公子の夏休み
公子さんの妹さん登場
私は今、警察署で誰かの迎えを待っている……。
「何をやってるの。おねちゃん?」
「え?……。何で?いや、その……」
え?何でまさよが来てんの!?
佐倉正代。(21)私の妹だ。
なんで私のお迎えに……まさよが来たの……?
そして私が何故、警察署にいるのかと言うと、みるくが今朝、あることで騒ぎ出したのが原因だった。
「今日は、夏祭り!なんですって!夏祭り!夏祭り!なんだよ?いいわよね!夏祭り!美味しい物がいっぱいの夏祭り!ねぇ!公子ちゃん!今日は夏祭り!なのよ?あ!そうよ!公子ちゃん今日は夏祭り……きゃっ」
「何回も言わなくていいわ……。私はいかんぞ」
真夏の人混みとか……無理。年中無理だけど。
「え?行こうよ。公子さん。俺らも行くし」
「知らん……。てか、お前ら……。ここは、溜まり場じゃないんだぞ、子供は外で遊べ。私も外へ遊びに行ってくる」
今日は、狙いの新台があるのだ……グフフ!
「あ……。公子さん……。花火も上がるみたいです」
「勇気……。無駄だよ。公子さんは、パチンコとお酒にしか興味ないんだから……いて!」
「おい、悠人。人間、嘘をついてもろくな事にはならん。だがな、正直者は馬鹿を見る。なので、私はパチンコへ行く……。じゃあな」
どっちでも馬鹿を見るならは、好きに生きればいいのだ。
ふゆきに勇気に悠人……。これが、噂に聞くいつメンと言うやつか……。毎日、ゲームして……。よくあきんね。
「はぁ……。訳わかんないよ」
「き、公子ちゃん……。何時に帰ってくる?その……夏祭りの花火……。8時から……。だから……」
「はぁ……。わかったよ……。それまでには帰ってくるよ……」
40近い女がモジモジすんなよ。
「ほ、本当!私!浴衣買っとくから!ウチワも!あ!下駄もね!あとは……。場所取りもしなくちゃ!」
「あ、僕、夕方から行って、取っときましょうか?」
「あ……。じゃ、俺も……行こうかな~」
「じゃ僕も行くよ……」
ふーん、ダチョウな流れは、令和でもあるのか……。私は手をあげんぞ、私はいかん。
「あ!じゃあ!私もいくわ!」
「え?でもそれ……。意味なくないですか?」
「え?あ……。そ……そうね……」
おいおい……。ふゆきよ。その流れはどう考えても、どうぞどうぞ!の流れだろ……。
あ~あ。可哀想に……恥ずかしさでみるくの顔が真っ赤じゃないか、帽子の変わりに、ふきん投げるつもりだったのか?
みるく……。そこさっきふいたろ?せつねぇな……。令和の子供はダチョウ倶楽部をしらんのか……。時代を感じるねぇ。
ってわけで。気分を上げる為に行こうではないか!私のいつメンが待つ。いつものお店に!
花火が夜8時からで……。今、朝の9時半だから……。急がなければ!……あんまり時間がないのだ。
しっかし……。暑い……湿気やば……。今日は川沿いを行くか……。うわ……。朝からジョギングとか、死ぬつもりなのか、あのじいさん……。
「公子さん?」
「お、山口ちゃんじゃん。朝からどうしたの?こんな所で……。暑さで死ぬ前にお家に帰んな?」
うわ……。白いワンピースが良く似合ってんな……。
「フフフ……。死にませんよ。相変わらず面白いですね」
「そ、そうかな~?グフフ。山口ちゃんは散歩中?」
ほえ~。美少女ってのは何着ても似合うもんだな。白い服なのに、染みもついて無いし。
私は白い服は着られないんだよ。色んな汁やタレがすぐつくからな。
「いえ……。私……。家ではこういう格好出来ないので……」
「何で?そんなに可愛いのに」
いや、本当に。そこらのアイドルグループの中途半端なヤツよりか全然可愛い。
「フフフ……。公子さんがお母さんだったら良かったな」
「そ、そうかい?グフフ……。あ!予定が無いならさ、私の家に行ってみな、暇人どもがいるから、こんな炎天下の中で過ごすよりいいわ……。そうだ。ちょっと待ってなさい」
嬉しいこと言ってくれるね。この娘は!ふゆき達にも見習わせたいものだ!
