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13/20

ひょっこり公子たん島

一応。水着回ですw

「ねぇ、公子さんってオシャレとか興味無いの?」


「はぁ?いきなり何だよふゆき、ビンタでもされたいのか?」

 まぁ、興味は無いけど。


「いや、いつも、その、ドラミちゃんみたいな黄色いワンピースきてんじゃん。服とか買いに行かないのかなって?」


「ドラミちゃん!そんなにカワイイもんじゃないだろグフフ……」

 何だよ~。ほめるなら先に言えって。


「そこ……。喜ぶところなんだ……」


「お前、やっぱり、私を馬鹿にしてたのか?シバくぞ?」

 ドラミちゃん、カワイイだろが!


「いや、似合ってるのは似合ってるけど……。何か、昭和初期の子供みたいだ……いった!」


「警告したのに、馬鹿にしたお前が悪いんだからな。ったく、安くて動きやすいからこれでいいんだよ」

 今日はヒマワリ柄。夏も冬もワンピース。冬にはパーカーを上から着ればいいのだ。お腹のポッケには煙草に財布が入る。完璧だ!


「いって~。定規はやめて、マジで痛いわ……」


「ってか、教室行けよ……。ってか。何でお前、私服なんだよ?」


「やっぱり、知らなかったんだね」


「何を?」


「今日から、夏休みだよ?」


「え?」

 まじか、直帰してたからしらんかった……。


「家に行っても、パチンコ屋にもいなかったし、寝ぼけて出て行った。って言ってたからここかな~。って」


「行き先をお前に予想されてるのは腹立つが、よく知らせてくれたな、ありがとう。よし!帰ろ!」

 うわ~い!パチンコ行こ~!


「実はさみんなが、下で待ってるんだ」


「は?何で?」


「海!行こ!」


「は?嫌だけど?」

 海とか夏に行くもんじゃない。涼しくなってきた時に食料を調達するところだ。


「いいから、いいから~」


「いくないわ!おい!荷物のように抱えるな!おい!おろせぇ~!!!」


 という訳でやって来ました。真夏の海……。


 無駄に輝く太陽!目が痛くなる程にきらめく海!クソ熱い黄金のビーチ!そこにちゃばねるパリピども……。無駄のかたまり……。


「公子ちゃん。水着買ってきたんだけど……。着ないの?公子ちゃんの為に買ってきの……。どう?着ない?ちゃんとサイズ測ったから、サイズはあってるわ!」


「……。いいよ。泳がないし。暑いし。帰りたいし……」

 ってか……。いつはかったんだよお前……。


「そ、そう……。じゃ、私も……。ここにいるわ……。お友達は一緒にいなきゃね……」


「…………わかったよ、もう!それかせ!」

 勉や勇気やふゆきを羨ましそうに見るんじゃない!ったく……。


「やった!あ!あとね。浮き輪とビーチボール、スイカとバットにあとは、バーベキューセットと花火!これも買ってきの!公子ちゃんと一緒に遊びたくて!」


「まさか……。みるくお前……夜までいるきなのか?」

 花火って……。まだ、昼まえなんだが、コイツ私を殺すつもりか?


 しかも、これ……。子供用の水着だよな?黄色いヒマワリ柄って……。まぁいいか。タダだし……。


 お、以外に悪くないな。そしていい物毎日食ってるからか、肉もついてきたな……。まぁ、みるくのおかげだし、今日1日くらい付き合ってやるか……。


「あ、お帰り!凄く似合ってるわ!お洋服はこのバックに入れてね!これ!膨らませといたから!」


「ありがとう……」

 いや!乳でけ~し!足なげ~し!しかも、黒のビキニって!色気やば!


 そして、どんだけ遊ぶ気満々なんだよ!イルカの乗るやつに浮き輪にゴムボート!

 私が便所で着替えてた時間。10分位だったぞ?


