表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/43

31 ◆ 第一幕:感情のぶつかり合い ―― 夜の庭園にて

王都の外れ、月の照らす静かな庭園。

岬は剣の型を繰り返していた。無心になることで、不安や恐れを打ち払おうとしていた。


そこへ、レオンと遊天が、別々に現れる。

三人が揃った時、空気が張り詰めた。


◇ 遊天 → 岬へ

「……なにやってんだよ。こんな夜中に、剣なんて振って」

「自分で立ちたいの。……もう、誰かの影に隠れてるだけの自分じゃいたくない」

「でもよ、それで傷ついたら意味ねぇだろ。俺がいるのに、なんで全部一人で背負おうとすんだよ」

「……兄さんこそ、全部抱え込もうとするじゃない!」

遊天は言葉に詰まり、視線を逸らす。

「……違う。俺は、お前に笑っててほしいだけだ」

岬は小さく息をのんだ。その瞬間、レオンが静かに口を開く。


◇ レオン → 遊天へ

「――君も、私と同じだな」

「は?」

「君も岬を“守りたい”という顔で、彼女を縛ろうとしている。彼女の中に芽生えた強さを、無意識に否定してる」

「っ……それを否定だなんて言うのかよ」

「ならば問おう。もし、岬がこの先、王族や敵と刃を交えると言ったら……君はそれを、止めずに見届けられるのか?」

沈黙。

遊天は拳を握る。レオンの言葉は、痛いほど真だった。


◇ 岬 → 二人へ

「ねえ、二人とも……もうやめてよ」

岬は静かに言葉を続ける。

「私ね、最初はただ、父を探すだけの旅だった。でも今は……この国の未来を知ってしまった。私が選ばなきゃいけない道が、あるのも分かってる。だから……歩かせて。私自身の意思で」


レオンと遊天は、視線を合わせた。

そして――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