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17/20

公子ちゃんは楽しみたい

朝チュンは逃げですが……。R15なのでご勘弁を……。

 

 事の始まりは。いつものお店に、開店と同時に駆け込み。モンキターンに座った時から始まった。


「うはぁ!これ!ケロケロ柄のって、設定良いのじゃないっけ?だっは!……」

 今日はイケる!イケるぞ!


 グフフ……。このままアピールして~ちょっと煙草。そしてオションコだ。今日は朝から、缶コーヒー飲んじゃお~!


 ……………………。何だ?帽子にマスクにサングラス……。髪長いし……女か?こんな暑いひに……。まさか!芸能人か!?


 いや。いかん……。芸能人でも、パチスロを楽しみたい時だって、きっとあるのだ。そっとしておこう……。でも、何でこんなショボい店来てんだろ?人が居ないのが良いのかな?まぁ、金持ちの思考はわからん……。休憩所なんだから、煙草吸えば良いのに……。あ、私がいるからか……。こりゃ。失敬!公子!戻りま~す……。


 あれ?アンタもモンキかい?ん?キョロキョロしちゃって、初心者かい?グフフ……。仕方ないなぁ……。お姉さんが教えてあげよう。


 …………指差しで……。初対面の人とは話せんからな!


 ……………………。おいおい。コイツ今日はどうした!いつもは、転覆したまま。Vモンキーしやがらねぇのに。今日は、V所か/じゃねえか!龍の如く、うなぎ登り!


 てか……。もうその台やめなよ。マスクマン……。天井3回目って……。可哀想すぎるよ……。いや、いや!いかん……。人生。甘くは無いのだ!


 ……………………。え?トイレも一緒に来るの?


 ……………………。え?煙草も一緒に来るの?


 もしかして、知り合い?……女の知り合い?居ない……。ってか。マジで怖い……。借金取り…………って訳でも無さそうだし……。


 まぁ、いいか……。その内帰るだろ。


 …………。やっと、帰ったか。6万入れてたな……可哀想に……。もう、こんなお店来たら駄目だよ?本当に、出ないんだから……。


 しかし、グフフ……。たまには出るんだ。


 ……………………。何で戻って来た?その台もう、投資地獄だって……。フリーズでも狙ってんの?……。金持ちの思考はわからん……。


 おっし!6800枚!上出来だ!プリン買って帰ろ~!お、アンタもやっと帰るのか……。お疲れ様……。使った10万はその内返って来るさ……。じゃあな。戦友……。


 グフフ……。いっぱい勝って、心配だったけど。今回は何もおきんかった!


 ……………………。な、何で……。マスクマンが家の前にいるの……?


 何が起きる?こ、殺されるのか?私……。その大きいバッグに入れるのか?殺した私を?


 おいおい……。マジで。一体コイツは誰なんだ……。誰かに恨みなんて、買った覚えは無いと……思うぞ?クソ怖え~!?


 ハッ!Hな事を始めて。ついに私にも女の色気が……。。……違うか。あいつ女っぽいし……。……みるくも女だ!!!


 と、とりあえず。最終手段だ。話しかけてみよう……。


「あ、あの……。何か……ご用でしょうか?」

 このままじゃ、家に入れん。


「…………………………」


 おい!何か喋れよ!怖えよ!そして、そこをどけ!家に入れん!警察よ……ぶっひゃ!?な、何だよ。電話かよ!


 おぉぉ!でかしたぞ!まさき!よく出来た弟だ!


『ま、まさき!大変だ!今すぐーー』


『ーーあ、姉ちゃん、もう。まさよ来た?』


『え?……まさよ?何で?』


『え?そっち行くって、連絡があって……。おい!りゅうき、違うって!それは、捨てたんじゃ無い!ポンだポン!……。。……俺の家。男ばっかりだからさ!じゃ、よろしく!』


