載能力は高い。

 アメリカ軍のジープのような立ち位置にいる。

 これにより歩兵を少数ながら運搬し、広く展開出来る。

 一度に乗せる事が出来るのは5人がせいぜいだが、2台あれば1分隊を輸送できる。

 10台あれば1小隊と小隊分の荷物を運べる。

 これが森や山を突っ切り、どこからもあらわれる。



 この軽快な機動性が撤退しようとする列強軍を追いかけ、追いついてくる。

 追い越して回り込む。

 そして、搭乗していた兵士が攻撃を仕掛けてくる。



 兵士の装備もこの時には更に改善されていた。

 手にした銃器が新型になっている。

 6・5ミリ歩兵銃に。



 この6・5ミリ歩兵銃は、いわゆるアサルトライフルになる。

 かつて38式歩兵銃で使われていた6・5ミリ弾を使ったものだ。

 さすがにそのまま使うのではなく、形状や火薬は日本のもつ科学技術で洗練されているが。

 この銃弾を用いた現代的な歩兵銃を、この世界に来て日本は開発して配備していた。



 全長は自衛隊が使っていた89式小銃と同じ。

 現代技術を用いて命中精度も高まっている。

 ドットサイトなどの装着品を取り付けるピカテニーレールも標準装備。

 重量も20発装填で4キロを下回る軽さ。

 当然、連射も可能。



 これが最前線部隊から配備されていく事になる。

 効果は絶大だった。



 なにせ、全ての銃が連射が出来る軽機関銃のようなもの。

 火力が違う。

 もっとも、補給の観点から連射は推奨されてないが。

 それでも、ボルトアクションとは違って自動的に次弾が装填されるだけでもありがたい。



 これにブルパップ型のマークスマンライフルも分隊に1丁支給されている。

 こちらは全長が89式小銃と同じで、銃身長が長くなるので命中精度が高くなる。

 突撃銃では捕らえられない遠距離に対応出来る。



 更に分隊には40ミリ擲弾筒グレネードランチャーが渡されている。

 M79のような単発式。

 さすがに木製ストックではなく樹脂製の銃床になるが。

 これが分隊支援火器として分隊に1丁もたらされている。

 爆発力による援護射撃は機関銃による制圧射撃を上回る。

 これにより分隊全体の火力が上がる事になる。



 なお、擲弾筒の砲弾は分隊全員で4発ほど携帯。

 これで弾数を確保する。



 この為、機関銃は歩兵から排除されている。

 どうしても歩兵銃より重くなる機関銃は、歩兵装備としてふさわしくない。

 そもそもとして、歩兵が持つ全ての銃が連射出来るようになってるのだ。

 機関銃の必要性は薄い。



 連射専門の機関銃は、車に乗せる車載兵器として。

 あるいは、陣地に設置される固定銃座として用いられるようになる。

 歩いて持ち運べる重さではあるので、運んで設置する分には便利だ。

 野戦陣地などでは重宝する。

 砲台というほどではないが、陣地の銃座としては重宝する武器ではある。



 また、戦車兵などの防衛用や室内戦闘などに対応する為の短縮型も作られてる。

 カービン・騎兵銃と呼ばれるこれは、折りたたみストックとなっており、最短で50センチ程度におさまる。

 これに、同じくブルパックの短縮型であるブルパップ・カービンを組み合わせて、室内戦や密林戦に対応出来るようになる。



 こうした銃器体系を構築した事で、歩兵戦力は格段に向上した。

 銃弾の再設計・改良から銃の開発までは既に終わっていて、日本軍への配備は始まっていた。

 それが今次大戦において日本から提供。

 ヒノモト軍への供給が開始されている。



 北のユーラシアの平原から、南の東南アジアのジャングルで。

 6・5ミリ弾を使った歩兵銃の体系群は絶大な威力を発揮した。

 7・62ミリ弾ほど反動はなく。

 5・56ミリ弾よりは射程も威力も大きい。

 この特性は平原から山林まで様々な地形で効果的な威力を発揮した。



 万能ではない。

 軽快さでは5・56ミリ弾に劣る。

 射程の長さや威力では7・62ミリが上回る。

 だが、こんなもの求めだしたらきりがない。

 どこかで割り切る必要がある。

 6・5ミリ弾はその割り切りにちょうどよい銃弾だった。



 この連射兵器を歩兵全員が持つようになってから戦場は変わった。

 ヒノモト軍の前線部隊はほぼ全員が連射出来る歩兵銃を持つ。

 対するこの世界の一般的な歩兵である列強軍はボルトアクションライフルを使う。

 連射出来るのは、軽機関銃を持つ兵士だけ。

 一度に発射出来る銃弾の数が違う。



 加えて、遠距離からはブルパップ型のマークスマンライフルが狙う。

 まとまっているところには、擲弾筒で砲弾が撃ち込まれる。