「あ、あの……」
「あ、嫌だった?」
また。失敗するところだった。人の話は最後まで聞かなければ……。
「い、いえ……。嫌ではないです。でも、私なんかが行ったら……」
「はぁ?何言ってんの?可愛い女の子が来て嫌がるヤツなんて何処にいるんだよ?」
まぁ、美女アンチな私だが……美少女は好きだ。
そして、私、可愛いでしょ?マウントを取ってこない美少女は、もっと好きだ。愛でるべき対象だ。
「あの……。私……。男です……」
「…………。そ、そうだったね……。でも、大丈夫!アイツら馬鹿だけど。いいやつだから、すぐ仲良くなれるさ!だははははは……」
可愛い過ぎて……忘れてた……。
お肌も顔も私よりはるかに女の子なのに……男の子って……。神様は私が嫌いなのかな?
「お、お待たせ!公子ちゃん!どうしたの!え!?何その子……。まさか……。公子ちゃん……。浮気……きゃっ」
「馬鹿者、子供の前で何を言ってるのだお前は……。この子は、山口ちゃん。掃除の時に良く話すんだ」
それに、浮気ってなんだよ……。
「そ、そう。私。公子ちゃんの……お友達!の谷川めぐみです。よろしくね……。それで?どうしたの?パチンコやめてデートしてくれるの?それとも、買い物一緒に行ってくれるの?あ!一日一緒にいてくれる……きゃっ」
「一気にまくしたてるな。そして、目が怖い……。みるく。この子を家に連れてってやってよ」
まったく……。目玉に光が無くなるその目はなんなんだ……。
「え?嫌よ」
「え?何で?」
「公子ちゃんのお友達は、私なのよ!私以外の女は認めないわ!ちょっとあなた!公子ちゃんにいくら渡したの?私の方が……きゃっ!いた~い。フフフ……」
「たたかれて喜ぶなへんたいめ……。そしてその子は男の子だ……。子供相手に絡むんじゃない。まったく……ゴメンね山口ちゃん。変態で変人だけど、この人悪いヤツじゃないからさ」
山口ちゃんドン引きじゃねぇか……。グフフ……美少女の引いた顔もいいもんだな。
「そ、そうなの?私てっきり……。わかったわ!お友達!の頼み事だもの、任されたわ!お友達!の公子ちゃんが言うことだもの!さ!山口ちゃん行きましょ!でも、公子ちゃんのお友達!は私だから……きゃ!」
「はよいけ、暑い……」
てっきりってなんだよ……。コイツといると話しが進まん……。
「あ、あの……。私。山口直人です……。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。じゃ、行きましょうか……」
「おい、みるく。手をはなせ……。私は帰らん」
しれっと、引っ張って行こうとするな。
「…………。今日はお祭りなの。花火は8時から……」
「わかってるって、ちゃんと一緒に行くから~」
も~。早く遊びに行きたいのに~!
「絶対忘れちゃ、駄目よ?あ。それとこれ、ハンカチにティッシュ。公子ちゃん忘れて行ったでしょ?それに、はい。お弁当に、すいとう!事故に気をつけて、8時までにはちゃんと帰って来てね!」
「うん。わかった」
…………。プリキュリアのピンクのすいとう。どうしたんだ?これ……。
中身は……カフェオレ!弁当はサンドイッチか!いいね。休憩所で食ってこ!腹が減ってはなんとやらだ!打ち始めたら、休憩しないしな。
「あの……。お嬢さん、お父さんお母様は中かな?……あ……」
「は?」
あ。ってなんだよ。いつメンの白石。
「あ!いえ。失礼しました……。いつもご来店ありがとうございます」
「いえ……。どうも……」
私は放置児童じゃねえぞ、こら!ったく……。
子供の車内放置は辞めましょう!絶対!
