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30 ◆ 遊天の奮闘 〜兄として、過去を越える者として〜

レオンと岬の距離が近づくにつれ、遊天の胸に疼くものがあった。

それは、失った時間への悔しさと、自分の無力さだった。


(守るって、なんなんだよ……)


兄として、剣士として、どれだけ岬の隣にいようと、あの夜の毒のように、突如訪れる不幸には無力だ。

だが、彼は立ち止まらない。


ラヴィーナの動きに最初に気づいたのも、遊天だった。

彼女が接触した密偵、動かした毒使いの影。すべてを追い、裏で潰して回る日々。


「なにしてんの、俺……ストーカーみたいだな……」


そう自嘲しつつも、彼の手は止まらない。

夜陰の中、密偵の一人を壁に叩きつける。


「二度と、あの子に近づくな」


――彼女が泣く前に。レオンが間に合わないときに。

誰も気づかなくても、自分が見ている。守っている。


それが、「兄」という存在ができる、唯一の誇りだった。



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