公子……死す?
公子さんは今日も公子さん
「ねぇ!ブロックしただろ!」
「……」
「ねぇってば!おーい」
「……」
「ちゅ~しちゃうぞ~?」
「授業に行け!行かないなら帰れ!」
「やっと反応した!モンスタやろ」
「やだよ、面倒くさい。あれすると眠くなんだよ……」
「ねていいよ、優しく起こしてあげる」
「やかましい!散れ!」
ふゆきのやつめ、舐め腐りおって……。
まったく……変なのに懐かれてしまった……。何がそんなに嬉しいのやら……。
もう、昼前だぞ……そこのボッチスペースはお前の様な陽キャのいていい場所じゃない!
勉やピッピが座れんだろが!
「公子さんて何歳なの?」
「張り倒すぞ、小僧」
「ウェルカム!」
本当に面倒い、どうにかならんもんかね?
「あ~、ふゆきく~ん……ここにいたんだね~、教室行かないの~」
「こんちゃ」
「も~、冷たいな~」
トコトコ歩いて行くな!あざと過ぎるわ!えっと……書きボクロ……黒子?
しつこいふゆきが完全塩対応じゃ、ねぇか!
「ふゆきくんが教室にいないと、先生、さみしいな~」
おいおい、黒子……高校生に胸をみせるけるな……って、Dか?Fか?でけえなおい!私の奈良盆地にも少しよこせ!栄養をよこせ!
「あ、俺、教室行きます……じゃ」
「そう?いってらっしゃい」
「いってらっしゃい」
おい、どうしたふゆき、捨てられた子犬の様な顔でこちらをチラリと見て……。前に黒子と何かあったのか?まさか!教師と生徒のいけない禁断の恋!?
ジュルリ……。自分の恋には興味無いけども、人の恋路でなら、どんぶり飯いけまっせ!
「あ~あ、きみこちゃ~ん、ビールちょうだ~い……」
「はいよ。ってねえわ馬鹿。学校だ……」
はぁ~、ここ学校だ。巣穴じゃないんだ……。
「あはは~、やっぱ、そうよね~私、見る目だけはあるんだ~」
「はぁ……。で、何が欲しいの?」
「特に何も、強いて言えば~、彼ぴっぴが欲しい~」
「帰れ!」
「あぁ~いいわぁ~その感じ、お母さんみたい!今度のみ行こ!」
「あ~、もう、わかったから。何も買わんなら戻って仕事しろ」
「は~い。あ、そうそう……昨日から気になってたんだけど、どうやって仲良くなったの?あの問題児のふゆきくんと?」
「問題児?どこが?ただの小生意気な子供じゃん」
まさきにくらべたら、まだ高校に来てるだけましだ。
「あの子ね昔、ネグレクト……児童虐待されてたらしくてね……女性恐怖症なの」
「ふ~ん」
ネグレクトね……今も昔も、何処もかしこも変わらんな。てか、コイツそれ知っててあれしてたのか?最低だな。
「学校に来ないし、サボってばっかり。だから、何できみこちゃんとは仲良しなんだろうな~。と思って」
「さぁ?」
おい、ジロジロ見るな……昨日風呂はいらんかったのがバレる……。あ、そう言えば、美容院と床屋の違いがわかったんだった。
風呂入らんでも髪がベトベトてらてらせんのだ!
「まぁ、きみこちゃん、可愛らしいから、それかな?」
「張り倒すぞ?」
「いやぁ~ん、怖い!」
はい、ビンタ確定!ついでに無双転生でも喰らわせたろかい!貴様には地獄すら生温いわ!
「あ、チャイムだ!じゃ!今度ちゃんと飲み行こうね!」
「はいはい……」
ん?トコトコあざと走りで何処行くんだ?職員室はそっちじゃないぞ?