まぁ、仕方ないか。前はスウェットだったが、最近は、黄色いお花のワンピースだもんな。
それに、プリキュリアのすいとうに、ボケモンのナプキンだ。小学生の遠足アイテムかっての。
お弁当箱とすいとう。パチンコアイテムにして貰おうかな?プリキュリアのは勇気にプレゼントしよ。家で弁当作れば、節約になるだろ。知らんけど。
さてさて……。うわ……今日は客が多いな……。うわ……。新台うまってるし……。うわ……。打ちたいのもうまってる……。
この暇人どもが!昼間から遊びやがって!働け!今日は祭りらしいぞ!パチンコなんかしてないで、そっち行けや!そして、さっさとそこをどけ!帰れ!
祭り……。祭りねぇ……。花火……。そうだな……。台があくまで花火を打とう……。
堅実に立ち回るのは大事だ!当たりやすい花火で1000枚位出して。それから、大きいのをドーンと1発狙えばいいのだ!よし!そうしよう!賢いな!キミちゃん!
「はい。ドーン!」
ダル……。1283って……。10倍ハマりって……。
しかし、確率は元に戻るのものだ……。3万近くいれたが……。機械割100パーセント越えのコイツなら……戻ってくる。
「はい。ドーン!」
386……。はぁ?馬鹿かて……。ダル……。チラチラ見てくるな白石!シバくぞ!
「はい、殺す」
587……。バケ……。花火買って来て打ちこんでやろうか!クソが!
はぁ……。まぁ、落ち着け公子ちゃん。今日もスロットは駄目な日なんだ。
人の運の流れには、ばらつきがあるもの。なので、スロットがダメならパチンコをすれば勝てるのだ!
『ごめんね……』
「いや、アンタ。何度目の謝罪だよ?マリンさんよ?」
586……。お金がつきた……。7万位あったんだけど?
くそ。まだ5時前って。とんだシーパラダイスだわ!
「はぁ……。高ぇ煙草代だったわ」
煙草1個交換しただけ。煙草1個7万……。その内ぜってぇ、この店焼く。
帰ろ……。そして寝よう……。嫌なことは寝て忘れるそれが1番いい……。
「お帰り!公子ちゃん!」
「ただいま……。あれ?悠人達は?」
珍しいな、アイツらいつもゲームしてんのに。
「場所取り行ったわよ?」
「何の?」
こんな暑い中花見でもすんのか?
「何のって、花火よ?」
「そ、そうだったな」
あぁ、なんか朝言ってたな……。え~、もう行きたくないんだけど……。
「みんな楽しみにしてたわよ!そうそう。山口ちゃんも、一緒に見るって。あの子良い子ね。みんなと、もちろん!私ともすぐ仲良くなったのよ!」
「そ、そう。それは良かった」
そうだったな。山口ちゃんも来てたんだった。とりあえず、いっぱいいるから、私は寝てもいいだろ。
「じゃ!着替えましょ!」
「え?いや……」
着がえってもう、そんな気分じゃ無いんだけど……。
私の祭りはもう終わったのだ。
やめろって~。かかえられると逃げられんから……やめなさ~い。
「凄い似合うわ!凄く可愛い!写真撮ろ!写真!ほら!」
「うん……」
写真……て……。何年ぶりだ?てか……。何で、私のは浴衣まで黄色の花柄なんだ?
私もみるくのような、紫のアサガオ柄みたいのがいい。後ろのヒラヒラリボンもいらん、買ってもらっといてなんかだ、子供扱いし過ぎだ。……文句言ってやろうかな。
「それね、8万円したのよ~。あ、ほら!ウチワもあるわ!あ~、楽しみね~」
「う、うん……。そうだね……」
浴衣ってそんなに高いのか!?子供サイズだし3000円くらいかと思ってたんだけど!?