『お、おい!まさき!……おい!』

 麻雀よりも、話しをちゃんと……。


「お腹すいた……」


「え……。うん。そうだね……。おうち……入ろうか……」

 朝から、ずっと一緒にいたもんね。そりゃ。すくか……。


「うん……」


 そっか、まさよ。モデルしてんだった。顔隠さないといけないのか……。でも話しかければ……。まぁ、話しをしたくも無いか……妹に気付かない……私が全部。悪い……。


「お帰りなさい。公子ちゃん……。え?誰その子……。私の敵?」


「敵って何だよ……。その……。まさよ……。私の妹だ……」

 ごめん。他に紹介のしようが無いんだ。


「初めまして。佐倉雅代です」


「い、妹様!?は、初めまして!私。公子ちゃんのお友達!の、みるくです!よろしくお願いします!ささ。どうぞどうぞ……」


「みるくさん?こちこそ……。よろしくお願いします」


「ご飯は?食べた?公子ちゃんは、まだよね?フフフ……」


「うん。まさよのも、お願いしていいかな?」

 そんな。ジロジロ見てやるなよ。ひいちゃってんじゃん。


 まさよは普通の娘。なんだから……。


「そうなんだ……。結局……」


 結局……。ウチの両親は……。離婚したらしい……。一度仲直りはしたが、まぁ。そこは、人間。同じ事をくり返す生き物だ。


 まさよが成人するまでと……。表には出さなかったが、それぞれ。別の相手が居るらしい。それをまさよに……全部。聞かせ……お金だけ渡して。消えたらしい。


 お金を渡して消える。……変わらない……。あの両親も。私も変わらない……。消えた人間……。同族嫌悪だ。


「で。結局。あの家引き払って……一家離散。で。私は成人したから捨てられたの」


「なんて事なの……。わ、私が拾うわ!公子ちゃんと一緒に3人で暮らし……きゃ」


「興奮し過ぎ……。この後のあてはあるの?一時避難なら良いけど、ここは私のいえーー」


「ーー大丈夫よ!公子ちゃん!今さっき聞いたわ!公子ちゃんのご家族ならば、大歓迎!ご自由にどうぞ。だって!あ、因みに今、フランス旅行中だって……。ほら。写真も一緒に来たわよ……。フフフ……。良いわね~……旅行……」


「…………。そう……」

 行動早過ぎ……。うわ。何だよ。その美味そうな汁の肉は!


「へぇ~。優しい人と会えたんだね。お姉ちゃん。良かったね。みるくさんも優しいし……」


「そ、そうかしら?ねぇ。公子ちゃん良いじゃない。せっかく頼って来たんだから。力になってあげましょうよ?」


「いや。何で、私が断った風になってんの……。じいさん達が良いなら……私も全然良いよ……」

 何がいいんだろうね……。今更……。


「ありがとう。お姉ちゃん!ありがとう。みるくさん」


「フフフ……。全然。良いわよ。だってみらいの妹……きゃっ……フフフ」


「叩かれて喜ぶな。そして、みるく。まさよに何かしたら、耳をそぎ落とすからな……」

 特に、ああいう事は駄目だ。


「フフフ……何かってなあに?公子ちゃん?」


「そ、それは……」

 こ、コイツ……。後でひ~ひ~泣かす!


「アハハ~。仲が良いのね。二人とも。それじゃ……。今日からよろしくお願いします」


「はい!こちこそよろしくね」


「うん。よろしく」

 はぁ……。どうしてこうなった……。


 パチンコなんて、勝つもんじゃねぇな……。


「悠人君。ここどうするの~?」


「ここはね~。こうすればクリア出来るよ」


「や~ん。凄い!悠人君かしこ~い」


「ちょ、ちょっと……。抱きつか無いで!き、公子さん!助けて!」


「良かったじゃないか、悠人。美人さんに抱きつかれて」

 うん。うん。楽しそうだ。良かった。


「え~。ふゆき君イケメンなのに、女の子が怖いって、勿体な~い」


「あ、あの……。ちょっと……。ち、近いです……。き、公子さん。助けて……」


「グフフ……。近くにおれば、治るかもしれんぞ?」

 まさよで慣れれば、普通になれるかもしれんぞ?