「うわ、公子さん……。水着までドラミちゃんスタイルかよ」


「みるくが買ってきたんだよ……。あれ?勉と勇気は?」


「ジュース買いにいった。戻ってきたら、ビーチボールで遊ぼうって」


「いいわね!ビーチボール!ふゆきくん得意なの?」


「あ、あの……。はい……」


「あぁ……。そうだったな。みるく……上だけでも服きろ、コイツ女が怖いらしいから」

 ブリブリぶり子に聞いてたの忘れてたわ。


 流石にボインでムッチリ美魔女がおったら怖いよな……。私もだ。怖い通りこして、憎い……。ってあれ?


「そ、そうだったのね。ごめんね。すぐ服着るから……」


「すいません……。ってか何で知ってるの公子さん?」


「ぶり子に聞いた」

 そんなことよりも……だ。


「ぶり子……?姫川先生の事?あの人……。勝手に……」


「そんなことはどうでもいいが……。私も水着だぞ?何で普通に話してるんだ?お前」

 とりあえず、蹴る準備をしとこうかな。一応聞いただけだし。


「え?だって、公子さんは子……いった!早いって!痛ぇ!」


「一応、聞いてやったのに。お世辞くらい言え馬鹿者」

 まぁ、言っても蹴ったけど。


「これで大丈夫かしら?」


「あ、えっと……。はい、大丈夫です」


「何か、エロい……。腹立つな……。ふゆき、コイツはマネキンだと思え」

 服着せたけど……。逆にエロくなったな……。まぁ、ふゆきがなれるしかない。


「公子ちゃん。マネキンって酷いわよ!でくのぼうなら良いわよ。昔のお友達が私にあだ名つけてくれたのよ。フフフ」


「酷いでしょ……。その友達……」


「そう?優しかったわよ?お金あげなくなったらいなくってなったけど。でも良いの!今は公子ちゃんがいるから」


「ふゆき……。みるくを怖がるだけ時間の無駄だ。違う意味で怖いがな」

 いつも、気付いたらいるのだ……。怖いしビックリする。この前は髪の毛洗って流したら、後ろに立ってた。


「ハハ……。そうだね……。頑張ってなれるよ」


「慣れるって、私はお化けじゃ無いんだから……。あら、お帰り!悠人ありがとう。いくらだった?」


「いや、いいよ。ってか公子さん。それ……ヤバいよ。何狙いなの?」


「公子さん……。あの……。に、似合ってます!」


「何も狙ってねぇわ。勇気を見習え、馬鹿者共」

 まったくコイツらは……。4人で笑ってんじゃない!


「じゃ!ビーチバレーやろうぜ!」


「「「お~!」」」


「まじか……」

 今日死ぬかもしれん……。


 てか……。よくもまぁ、砂浜で走り回れるなコイツら……。ってかみるくお前……。何か超ハイスペックじゃないか?さっきからミス一回もしてないぞ……。


「公子さん……。運動音痴すぎない?」


「公子さん!ファイトです!」


「でゅふ。キックとか叩くのは早いのに……ぎゃ!?もう!跳び蹴りしないでよ」


「うるせ!あ~、疲れた。休憩してくる」

 こんな暑い中、玉遊びなんかやってられるか!するなら、クーラーの効いた店で玉遊びするわ!だから私を家に帰せ!


「じゃ、私も!」


「もう……。良いから、子供達と遊んでろよ。私は荷物を……見とくから」

 みるくが来ると、休憩にならん。


「そ、そう?じゃ、ちゃんと見ててね。私を!ちゃんと見ててね!頑張るから!私!」


「わかったから、頑張れ……」

 荷物って言わなかったっけ?そして何回も言わんでもいいわ……。


「うん!私、頑張るから!だから、ちゃんと私を……きゃ」


 「しつこい……」

 まったく……。クーラーボックスまで準備してあるとは、恐れ入るぜ。


 しかも!ビールがあるじゃん!いいね、いいね!いただきま~す!かぁ~。これこれ!火照った身体に効くね~!