「ちょっと早いけど、行きましょうか!あ、ビールもちゃんと買って。クーラーボックスに入れて冷やしてあるから!あっちで焼き鳥とか、綿菓子とか、リンゴ飴とか色々買いましょうね!ウフフ……楽しみ!」
「うん……」
ま、まったく……。
私は、本当に……。行きたくないんだけどなぁ……。子供扱いも、本当は嫌なんだけどなぁ。8万円の浴衣に文句を言ったらバチが当たりそうだ……。
そ、それに……。みるくがこんなに楽しみにしているのだから……。仕方な~く、ついていってやるとするかな……じゅるり……。
「あ、公子さん!みるくさん!浴衣似合ってます!」
「早かったね」
「おう、勇気、悠人ご苦労!ふゆきと山ちゃんはどうした?」
サボりか?
「祭りを見に行ったよ、山口さんも……その……友達いないらしくて……。こういう所あんまり来たことないらしいから」
「ほう、だから。かわりに留守番してんのか、お前らは偉いな~。まぁ、ふゆきも見てくれはいいから、山ちゃんも悪い気はせんだろうな。ほら!場所あけろ」
さてさて、おビール。おビール!
「ったく。お礼位。言ったら?」
「あぁ、そうだったわね。ありがとう。悠人。勇気君、これ少ないけど……お礼」
「いや、僕は……。その、大丈夫です……」
「お母さん、そう言う意味じゃないよ……まったく……」
「はぁ……。まったく。ほら、私が特別にお小遣いをやろう!遊びに行ってこい」
大奮発だ!一人2000円!持ってけ泥棒!
「え……でも……」
「せっかくの花火が上がるのに、公子さんがそんな事すると雨がふる……いた!座ったまま蹴らないでよ!はしたない!」
「いらんなら返せ!ったく……。はよいけ!花火始まるぞ」
「あ、ありがとうございます。公子さん」
「ありがとう、行こ。勇気」
「うん!じゃ、行って来ます」
「おう……。ったく。祭りの小遣いで1万出すヤツがあるか、この馬鹿者」
私でもビビるわ。はぁ……。ビール。ウマ……。
「そうなの?喜んでもらえると思って……。じゃ、これ、公子ちゃんに……きゃ!」
「いらんわ。現金なんて早くしまえ。生々しい……。子供にはあれくらいでいいんだ。祭りの買い物とは。限られたお小遣いで足りるか足りないか、友達と一緒に楽しく。迷いながらするからいいのだ……。覚えておきなさい」
って。誰かが言ってた。
「公子ちゃん。凄いわ。勉強になる……」
「グフフ……。そうか?ふむ。みるくよ……物は何でも足りない位でちょうどいいんだ。次は良くしよう!と。人間は頑張り。成長するのだからな!」
知らんけど。
「頭いいのね。公子ちゃん。何処かの先生みたい。あ、公子ちゃん……。飲むの早いわね……お酒、足りそう?……あ、でも足りない位がいいのよね?」
「ん?何で?全然、たらんよ。買いに行こう。一緒に行くか?」
いきなりコイツは何を言い出してんだ?足りなくていいものなんて、ないだろ。
「うん!一緒に行く!」
うわぁ。綿あめ!焼きそば!たこ焼き!焼き鳥!かき氷!お好み焼き!リンゴ飴!金魚すくい、ボールすくい。全部したい!全部食べたい!
うわあ!くじだ!これは、やらなければ!いちギャンブラーとして!
「おいおい!兄さん!なんだこれ!当たり入ってんのかって!こんなん100均で売ってんだろがって!」
おもちゃのステッキって!大人なめんなよ!
「お嬢ちゃん、いちゃもんは困るよ……。ほら、商品叩かないで……。まだ1回しか引いてないじゃないか……。ちょっと奥さん困るよ……」
「き、公子ちゃん。向こうに金魚すくいあるから見に行こ?ね」
「ひっく……。金魚……。救い……?グハハハハハ!いいだろう!救ってやろうではないか!」
金のために捕まった。小さな仲間を救おうぞ!
