肩を並べる同盟国とともに
ヒノモト側の動きは、まず中華民国と朝鮮の港湾施設の破壊から始まった。
規模は小さいが、これらの海軍が出撃したら海上輸送の邪魔になるかだ。
これらは、本来ならば満州国が担うものである。
だが、ウラル山脈の東側であるユーラシア東部の平定の中心となってる。
しかも、陸上において中華民国の侵攻を受けている。
とても海まで押さえ込む余裕がない。
なのでヒノモト海軍でこれらの港湾を破壊する事となった。
このためにヒノモト海軍空部部隊とヒノモト空軍爆撃隊が出撃した。
これらは、ろくな空軍をもたない朝鮮、そして中華民国の港湾を破壊。
爆撃により重要施設の多くが破壊された。
また、空港への爆撃・破壊も行い、海と空への行動を封じた。
これと同時に台湾・フィリピン・タイの軍も動き出す。
これらは国境線の防衛を基本としつつ、海軍により回路の制圧・確保にのりだした。
これらのほとんどは軽巡洋艦や軽空母が保有する最強戦力である。
戦闘力そのものは列強に比べれば心許ない。
だが、いずれも日本が提供した技術で作られた艦艇である。
実際の戦闘力はこの世界の同種の艦艇をはるかに上回る。
これらにより、台湾は中華民国海軍を押さえ込み。
フィリピンはベトナム沖からインドネシアの入り口、オーストラリア方面を押さえ込み。
タイはベトナムからカンボジア、インド洋に抜ける回路を確保する。
当然、フランス・オランダ・イギリスも動き出す。
この地域に植民地を持つ各国は、陸に、海に、空に繰り出してくる。
出来ればヒノモトが出てくるまでに、現地の各国軍を殲滅しようと。
しかし、アジア各国の軍勢は日本とヒノモトによって強化されている。
攻め込むならともかく、防衛だけなら同等以上の敵と互角以上に渡り合える。
空では各国が配備する1式戦闘機隼が列強国軍の戦闘機と戦っていく。
そこには複葉機の早期警戒管制機が後ろに控え、列強空軍の動向を把握していく。
これによりヒノモト周辺国の空軍は優勢を確保しながら戦っていける。
加えて、ヒノモトから供給された対空ミサイルがあった。
これは日本の歩兵用携帯対空ミサイルを改造したものだ。
胴体を100センチ延長して燃料を増加、射程を延長してある。
これにより最大15キロの飛距離を獲得している。
これを各国の隼戦闘機は2発携帯し、空を飛んでいる。
これを使う事で、列強の戦闘機は次々に撃墜されていく。
海においても同じだ。
植民地に駐留する列強海軍は、次々に対艦ミサイルをたたき込まれていった。
レーダーで発見されたが最後、決して逃げる事は出来ない。
これまたヒノモトから供給され、遠慮無く使うように言われている。
海の中も同じだ。
日本の様々な機器を積み込まれた呂号潜水艦。
1000トン程度の小型のこの潜水艦は、中身をほとんど日本のものに置き換えられていた。
エンジンも電池も日本製。
探知機も日本製。
魚雷も日本製。
その他あらゆるものが日本製。
形も、いわゆる涙滴型。
この世界の潜水艦では当たり前にある艦載砲も撤去している。
おかげで性能はこの世界の潜水艦を凌駕する。
放つ音は小さく、この世界の探知機で検出するのは不可能。
海に潜れる時間は長く、戦闘においてはほぼ浮上する必要がない。
攻撃は射程の長い誘導魚雷。
潜れる深さこそ、この世界の標準である70~80メートルほど。
だが、この深さを保って進むことが出来る。
敵はこの海の中に潜む敵に一方的に攻撃されて撃沈されていく。
陸戦においてもいわずもがな。
この地域に配備されてる戦車や野砲では、97式中戦車を撃破出来ない。
それどころか、一方的に撃破される。
細い場所や地盤がゆるいところは、95式検車が進む。
これの搭載する20ミリ機関砲は、戦車以外の車両なら簡単に撃破できる。
歩兵も戦闘力が基本的に違う。
野外でも長期間滞在できる兵士達は、熱帯の密林の中で植民地の軍隊を撃破し続ける。
東南アジア各国の軍隊は、国境と海路の確保に尽力する。
その外に出ようとしない。
しかし、そうする事でヒノモト軍の進撃を円滑なものとする。
おかげでヒノモト軍は消耗することなく進撃。
ベトナムに上陸して戦闘を開始。
フランス領インドシナ軍を撃破。
ベトナム・ラオス・カンボジアといった国や地域を開放していく。
これらの地域にいる独立を求める勢力と接触。
彼らに武器を渡して地域の安定を頼むこととなる。
これを見越してというわけでもないが、事前に独立運動勢力には統治方法などを教えてある。
いずれ独立した時のため。
そこまでいかなくても自治を行えるようにと。
それが役に立った。
とはいえ、これらの地域を押さえ込むのに、ヒノモトの軍勢や人材だけでは足りない。
これらについては、タイに任せる事にしていく。
これも事前の取り決めの一つだ。
そしてヒノモト軍はフィリピン軍とともにマレーシア・インドネシアへと向かっていく。
島が並ぶこの地域の海路を確保するために。
ここから列強勢力が消えれば、東南アジア方面への海上輸送が不可能になる。
このためにヒノモト軍とフィリピン軍が各島に上陸。
現地の独立運動勢力と合流して統治を委ねていく。
もちろん、敵軍を撃破しながら。
兵器の性能差があるので難しい事ではなかった。
損害も少しは出たが、それは軽微なもの。
全軍の動きに支障が出る事は無い。
それでも死傷者が出るのはつらい事。
昨日までいた戦友の姿がない事に、多くの者は空虚感をおぼえてしまう。
だが、感傷に浸るのは戦後にすればいいと自分に言い聞かせ。
まだ終わってない戦いへと向かう。
そんな危害もあってか。
1942年が終わろうという頃にはインドネシアも平定。
ビルマ・バングラデシュに到達し、援蒋ルートを大きく遮断する事となる。
残すはインド北部。
そして内陸アジアからのルート。
まだ長い道のりが残ってるが、あと少しでもある。
これが終われば、中華民国を囲む包囲網が完成する。