「都合良く、使われちゃいました~!てへぺろ!」
いやいや、カメラ目線でお目々ピースじゃねぇし、そこ何もねぇし……怖ぇよ!しかもスキップって、何かうまいし。出来ねぇんだよなスキップ……。
まぁ、いい、仕事仕事!昼休憩だ!
はいはい、コイツはこれで、コイツはこれな、お、コイツは今日はこれか……。大体思考が読めて来たぞ……。
「え……なんで……これを……?」
「ち、ちがう……?」
フッフッフ……コイツは、財布から、硬化を120円出していた……と言うことはだ。買う物はもう……真実は決まっている……。
そして犯人は昨日。コロッケパンを買った。なので、値段が同じ120円であるコロッケパンを今日も選択する……と、なるのだ。なぜなら、値段も真実も決まっているのだから!そう!真実はいつもひとつ!
「あ、いえ、クリームパンを……あ!でも、それでいいです、好きなんで……」
「あ、そう?じゃ、120円……」
まぁ、こういうこともある。失敗しても立て直しが、一番大事なのだ。
「どれにしようかな……」
「こ、これ、オススメです」
こういう、客は適当に買わせてささっと流すに限る。
「え~、何か違うけど~まぁ、いいか」
「ありがとうございました~」
お前の気分などしらん!さっさと散れ!
おし、粗方片づいたな!今日のうまい棒は28本……お布施が減った。が、まぁ、いいだろう。
ピヨと勉はと……よしよし……。憩いの里におるな……。しかし、勉はパンを買ったが、ピヨは何も買わなかったな……。
お、こっち見て、ほやっとしやがって……可愛いじゃないか……ほら、お菓子だよ~おいでおいで~。
「君は、ご飯はどうしてるんだい?」
何か……お姉ちゃんってより……喋り方がベルばらみたいだな、気分は宝塚歌劇団か?
「あ……、ぼ、僕の家……お父さんしかいなくて……あのなので高校に来るだけで……」
「もういい。大丈夫だ。少年よ……何も案ずる事はない……この、キミンティウスが、君にこれをあげようではないか……」
「キミン?てうす?あ、ありがとうございます……いいんですか?あの、僕……本当にお金が……」
「いいんだ、気にしたら負けだ……少年よ大志を抱け」
世界観がわからんなってきた……。アンパンと牛乳とうまい棒を袋に詰めて撫で撫でしてやった。そしたら……まぁ、嬉しそうにしてからに!お家に持って帰ろうかしら?
「あ、お菓子、あっちのこにもわけてあげてね」
勉は今日もこんすばか……。時々、口元を抑えてニヤけるのがまぁまぁ、可愛いじゃないか……思春期だねぇ。私ならぶっは!だわ。ぶっは!
「あ、はい!ありがとうございます」
「うむ」
お、いいね、二人でお菓子を食べ始めた。何か、檻の中の住人から飼育委員にクラスアップしたみたいだな。お、ちゃんと礼をするのは良いことだぞ勉!
「公子さん、俺には?」
「……無い、お菓子はいい子の為にあるのだ」
「はぁ?俺いいこだし、いいや、少し貰ってこよう!ね~俺も混ぜて~」
「こ、こら!」
お前の様な陽キャは爆弾なんだから!そこに近づいたら、二人が爆死しちゃ……う……だろ?
あれ?なんか、良い感じだぞ?
あ、モンスタ始めやがった……。
すげぇな!モンスタ……。あれって基本一人でガチャ引いてキャラ集めて、タマゲタマンシール見たいにコレクションして、レアなモンスターを自慢して、マウンティングするゲームじゃないのか?御一人様用ゲームじゃないのか?マッチングはおまけで……。
「アイツら学校でゲームしやがって!許されんな!注意せねば!」
「ちょっと!」
おい!筋肉ダルマ!行くな!うわ!コイツなんでシャツが湿ってんだよ!気持ち悪い……。そんなことより、せっかくどうぶつの森に仲間が寄り添って遊んでるのだ!邪魔するんじゃない!どうぶつの森にリアルを持ち込むな!筋肉ダルマ!
