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かごの中の公子ちゃん

夏は~。ホラーの季節ですね!

「へぇ~みるくさん。姉ちゃんが好きなの?解ってんね~。応援しますよ!」


「あら、妹さんとは違って。まさきくん!良い子ね!……これ少ないけど……」


「え!いいんすか!ありがとうございます」


「いいの。公子ちゃんの弟だもの……。私の弟も同然よ。困ったらいつでも言って頂戴ね……フフフ」


「え?そうっすか?じゃ、俺も色々協力するんで……。何かあったら。声かけて下さい……ぐひひ……」


「あ……そうだわ……。まさきくんって彼女いるの?」


「え?いませんけど……」


「そう……じゃ。おばさんと一発やらない?公子ちゃんとの子供が欲しいんだけど……。弟さんならDNAもほぼ一緒でしょう?だから子種を……きゃっ!……へへへ」


「気持ち悪いわ!馬鹿者共!」

 異常が過ぎる!


 この2人は会わせてはいけない。私の本能がそう言っている……。なぜこんな事になっているかと言うとーー


「いいじゃん!一緒に行こうよ!ね!お姉ちゃん!仲直りしたでしょ!ね!私の成長した姿見たく無いの!ねぇ!見たいでしょ!ね!見てよ!ね!お姉ちゃん!お姉ちゃんが行かないなら、仕事行かないから!」


 ーーどうしても来て欲しい。と言うまさよのお願いで、まさよの事務所の撮影スタジオに来ているのだが……。


「あれ?姉ちゃん……どうしたの?俺?取材の為の撮影。ここ、まさよが紹介してくれたんだ~。撮影料は高いけど……」


 タイミング良く。まさきとブッキングし。そして、みるくと意気投合し。ドッキングの話しを始めたのだ。


「はい。じゃ、撮影は終わり。次はお姉さんだったわね……。どうぞ~」


「は?」

 何だそれ?このお洒落オカマは、何を言ってんだ?


 ……キャミに似てる……。後でちょっと話してみたいな……。


「お姉ちゃん!早く!ほら!」


「お、おい!ひっぱるな!どういう事だ!これ!……おい!みるく!まさき!ピンチだ!助けろ!」

 痛い痛い!振り切れん!


「き、公子ちゃん!ちょっと!アナタ!無理矢理なんて駄目よ!無理矢理なんて……駄目……駄目……そう……駄目よ……多分……。駄目よね?公子ちゃん?」


「おい!変態め!思考がおかしいだろ!」

 駄目に決まってんだろ!何モジモジしてるんだ!コイツは!


「何か、大丈夫そうだし、俺。帰るね~。何か起きたら。電話して~」


「あ!おい!まさき!ばかも~ん!」

 帰りやがった!


「みるくさん?いいの?見たく無いの?可愛くなったお姉ちゃん……。見たく無いの?邪魔したらもう。二度と無理よ!絶対来ないわよ!いいの!?」


「くっ!この小娘……」


「あげるわ……。好きなの……。写真……」


「…………公子ちゃん。仲直りの記念にいいんじゃ無いかしら?たまにはお化粧するのも楽しいわよ?フフフ……」


(絶対。よこしなさいよ小娘……)

(邪魔しないならね……)


「…………………………」

 駄目だ……。仲間がいない……。


「もういいかしら?メイクしたいんだけど?」


「いや……ーー」


「ーーお願いします。キャシーさん」


「ええ。可愛くお願いします!」


「……………………」

 帰ったら、引き籠もってやる。


「じゃ、アナタ……公子さん?私はキャシー。よろしく……。ついて来なさい……」


「はい……」

 キャミとキャシ。一文字違いかよ。


「アナタ……。素材は良いのに勿体無い……。唇とかカッサカサじゃない……まったく……」


「すいません……」

 言う事も一緒かよ。良く怒られたな。


「眉毛くらい整えなさいよ……もう!」


「うん……」

 そう言いながら、整えてくれるんだ……。


「ほら!ちゃんと!目を閉じて!きょろきょろしないの!」


「うん……」

 気になるじゃんか……。


 香水も……。何だっけ、ガリガリ?ブリガリ?ヨーグルトの名前っぽいヤツ……。最初は臭かったけど……。今は好き……。


「ねぇ。キャミ……。私ね……。無理だった」


「キャミって誰よ?」


「あ……。何でも無い……です……」

 いかん!眠気で意識が朦朧としてた!


「……。話しなさいよ……。キャミじゃ無いけど聞いてあげるわ……」


「いや……。大丈ーー」


「ーーキャミって……。自殺した人でしょ」


「な!何で!?ぎゃ!」

 いった!クシが刺さった!