「ゆうき君って小さくて可愛いね~おもちゃにしちゃいた~い……」


「あ、あの……。あ、ありがとうございます……」


 顔を真っ赤にしちゃって……。まぁ、まさよは、私とは違って可愛いものな……。


「え!なおちゃんって、男なの?え~!勿体無い!そんなに可愛いのに!」


「あ……ありがとうございます。あの……。まさよさんの出てる雑誌……。見てます……」


「本当に!ありがと~う!へぇ~。本当に凄いわね~。毛の処理とかどうしてるの?」


「えっと……。それは……」


 はぁ……。普通の女の子同士は、そんな会話するのか……。ってか、そうか。……普通は……毛が生えるんだな……。


「みるくさ~ん。お風呂一緒に入ろ~」


「え?えっと……。今日は……」


「良いじゃないか。お風呂くらい、一緒に入ってあげろよ」

 こっちをチラチラ見るな……。まったく。


「ありがとう。お姉ちゃん!」


「そ、そうね……。一緒に入りましょう」


 はぁ……。良かった。今日もまさよが笑顔で……。本当に良かった……。


 明日も、明後日も、明明後日も……。ずっと笑顔で……いてほしい……。


 まさよが来てから1週間……。まさよが毎日楽しそうで。本当に嬉しい……。姉として本当に……嬉しいと思う。また、一緒に暮らせて嬉しい……。


「ねぇ。公子ちゃん……。大丈夫?」


「え?……。何で?」

 どうしたんだ?みるく?


「…………。なんか……公子ちゃん……元気無いから……」


「そ、そう?そんな事はないよ?」

 うん。大丈夫。大丈夫。


「そう……」


「どうしたんだよ……。そ、そうだ!元気に一発やるか?」

 あぁ、私は元気だ……。


「ん~。今日はいいや……。おやすみ……」


「……。うん……おやすみ……」

 ……。私は馬鹿なんだ。何かあるなら言えよ……わからんじゃないか……馬鹿……。


「じゃ。行ってきま~す!」


「行ってらっしゃい!」


「あれ?あいつらどこ行くんだ……?」

 今から、いつもなら勉強の時間なのに……。


「昨日……皆でカラオケ行く。って言ってたんじゃあないの?覚えてないの?」


「…………。そうだったな……。そうだった。あいつら金持ってんのかな?」

 あれ?そうだっけ?とうとうボケたかな?


「あ、忘れてた!ちょっとーー」


「ーーあ、いいよ……私が届けてくるまだ、そこら辺にいるだろ」

 私は迷惑ばかりかけてるから……これ位はしないと……。ちゃんとしないと……。


「……。そう……。じゃ、お願いね……」


「おう!……どうした?」

 肉のタレでも、またついてたのか?


「ううん……。行ってらっしゃい……」


「うん……」

 だから……。何だよ。その顔は……。言いたい事があるなら言え!


 ……まぁ。言いたい事しか……無いか……。


「あ、お姉ちゃんどうしたの?」


「これ……。ソイツら金無いだろ?みるくから……」

 あいつ。何でも1万からなんだよな……。


「お母さんはもう……。カラオケ代位あるのに……」


「公子さん!公子さんも一緒に行きませんか?カラオケ!」


「フフフ……。そうですよ。一緒に行きましょ。昨日。行けたら行く。って、言ってた。って聞きましたよ」


「アハハ~。駄目だよ。なおちゃん……。お姉ちゃん。約束……守らないもん……。だから、いらないでしょ?私達だけで行こ!」


「いらない。って。そんなーー」


「ーーふゆき……。いいから……。グハハ!忘れてたしな!寝たら私は忘れるのだ!」

 …………うん。忘れる……。何も聞いてない。私が悪いのだ。


「なんだよそれ……。まぁ、いいや。本当に行かないの?」


「あぁ。私はこれから用事があるからな!」

 パチンコ……行こ……。


「どうせ、パチンコでしょ?本当に好きだねハハハ……」


「うるせ。はよ行け……」

 ……。ちょっとだけ……。一緒に行きたかったな……。


「アハハ~。じゃ、行ってくるね~。お姉ちゃん…………。サヨナラ」


「うん。……サヨナラ」

 あぁ。蝉が五月蝿い……。帰ろ……。


 まったく……。何で、鍵が空いて無いんだよ……。こうなったら、最終手段だ。台所の窓を、ガタガタすると……。ほうら!空いた。おいしょっと……。


「くせぇ!?何だこりゃ!こんな所に住んでたのか私は……!?電気は……。つくな……クーラー、クーラーっと」


 私……。いつ……約束したんだっけ?