 殺傷範囲が広いこれは、直撃せずとも、爆発した地下にいる者を巻き込んでいく。

 加えて、放物線を描いて飛ぶので、塹壕の中にいても攻撃が出来る。



 これにより列強の歩兵や陣地は簡単に攻略されるようになっていく。

 少なくとも、ヒノモト軍は今までよりは楽に戦闘をこなせるようになった。

 列強側からすると地獄だが。



 なお、これまでのボルトアクションの歩兵銃は、簡易な狙撃銃として扱われるようになっていく。

 連射性能では負けてしまうが、射程も命中率も悪くはない。

 専用の狙撃銃ほとではないが、自動で銃弾を装填していく銃に比べれば当てやすい。

 必要な装着品をつけていけば、簡易な狙撃任務に使えるようになる。

 これを適性を持った兵士に配備する事で、ヒノモト軍の戦闘力は更に上がる事になる。



 歩兵同士の戦闘で敗北は無くなっていく。

 状況次第ではあるが、戦えば勝てるようになっている。



 さすがに装甲車両が相手では勝ち目はなくなるが。

 装甲用の擲弾を使えばどうにかなる場面も出てきていた。



 加えて、日本が提供した対戦車兵器もある。

 84ミリ無反動砲と、少数ながら歩兵用対戦車ミサイルだ。

 これらによって、歩兵でも状況次第で戦車や装甲車が撃破出来るようになった。

 ただし、隠れて撃つのが基本だ。

 見つかって砲撃されたら歩兵では助からない。

 この為、使う場面が限られる事も多い。



 それでもヒノモト軍は歩兵でも戦闘車両を撃破できる手段を手に入れた。

 列強軍は戦車を繰り出しても安全とは言えなくなる。

 作戦で状況を覆そうにも、それすらも難しいほどの装備の差が出てきていた。



 更に、動き方の違いも大きく出てくる。

 トラックやジープなどの車両の差も大きいが、単に歩いて動く歩兵の運用にも違いが出ていた。



 従来は、30~40キロになる荷物を背負って歩くのが普通だった。

 なので、目的地に到着したらもう動けなくなる事がほとんど。

 戦争どころではなくなってしまう。

 これをヒノモトは大きく変えた。



 まず、歩兵は基本的に10~15キロ程度の荷物を持って歩く。

 食料や銃弾に水、それと雨具にテント代わりのタープなど。

 これに銃などの歩兵用装備を加えた者を持ち歩く。

 数日程度の活動ならこれで十分だった。



 出向いた先で陣地などを作る時も同じ。

 まずは軽装の兵士を向かわせて、その後から荷物を運ぶ者達を出発させる。

 先に到着した兵士は塹壕などを掘って陣地を作り。

 後から来たものが必要な機材や食料などを運び込む

 先発隊と荷物運びを分ける事で、一人が一度に運ぶ量を減らした。



 こうして重量による消耗を無くしていく。

 必要だからと荷物を大量に持ち込み、体力を失って戦闘力を失うのは本末転倒。

 まず問題の無い重さを運ぶ。

 足りないものは後から補う。

 車両が走って行けないところではこうするしかない。



 単純だが、こんな事で戦闘効率は上がった。

 軽い荷物しか持たないから移動できる距離が長くなる。

 疲れる事もないから、戦闘にも即座に入れる。

 車が入っていけない場所では、こうやっていくしかない。



 こうして先発隊が作った陣地に食料や生活用具を持ち込む。

 警報装置なども。

 設置する機関銃なども、この時に持ち込む。

 1人に全部やらせるのではなく、手分けして負担を減らす。

 手間と面倒は増えるが、ここも割り切っていく。

 重くて動けず疲れてしまうのか。

 軽くて動きやすく作業が出来るようにするかを。



 これらの違いが列強との差を更に大きくしていく。

 重い荷物を運ぶ列強軍はどうしても疲労が積み重なる。

 装備の質以前に、個人の体力や体調、状態が大きな差を生み出す。

 ここでもヒノモト軍は大きな差をつけていった。



 しかも熱帯での作戦だ。

 暑さに慣れてない者達は少し動くだけで体力を消耗する。

 そんなところで余計に疲れる事をしたら、戦争どころではない。

 日射病や熱中症に陥るだけ。

 ヒノモト軍はこれを避けるために、あえて無理をする事をすてた。

 精神論や根性論の放棄。

 日本にあったこれらをヒノモトは持ってない。

 だからこそ、思い切った断行が出来た。

 これだけでも十分に賢い。


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 この話が気に入ったら手に取ってほしい。


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