「動くな馬鹿者……。私の……姉さんよ……。戸籍上は兄さんだけどね……」


「どうりで……。似すぎ……」

 本当に……。兄弟……居たんだな。家の事全然話さなかったし……。


「あんまり、嬉しく無いわね……。姉さんどうだったの?その……自殺するまで……」


「……。優しかったよ……。カッコ良かった。……綺麗だった……。ぎゅっ!」

 ……。初対面だぞ……抱きつくなよ……。


「そう……。ありがとう……。ありがとう……。ありがとう……」


「こちらこそ……」

 ありがとう……。


「はぁ~。ごめんね……。もう。大丈夫よ。姉さん……家出てから、連絡一切して来なかったのよ!酷いでしょ?まったく……」


「キャミは優しいんだ」


「知ってるわよ。そんなの……。でも……。私もこうなっちゃったからね……。世間体とか……気にしなくて良かったのに……」


「だっは!1番気にし無さそうなのにな!」

 自由だった……。最後まで……。自由であろうとしたんだ。キャミは。


「ぐっは!そうね……。で。さっき何を言おうとしたの?姉さんじゃ、無いけど……。聞くわよ?」


「……。普通に幸せになってって最後……。言われたんだ。だけど……。駄目な大人に……普通じゃ無い大人になっちゃった……」

 最後のメッセージ……。無理だった。


「ぐっは!なに言ってんの?姉さんならね。こう言うわよ……普通なんてくそ食らえってね……」


「だっは……。そうか……。そうかもな……」

 言いそうだ……。てか。その笑い方よ。似すぎだわ。


「おっし!出来た!うん。予想通り。アナタ……。モデルすれば良いのに、子供向けのファッションとかマニア受け……いった!アンタちょっと~、痛いじゃない……グフフ……」


「子供扱いするな。馬鹿者……。私はひっそり生きたいのだ。大体。私何かが、綺麗な訳ないだろ……」

 ガリガリのエイリアンだぞ?まぁ、最近は少しふっくらして来たが。


「はぁ……。アンタこじらせちゃってんのね?まぁ良いけど……。ほら。鏡を見なさい……。自分を卑下するのは良いけど、し過ぎると嫌味よ。自覚が無くてもね……」


 ……………………驚いた。女は化粧で化ける!って言うけど……こんなに!?


 わ、私!パリピじゃないか!グフフ!スタバに行っても、焼かれないんじゃないか!これは!まぁ……行かんけど。


「へぇ~。私もやるもんだね~」

 うわ。何かベタベタする……。


「ちょっと!そんなに顔!触らないの!もう!ほら。洋服はそれ着て。子供用だけど、映えるわ」


「映える!私が!ブンブン映えるのか!?」

 パリピ達の様に!


「ブンブン?アンタ面白い事言うのね。グハハ……。ちょっと!何でそこで着替えるのよ!更衣室があるでしょ!?」


「え?だって、キャシ。女じゃん?」

 2人しかいないし。いいじゃん?


「…………。まったく……。アンタ、どんだけよ……。いい?マナーよ。マナー。男でも女でも、お着替えは更衣室でするの……解った?」


「解ったよ……。ったく……。キャミと本当に兄弟だな……。口うるさい所がそっくりだ……」

 グフフ……。懐かしいな……。この感じ……。


「グフフ……。姉さんがアンタを気に入るのも解るわ……。着替え終わったらスタジオに来てね。準備しとくから!」


「了解~」

 ……。これ……どうやって着るんだ?


 ふわふわしたピンクのワンピースドレス……上から着れば良いのか?リボンは……。頭だろ?……解らん……。とりあえず巻いとくか……。これは!知ってるぞ!頭に乗せるヤツだ!メイドの豪華なヤツ!長い白い靴下にピンクの靴。それに長い手袋!


 ……。何か挟む黒いゴムが2個余ったな……。あぁ……。ハチマキがズレて……。。……おや?


 解った!


 これは海賊の姫様の衣装か!なるほどな!さすがセンスあるなキャシ!って事は!このリボンで片目を隠して!おぉ……ぽいな。このゴムは王冠ぽいのにぶら下げて……おぉ!ジャックみたいだ!でも足りんな……。


 外に無いかな?……あった!


 いっぱいあるじゃん!これをいっぱいつけて……。お!いいね!ちょっと重いけど……ワイルドになった!でも……。海賊だろ?白の手袋だけじゃちょっとな……。片方黒の……お!これ良いじゃんグフフ……。なんか!魔女っぽいの!靴は……。あ!いいねこの冒険用のブーツみたいなの!このアンバランスな感じがいいんだ!おし!完璧!


「……………………。ねぇ?アンタ何してるの?お姫様の衣装が、何でそんな山賊見たいになってんのよ?」


「い、いや……。海賊……」

 あれ?お姫様?


「き、公子ちゃん!可愛いわ!凄い!センスいいわ!」


「お姉ちゃん!こっち!こっち向いて!こっち!ほら!早く!ほら!」


「ちょっと!アンタたち……。まったく……。もういいわ……。来なさい……。着せてあげるから……」


「う、うん……」

 あれ?海賊じゃ無かったんだな……。先に言えよキャシ!


 ……………………。なるほどな!リボンは腰用のだったか!こりゃ一本取られた!