「はぁ……。落ち着く……」

 やっぱり、巣穴が1番だな……。


 大丈夫……大丈夫……。少し一人で休もう……。


「約束……。また、守んなかったのか……私……」

 行けたら行くは、約束じゃないか……。


 いらないか……。。……良かった。皆と楽しそうで……。本当に……よかっ……た。


「ぶるぁ!さっむ!え!何でここに!?……あぁ、昼間……。そうだった。そうだった……。お腹すいたな……」

 今日の晩御飯……。何かな?フフフ……。オムライスが良いなぁ……。いらない。……いいや。今日はこっちに泊まろ……。


「お箸。どうされますか?」


「あ……。いらない……です……」

 はぁ……。気にし過ぎだ馬鹿者……。


 ……まだ。7時か……。ちょっと寝る前に……行くかな……。。……気分を変えて今日は……違う店に行こ……。


 …………。あの店は、本当にゴミなんだろうな……。良い店はちゃんと。止まらず回るんだから……パチンコって……。


 …………。勝ったわ……。やった~。帰ろ……。


「にが……。発泡酒ってこんなんだっけ……ダル……。寝よ……何もしたくない……」


 ……………………もう……。やっと眠りに入ったのに……みるくの奴め……モゾモゾと……。


「やめろよ~。…………。って……クソ……ゴキブリじゃねえか!」

 おし……。グーパン一発……。ちり紙ちり紙……。ねぇな……。こっちの服でいいか……。はぁ、寝よ……。


 ……………………。クソが、またか!こら!連帯責任で、台所アスレチックをスプレーするぞ!


「きゃっ!いたぁ~い!」


「ぎょあ!?……な、何でここにいるんだ?みるく!」

 どうやって……。あぁ、鍵かけてないわ。


「だって……いつまでも帰って来ないんだもん……。心配したわよ……もう……」


「まったく……今何時だ?」

 私を……心配か……。グフフ……。ありがたいねぇ……。


「11時50分」


「…………そう」

 いつも帰る時間から……1時間もたって無いんだけど……。


「ねぇ……公子ちゃん……。何か我慢してるでしょ?」


「…………してない」

 コイツ……。


「嘘……。公子ちゃんには無理よ……」


「……。馬鹿にしてるのか?」

 本当に……。


「うん。だから。話して……」


「……私を馬鹿にして……。ただですむと思ってんのか?」

 ウザい……。


「フフフ……。殺しても良いわよ……。だから……。話してちょうだい……」


「馬鹿め……」

 はぁ……。困った。困った……。


「フフフ……。だって……私達。お友達じゃない……ねっ?公子ちゃん……」


「う~~~~……ぎぐひっ…………わ……わたしはぁ……お姉ちゃんなの……だから……。しっかり。ぐっふ……。しないといけません……んぐぁっ……」

 はぁ……。公子ちゃん……泣かないでよ……。


「うん……。それで?」


「わたしはぁ……あの子を裏切りました……。もう。絶対に……ひっひぐふぁっ……嘘をついては駄目です……でも、わたしはぁ、嘘をつかないと……お姉ちゃんには……ぐへあっ……なれません……ぐふうっ……」

 嘘をつかせて……ごめんね……。公子ちゃん……。


「そうなの?」


「わたしはぁ……駄目な大人です。ひひいっひっ……だかぁら……ふぐっふ……ちゃんと大人らしくしないと……ふぐっふ……いけません……」

 衣食住をしっかりして……子供の手本になれる様な大人……。


「フフフ……。もう。こんなに泣いちゃって……」


「でもぉ……おぐあっふ……。楽しくありません……ふぐっふ……まさよがいると嬉しいのに……がっふ……楽しく……ごごっふ……楽しくありません……」

 公子ちゃん……。お姉ちゃんとして頑張ってくれたのに、こんな大人で……ごめんね……。


「そう……」


「嘘をついたのは……ふぐっふ……私で。裏切ったのも……ぎひっひ……私で……ひひいっ……駄目な、大人になったのも……私です。……なので……ぐっふ……私はもう、いらないです」

 公子ちゃん……。あなたがそのまま大人になれば、良かったのにね……。嘘つきな公子さんは、いらないのに……。


「そうなの?じゃ……。私が貰ってあげる。フフフ……」


「……ひぎっふ……。ほんと……?」

 グフフ……。本当に物好きな奴……。


「えぇ!何これ!?ツンデレのデレッって!こんなにも!!!……はぁ、はぁ……。公子ちゃん!帰りましょ!お家に帰りましょ!あ……。でも、あの小娘がいるのよね……」


「ふぐっふ……小娘?」

 誰だそれ?