「ど、どうしましたか?さくらさん……いえ……きみこさん……」
「その、ああいう輪って大事だと思うんです……」
どんな輪っかだよ?と自分でも思うけど、ボッチの集いは大事なんだ。1人違うけど。
「ああいう輪?」
「こ、子供達が……仲良く出来る場所と言いますか……遊ぶ場所と言いますか……」
フフン……こんな感じだろう?こびこびこびりつき黒子の真似をすれば、良いんだろ?
「好きです……」
「ぎゃ!……うぉら!」
危な!コイツ!いきなり抱きついてきやがった!ってか……やば……カウンターがもろにアゴに入ったわ……。
「公子さん大丈夫!?」
「ふ、ふゆき!こ、これ……どうしよ……」
「いや……すげぇ、初めて見たけど。殴られて、くらんくらん。しながら、気絶した人。これ……死ぬ?」
「いや、2,30分で起きると思うけど……」
「じゃ、俺らで保健室に運んどこうか?この人の自業自得だし……。許さないんだったら、理事長とかに言えばクビに出来るんじゃね?」
「ぼ、僕、証人になります」
「俺も……なってもいい……」
「ピヨ……勉……あんたら……。あ!連れてく前にちょっとまって」
良い子達だねぇ!私がアンタらの聖域を守ってやろうかいね!
『警告:次抱きつこうとしたら、社会からの排除を行います。そして、私の領域で勝手する事も、子供達の居場所を奪うことも許しません。その時も排除します:きみこ』
……おし、これでいいな。
「やば、何、これおもろ」
「あの……凄かったですきみこさん!」
「じゃ、悪いけどそれ、よろしく」
勉は驚き過ぎて無言だな、お口がぽっかりあくとはそんな感じなのか、鯉みたいだな、勉には刺激が強かったか……。
しかし重そうだな。すまんお前ら……恨むならジョーを恨んでくれ……あれさえ読まなければ、パンチの練習なんて……23年間もしなかったんだ。
因みに今もやってるぞ!パチンコに行く朝に……打つべし!打つべし!打つべし!
その後は、筋肉ダルマが謝りに来た以外は何もなかった……いや、あった……。筋肉ダルマに謝罪と同時に告白されたわ……断ったけど。
どうでも良すぎて忘れてたわ……。
さてさて……我が露死南無天号でさっさと帰宅しよう……2~3時間ほど、打って帰ろうかな?まだ、4時過ぎだし。
ほんで、勝利して、明日はあの3人に今日の手間賃でジュースでも奢ってやろう……。ん?あれは、勉か……。校舎裏に連れて行かれて……嫌なもん見たな……。
まぁ、勉の問題だ……私には関係ない。関係ない。早く、パチ屋へGOだ!
「おい谷川、金……持ってきたか?」
「……無い……」
「はぁ?お前、購買でパン食ってたろ?」
「だから……無いんだ」
「飛んでみろ」
「嫌だ……」
「へぇ~今日は何か元気じゃねぇの?なぁ、ゆたか」
「もういいんじゃね?つるさき、こいつボコそうぜ?」
はぁ……。私の意志はつくづくこんにゃくだな……。そして、私が来ても仕方ないだろうに……。二人相手だし死にゃせんだろ……。
しかし、まだあるんだこういうの……いたそ~、勉よ、はよう逃げろ!
「ったく、なんだコイツ……今日は面倒くせぇ!」
「さっさと金出せや!いった!コイツ!噛みやがった!」
「がぁぁぁ!」
「がぁ~じゃ、ねぇんだよクソが!」
おいおい!馬顔!顔面蹴りは駄目だろ!勉もさっさと金を置いてけ!明日やるから、今日パチンコでかったら金やるから!