「はぁ……。メインよりも時間かかったわ……。じゃ、撮るわよ~」


 ……………………。はぁ~。色んなポーズするんだな~。ほれ!コマネチ!アイーン!グハハ!面白いなこれ!グリコ~!


「…………はい。終わり……。アンタ……面白いわね……本当にモデルしてみたら?」


「無理無理……。モデルとか無理」

 人前でとか……。燃えて死ぬ……。


「まぁ、いいわ。後で連絡先。教えて。今度飲みニケーション。しましょ」


「飲みにケション?うん。行こう」

 キャシと飲みならいいな!


「ちょっと。アナタ!公子ちゃんは、私のお友達!なのよ!誰に断ってナンパしてるの?

 事務所ごと潰す……きゃっ」


「キャシはキャミの妹なんだ……。私の……恩人の妹なんだから、何かしたら燃やすからな!」

 絶対に許さん!


「……………………。そう。でも!公子ちゃんは私の何だから!手は出さない……きゃっ……へへへ」


「ちょっと、静かにしてろ……」

 コイツは、脳内がお花畑過ぎる。


「出さないわよ……。まったく」


「モデルとかも駄目よキャシー!お姉ちゃんは、一生私が撮るんだから!解った?」


「はいはい……。アンタ達……目が怖いわよ……」


「もう、良いから離れろお前ら……。暑苦しい……。もう!」

 何でずっと、抱きついてんだ。


「はぁ、まぁ。普通じゃ無いけど、お姉ちゃんも安心するんじゃ無い?楽しそうで……。アタシは嫌だけど……」


「……そうかな?……そうだと良いな……」

 まぁ、騒がしいだけだけど……。


 ……………………。はぁ……。疲れた。もう、夕方じゃないか……。パチンコ行けなかったな……。


「うわ!公子さん?それ……どうしたの!?なんか、フランス人形見たいになってる……」


「わぁ!凄い可愛い!」


「き、綺麗です公子さん……」


「……。馬子にも衣装だね……いった!」


「フランス人形は許すが、馬子にも衣装は悪口だろ?知ってるぞ」

 ったく……。みるくのヤツ。服ごと買い取りやがって。


「あ、あなた達!ちょっと。お外に遊びに行って来なさい……。公子ちゃんと大事なお話があるから!ほら。これ!お小遣い!」


「え?でも、これかーー」


「ーー悠人……。いいの?いいの?いいの?お母さん無理よ……。いいのね?」


「…………。カラオケ行こう……みんな……」


「良いけど……。何で?部屋に居ればいいじゃん?なぁ勇気?」


「え?うん……」


「……。その……。良いじゃない……。行こ。カラオケ……ね。ふゆきくん……勇気くん」


「まぁ良いけど……」


「……?うん」


「なおちゃん……。さすが女の子ね……。じゃ、いってらっしゃい……」


「あ、私もーー」


「ーー公子ちゃん……。その格好じゃ……ね……。恥ずかしいわよ……。皆にジロジロ見られるわ……」


「あ、そうか……。じゃ、後で私も行こうかな?」

 この前行けなかったからな!


「お!本当?じゃ、着替えるの待っとこうか?」


「ふ、ふゆきくん!先に行ってお部屋とかとっとこ!ね!」


「そ、そうだね。早く行こう!ほら。勇気も!」


「……?うん。じゃ、お邪魔しました~」


「やっと行ったわね。小娘もまだ仕事……」


「おっし!早く着替えて私達も行こうぜ!みるく!グフフ……!私の美声をたんと聞かせてやるぜ!」

 今日は、みゆきちゃんメドレーだな!


「……。公子ちゃん……。手伝ってあげる……。1人じゃ大変でしょう?お化粧とかも落とさないといけないし……」


「え?そのままで、いいんじゃないのか?」

 それか、石鹸……。


「だ、駄目よ……。ちゃんとしないと……。この前見たいに、かゆくなっちゃうわ!……そうね!かゆくなっちゃうのよ?ヒリヒリもするかも!」


「え?そうなのか……。それは、やだな……。じゃ。化粧落とす手伝い……お願いしようかな?」

 かゆいのも、ヒリヒリも嫌だ。


「うん!もちろんよ!ささ!早くお部屋に行きましょ!さ!」


「おいおい。抱えなくて良いって……」

 洗面所は下の階なんだけど……。あぁ。化粧落とすシートか。


「いいの。いいの。急がなきゃ……」


「そうだな。皆が待ってるからな!まさよももう少ししたら帰って来るし……一緒に行けばいいな」

 楽しみだな~。


「そ、そうね!だから……早く……」


(早くしないと……。今帰って来たら私……あの子を……どうにかしちゃうわ……。)


えっとwなんか書いてたら、キャラが勝手に動き出して……違う方向に行っちゃいましたw


まぁ、毒はあんまり吐きませんでしたがこれはこれで、嫌いじゃない話しになったと思いますw


ブクマ:評価:コメント等等よろしくお願いします!

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