「まさよちゃんよ……公子ちゃんが我慢してたから、何も言わなかったけど。あの子、サークルクラッシャーよ」


「サルクルクル……。。……何て?」

 日本人が横文字を使うな!


「う~ん。友達の輪を壊す人かな?」


「……ふっぐ……。やっぱり……。怨んでるんだ……私の事……ぐっふ……」

 まぁ、そりゃそうだ……。


「怨みってより……嫉妬じゃ無いかしら?私も、裏切ったお友達が幸せになる度に、お金の力でぶち壊してきたもの……」


「……………………ひっぐ……」

 え?……何それ……。怖いんだけど……。


「でも、大丈夫よ!公子ちゃん。私は裏切らないから……。一生一緒にいるわ……。大丈夫よ!だから……安心してね……フフフ……」


「……………………ぐひっ……」

 目玉が漆黒色……なんだけど……。


「ん~そうね……。今日はホテルでも泊まりましょ……ね!さ!行きましょ!フフフ……」


「…………。カラオケがある所が良い……。あ。鍵は開けといて……」

 はぁ……。抱えられては、逃げられん……。



 お前の道を進め、

 人には勝手な事を

 言わせておけ……。


 ダンテ


 朝チュンです……。


「私もね。言っても無い事を言った。とか言ったり。勝手にその人の名前使って、パーティー開いてドタキャンさせて、信用無くしたりしたわ。だからわかるの……」


「へぇ~……」

 やべぇな……コイツ……。


「あの子のもそうよ……。まぁ、でも。公子ちゃんの場合。そんな公子ちゃんが面白いから。みんな一緒にいるんだけど……きゃっ……へへへ」


「お前……。しれっと馬鹿にしたろ」

 元から信用無い。って事か?おい!


「そもそも、公子ちゃんは信用とか、そんなのじゃ、無いのよ……。何かもっとこう……マスコット的な?きゃっ……フフフ」


「ハロー、僕キミッキ~!とかしろってのか?馬鹿め……」

 馬鹿にし過ぎだ。


「フフフ……。いるだけで、安心するのよね。何とかなる。何とかしてくれるって……。だから、公子ちゃんが嘘つこうが、どうしようが……。いるだけで良いの……。一生……」


「…………。そう……」

 最後の一言。いらんな……。


 ってか……。車の後ろシートに無造作に……そして、ワザとらしく広げられた……結婚式場のパンフレットは何だ?お前。綺麗好きだろ?


「だから公子ちゃんらしく、我慢せずに向き合えば良いんじゃない?」


「でも……。私は……あの子を……」

 おいて消えたんだ……。


「え?でも、ご両親には育てて貰えたんでしょ?」


「それは、そうだけど……」

 まぁ、あの子はちゃんと育てて貰えたはずだ。時々、帰って確認はしてたからな……。


「だったら。良いじゃない。責任感が強いのは良いけど……。追い込むのはやり過ぎよ……。ちゃらんぽらんで、駄目な公子ちゃんが良いのに……きゃっ。へへへ……」


「ちゃらんぽらんって何だよ。まぁ、そうだけど……。人に言われると腹立つな……」

 本当にちゃらんぽらんって何だろ?


「フフフ……。元気が戻って来た見たいね……良かった」


「はぁ……。何か……。悪かったな……。その。ありがとうな……。めぐみ……」

 何だかんだ……。いい奴なんだよな。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。い、今なんて?公子ちゃん!今なんて?言ったの!」


「おいおい!私だって、お礼くらい言うさ」

 婆ちゃんに死ぬほど、礼節はしっかりしろ!って言われたからな。


「違うわ!その後よ!」


「めぐみ?……ぎゃぁうわ!?お、おい!町中でドリフトターン……ぎゃぁわわ!?」

 し、死ぬ!?


「も、戻りましょう!?ちょっとさっきのホテルに!……ぎゃわ!いった~い。噛むならちく……きゃっ……へへへ」


「はぁ……もう……。さっさと帰るぞ、みるく……。お腹すいた……」

 はぁ……。ってか何で私……名前で呼んだんだ?