「奥さん……。子供の教育はちゃんとしないと……」
「あなた!私のお友達を悪く言わないで!馬鹿!ふん!公子ちゃ~ん。待って~」
「なんだったんだ……。あれは……」
だっははははは!袋3個!ギッシリ!大量大漁!気持ち悪いし、いらんから、後でふゆきにプレゼントしよう。焼き鳥ウメ~。んぐんぐビールウメ~!
「き、公子ちゃん……。そろそろ戻ろ。もうお荷物いっぱいで持てないし……」
「ん。そうだな……。お!みるく……ちょっとしゃがめ」
まったく、少し見えてる肉まんにダレがついてるじゃないか。グフフ私が取ってやろう。
「なぁに?どうしたの?おんぶ?…………ひゃ!?」
「こらこら!食べ物を落とすなよ……。中身は……大丈夫だな……ぐわ!なんだよ!ひっつくな!」
暑いし、あんまりしめられると、げろが出る!
「あぁ!いいわよ!私いいわ!今日は帰りましょう!二人で!それがいいわ!そうしましょう!ね!」
「はぁ?なに言ってんだよお前は……。子供が待ってんだろ……。はよいくぞ……」
コイツは何で目がギラギラしてんだ?
「だって……今……。ぺろって……」
「タレがついてたんだから、するだろ。両手ふさがってるし、自分で取れないだろ?」
「……………………。そ、そうね、ありがとう」
「ほら、私も半分持つから……」
たく……。暑い中わざわざ来て、花火見ないってなんだよ馬鹿者め……。
しかし結構買ったな……。まぁ、人数いるしいいだろ。あ、ビール……。まぁ、誰かにコンビニにでも、買いに行かせりゃいいか。
きたんの~♪酒場どおりにわはぁ~ん♪素敵な~ん♪公子さんがいるぅ~ん♪ちゃん、ちゃんっとぉ……。
「うるせぇな。ガキ。お前らがほかいけばいいだろ?」
「だから、ここは先に俺らが取ってた場所なんだって!」
「しらんわ、散れ」
「お、この子可愛いじゃん、一緒に飲も~」
「や、やめてください……」
「おい、なおちゃんに触んな!」
「お、格好いいね少年」
「ね~、たくや~まだ?」
「私達早く、座りたいんだけど~」
お、喧嘩か?祭りの華ですな~。相手は5人か~。頑張れふゆき~。しかもグフフ……。なおちゃんって……。おやおや?グフフ……。
「き、公子ちゃん……」
「大丈夫、大丈夫。子供の喧嘩だろ?大人が出るもんじゃないよ。しかも女の子を守る戦いだ…………あぁん?あれは……」
おいおい!クソビッチ……。お前が飲んでるの……。私の酒じゃないのかにゃ?
「き、公子ちゃん……。ちょっと待って……」
「き、公子さん。コイツらがいちゃもんつけて来てさ…………。って。公子さん……それ、何持ってんの?」
「おい、そこの小猿……お前……。何飲んでんだ……」
そのビール……。高そうな、そのビールはみるくが買ってきた。私のビールだ。
「え?猿って私の事?まじウケるんだけど、何なのこのガキ?」
「き、公子さん……。警察呼ぼう。だから落ち着いて」
「え?もしかして、子供じゃないの?ロリババア?うわ!初めて見たわ!うける~きゃははははは」
「ちょっと、あんた達もわかったろ、ほかにも人が来るんだ早く……!!!」
「ふゆき君!?」
「おい、ガキ……。年上にアンタってなんだよ?馬鹿が……さっさと消え……ぎゃぁ!」
「殺す」
必殺、素敵なステッキアタック。横に叩くと折れるので……。全力でブスリと金玉をツキ刺す。
「み、みるくさん!警察に電話を……」
「わ、わかったわ!あぁ……。あ!?アンタァ!公子ちゃんに何してんのよぉ!?殺す!」
「いってぇ!顔を殴りやがって!ぶっ殺す!みるく!ソイツ抑えろ!刺し殺すぞ!おらぁ!!!」
10回殺す!!!
「わかったわ!ビール瓶で殴ってもいいかしら!?」
「かまわ~ん!やってしまえ~!」
グハハハハハ!やるじゃないか!みるく!