「き、公子さんだって、筋美を倒せるんだ!俺だって!」
「公子って誰だよ、気持ち悪い。雑魚はどんなに頑張っても雑魚なの!はよ金だせやボケ!」
「ガハッ」
「おい、ゆたか、腹とか尻とかにしとけって、パパママ~にバレちゃうかもでちゅ~」
嫌なヤツのテンプレだな……コイツら……てか勉も馬鹿だな~、私が筋肉ダルマを倒したのなんて、たまたまに決まってんだろ?本当に馬鹿だな……。本当に私は馬鹿だ……。
「おい!おまえ達!辞めなさい!」
ごくせいってこんな感じだっけ?とりあえず、準備はしたけどガキ相手でも怖ぇよ~!
「あ?何で小学生がいんの?」
「あ、コイツ新しい購買のヤツだぜ?」
「き、公子さん!」
「あぁ、公子ってこの小学生か……で?何か用なの公子ちゃ~ん?」
私は、お話し合いをするつもりでした……。私は普通の女の子なのですから、お話し合いをするつもりでした……。
「舐めるなよ。クソガキ……」
そんなことを言って。
たまたまに正拳突きを喰らわせようなどとは、考えてはいなかったのです……が流石に舐めすぎだわ!誰が小学生か!バッキバキのアラサーだわ!次はロン毛の……!!!!!
「ガキが!舐めんな!」
「き、公子さん!この野郎!!!」
「あぁ~うぜぇ!おら!そこで寝てろ雑魚!ゆたか!さっさと起きろ馬鹿」
「む、無理……」
「たく……子供にやられんなよだせぇ……」
まったく、最近のガキ共の教育はどうなってんだ?女の顔を蹴り飛ばすなんて、校舎の壁で頭打ったじゃねぇか……。
あぁ~、能が震える~。勉は……おい、もう立たなくて良いから、ふらふらじゃねぇか……。
「おら!さっきの威勢どうした?」
「……!!!」
おい!ゲンコツは辞めろ!こぶが出来るじゃないか!寝るときに痛いんだぞ!痛い!痛い!痛い!おい!いい加減しろよ!これ以上頭が悪くなったらどうしてくれる!
「おい、つるさき、変われ……コイツまじで許さん」
「ハハ、ダッサ……マジギレしてや……ぎゃ!!!」
「な、なんだてめぇ!うぎゃぁ!」
「ねぇちゃん!大丈夫か!?」
「まさき……おせぇわ……」
やっと来たか、馬鹿弟め。まぁ、ワンコールで電話にちゃんと出るのは偉いぞ。
「ご、ごめんて……」
「そこのロン毛と馬顔のヤツ……頼んで良い?」
グフフフ……。その為に校舎のカゲで電話しといたんだからな。来たら働け。
「良いけど、どうすれば良い?」
「心……折っちゃって、二度と悪いこと出来ないように。そっちの、その子は良いから」
「わかった……叩き折っとく、姉ちゃん本当に大丈夫か?鼻血もすげぇぞ?」
「あぁ、大丈夫だよ……私がお前に嘘ついた事あるか?」
「無いけど……」
「はよいけって、見つかったらダルいから、お前一応プロのボクサーだろ?」
「そうだけど……」
「良いからいけ、助かった。ありがとうな」
「いいよ、姉ちゃんの為なら何でもするよ」
「そうか……」
はぁ……軽々と持ち上げちゃって、凄いね男の子は……。あぁ~ちょっとヤバいかな……。
お!勉、やるじゃ無いか……お姫様抱っことは憎いね~、おばさんがあと15歳若かったらときめいちゃってたね……。
「おい、勉……今日のことは内緒だぞ……まさきの事は特にだ……」
「べ、勉?はい……わかりました」
「ちょっと、おばさん……寝るから……保健室のベッドにおいとい……て……」
「き、公子さん!公子さん!」
泣くな勉……貧血で倒れるのはいつものことだ……しかし……良い声してんだよなぁ……コイツ……。
これから、子供にライトがじわじわと当たって行きます!
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