「は~い……ってあれ?名前は?」


「怖い事するからもう、呼ばない」

 あ~、これのせいか……。


 何か、助手席のボードに、めぐみ。ってシールがはってあるんだよな……。何も取らんのに……。そういえば……。トイレの中側のドアにも貼ってあったな……。何だろ?


「フフフ……。まぁ、いいわ……。ご飯……何食べたい?」


「オムライス」

 美味いんだよな~。


「わかったわ!任せて」


 ……………………?入り口のドアにもめぐみシールが貼ってある……。表札にしては、低いけど……。まぁ。本人が良いならいいか……。


「お帰り……お姉ちゃん。朝帰りとは楽しそうで良かったね~、私を放っておいて……あ~お腹すいた……」


「あ……。ごめんね……。みるくご飯をーー」


「ーー嫌よ。私は公子ちゃんのしか、もう作らないわ」


「え?何でよ?」


「何でって?私は公子ちゃんの物だもの」


「はぁ?意味わかんない……。じゃ、お姉ちゃん。何か作って!」


「うん……。わかった……。な、何だよ。みるく……離して……」

 ……。そんな怖い顔するなよ……。


「まさよちゃん。あなたのやってる事。まるっと全部お見通しよ!」


「……」

 古いって……。何だっけそれ……。


「何がよ?」


「あなたが、公子ちゃんの言っても無い事言ったり、お酒を水に変えたり、盗撮してSNSに投稿したりしてる事よ!私!しっかり見てるんだから!」


「……え?」

 水って……。どうりで、飲んでも酔わない訳だ……。


 高いから飲みやすいのかな~?って思ってたけど、水だったのか……。ってか……盗撮?


「へぇ~。おっぱいが大きいだけのおばさんだと、思ってたけど結構賢いのね……」


「ま、まさよ……。年上の人にそんな言い方は……」

 まさよ……間違ってるぞ。


 おっぱいが大きくて、何か色々とうまくて、欲望に貪欲で忠実で、やり方が陰湿なお金持ちの怖い。おばさんだ……。え?……ヤバいなコイツ……。


「そろそろ、子供みたいに甘えるのは、やめなさい……ダサイわよ?フフフ……」


「はぁ?いいのよ。ね!お姉ちゃん。私達。姉妹だもんね~。大体、お姉ちゃんばっかりズルいのよ!こんなにいい暮らしして!」


「ズルい……?」

 あぁ。まさよが昔よく言ってた……ズルい……。


「そうよ!どうせ。お兄ちゃんと家を出てからは、私が普通の暮らしをしてる時に、いっぱい!2人で遊んでたんでしょ!?そんなのズルいじゃん!」


 私は。普通に普通のご飯を食べてた……。

 お姉ちゃんは、こんなに美味しいご飯を食べてて……。ズルい……。


 私は。普通に普通の学校に行った。

 お姉ちゃんはお兄ちゃんと外で毎日、遊んでて……。ズルい……。


 私は。毎日仕事なのに、お姉ちゃんは遊んでばっかりでズルい!


 甘やかされて。ズルい!友達がいて。ズルい!可愛くて。ズルい!自慢しないのも。ズルい!何も言わないのもズルい!格好つけてるとこも。ズルい!子供扱いする所も。ズルい!


 とにかく。何もかもが……。


 ズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルい!ズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルい!!!


「そう……ね……」

 ……そうよね……。


 私は。勘違いしてた……。勝手に勘違いしてた。気にする所は、まさよに嫌われてるから……。そんな事じゃ無かった。


 嫌われてもいいから。嫌われててもいいから。良い大人でも無く、良い姉でも無くても。お話しを……。まさよと、ちゃんとお話しを、するべきだったんだ。


 佐倉公子としての話しを……。反面教師であり。悪の見本。歩かない。籠もる悪標本……である。私のお話しを……。愛するべきこの私の妹に……。


 まさよ……。先日までお姉ちゃん。キャベツに塩かけて……かじってたんだよ……。


 冒頭はこんな感じかな?話し合おう……。まさよとちゃんと……。公子ちゃんから。公子さんになるまでの話しを……。



ちょっと1話が長くなりましたねw

でも……。何か好きなお話しに仕上がりました。


次回は公子さんと弟が家を出てからのお話し……。正義の公子ちゃんに何があったのでしょうね?


ブクマ:評価:誤字脱字コメント!よろしくお願いします!そしてありがとうございますw

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