「こ、コイツら狂ってる……。もういいから、逃げようたくや……」
「はぁ?何で俺らが……。お、おい……他の奴らは?」
「もう、逃げたわよ!ほら!またくるって!」
「だははははは!誰が逃がすかボケが!!!おい!ふゆき!はなせ!おいこら!」
「ちょっと!はなしなさい山口ちゃん!コイツはお友達!の私が殺すの!公子ちゃんを殴ったコイツは……ぶっ殺す!」
「ちょっと!アンタら早く逃げて!これ以上は抑えられ……いった!」
「うおらぁ!死ねぇ」
逃がすかボケが!
「クソが!覚えてろ!クソガキが!行くぞまゆみ」
「ちょっと、待ってよ!たくや」
「おい!ふゆき!はなせ!逃げるぞ!アイツら!お前なぐられたじゃないか!ぜったい許さん!」
クソ!戻ってこいや!
「俺はもういいから。……みるくさんも落ち着いてよ……。だいたい、公子さんがちゃんと留守番してないのが悪いんだろ……」
「は?……え?留守番?」
シートおいてんじゃん?
「そ、そうね……。公子ちゃんが殴られて気が動転しちゃったわ。もう、大丈夫よ。山口ちゃん……。ごめんなさい」
「ああいう人がいるから、ずっとみんなで座ってたのに……まったく……」
「そ、そうなの?シートだけじゃ駄目なの?……すまん」
パチンコ屋さんなら、椅子だけで良かったのに……。
「あの~……。すいません……。こちらで喧嘩がおきてると、うかがったんですが……。ちょっと、お話しを……」
「あ……。はい……」
国家公務員さん……。どうも……お疲れ様です……。
その後……。私は子供達とみるくを会場において、交番へと事情聴取及び、暴行の被害者。加害者として連行された。
そして……。私は被害届は出さない事にして、厳重注意のあと。解放となったのだが……。
「じゃ、ちょっと……いや、かなり。お酒が入っているので、ご家族の方か身元保証人の方にお迎えに来てもらってください」
「はい……」
まさきなら……。怒られないな……。
「わかった。あ~、ちょっと忙しいかもだから、かわりの人行かせるよ。それと、姉ちゃん殴ったソイツの顔……。後で教えてね……」
「わかった」
はぁ、役に立つ弟だ。
かわりの人って……。舎弟のりゅうきか誰かだろ。と思ってたら……。まさかの、まさよがきたのだった……。
「あ、あの、ありがとね……」
また、まさよは美人になったな。どっかの読モやってんだっけ?
「いいわよ……。良くないけど……」
「ごめん……。もう、迷惑かけないから」
この子は、あの家の過去をあまり知らない。
だから。私とまさきで、内緒にしている。
この子にとって、あの両親は良いお父さんに良いお母さんなのだ……。
「…………。そういうところが……。もういい、じゃ、帰る……」
「うん。私も帰る。気をつけてね」
今日はもう帰ろ……。大人しく……巣穴に戻ろう。
「うん……」
まさよと会いたくない訳でも、話したくない訳でもない……。ただただ、私が……申し訳ないのだ……。
何てことはない……。あの家に嫌気がさした私はまさきと、家出をしたってだけ。
その後。両親がパチンコを辞めて、まさよの面倒を普通に見て、普通に育てた……。
私達の家出をキッカケに、あの両親は普通の夫婦に戻ったのだ。まったくもってめでたしめでたしな話し……。
別に両親もまさよも、嫌いではない……。
ただ、あの家に戻ると両親の仲よさげな笑顔に……寒気と吐き気がするってだけだ。
そして、普通の家庭で普通に育ったこの妹には、私の様なはぐれ者の姉は、いてはならない……。
自分を捨てて、見捨てて出て行くような。そんな姉は……。いらない……。
「じゃ、さよなら……」
ごめんね……。
「うん、さよなら……」
お酒は飲んでも飲まれてはいけません!
そして、車内放置も駄目です!
さて、公子さん山口ちゃんが出現。この先どうなるのでしょうか……。
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