 ……………………。どうしてこうなった?


 暑いから、ちょっと水浴びでもするか。と、みるくの麦わら帽子をパクって、浮き輪の中に入って。波のゆりかごに揺られながら昼寝していたハズなのに……。


 めっちゃめちゃ流されとるんやけども……。


 あぁ……。浜辺の人間がゴミのようだ。そして、私は海を漂うゴミのようだ……。


 これ……。マジでやべぇんじゃね?戻らんとサメに喰われる!うおら!パワフル全開バタ足ジェット~!


 「もう無理……」

 3分頑張った……全然進まんし疲れた。それに……足がつりそう……。


 あ~、どうしよ。波がちゃぷちゃぷ……。なんだっけこれ……。あ!ひょっこりひょうたん島だ!って!おい!そんな事思い出してる場合じゃあない!


 ひょっこりキミコたん島になる前に、早く戻らねば!ひょっこり出て来たサメに喰われてしまうかもしれん!まぁ、サメは目が弱点らしいから指を入れれば、何とかなるか……。


 海にはカッパはいないし、引きずり込まれんから、まったり救助を待つことにしよう……。


 あ……。まぁ、いいか……お風呂じゃなくて海だし……うんこじゃないし……。


 ってか。このまま流れたら桜島につくのかな?……。1日?2日?3日。

 3日はキツいな~……はよ救助……も……とむ……。


 「痛い!痛い!痛い!ほっぺたを叩くのは誰だ!?張り倒すぞ!」

 せっかくいい気持ちで寝てたのに!


 「あ~ん!公子ちゃん!無事でよかった~!」


 「よかったですね、奥さん。お嬢ちゃんも海に入るときは気をつけてね。では、自分はこれで……」


 「大丈夫ですか。公子さん?」


 「もう、誰かに声をかけてから行ってよ。心配するじゃないか……」


 「浮き輪で漂流とか……。公子さんヤベェ……」


 「…………?あぁ。そういえば私、流されてたんだったな……。みるく暑いから、いい加減離れろって……もう……」

 その、ほっかほかの肉まんを私の顔からはなせ!


 「嫌よ!もう、離れない!死ぬまで離さないわ!」


 「勉、どうにかしろって、お前の母ちゃんだろ?」

 このままじゃ、肉まんの弾力で圧迫死しまう。


 「今回は公子さんが悪いんだから、諦めて……それにみんな本当に心配したんだからね!」


 「…………。す、すまん……。以後、気をつけます」

 そ、そんなに怒んなよ……。


 「あ~あ。安心したら腹減ったな~。な!勇気!」


 「え……。う、うん!へった!」


 「……そ、そうね。お昼ご飯にしましょう!公子ちゃん!お弁当あるから!私、作ってきたの!みんなであっちで食べよ!」


 「うん」

 いや……。抱っこしなくて良いから……。はぁ、不覚……。人様に迷惑をかけてしまった……。婆ちゃんに殺される。


 ってか……。まだ昼かよ……。もう帰ろうぜ?


 「食後のデザートはこれよ!ジャジャジャ、ジャーン!」


 「スイカ……。お腹いっぱいなんだが……」

 効果音古……。てか。もう、くえんて……。


 「ハハハ……。公子さんは運動神経悪そうだもんね~」


 「は?ふゆき……。バットで頭を割られたいらしいな?よこせ、それ……」

 パカンとしてやろう。


 「いや。本当にしそうで怖い」


 「…………。しねぇわ。私の本気を見せてやる」


 「何だよその間は……。はい。……いった!」


 「天誅。……おっし!やるか!目隠しするからちゃんと案内しろよ!」

 フフフ……。ゴールデンバットキミちゃんの力……見せてやんよ!小僧共!


 …………。確か、グルグル回るんだったよな?何回まわるんだ?とりあえずまわるか……。


 お!なんか、遠心力が良い感じのGを受けて、良い感じにまわるぞ!とても良い感じだ!


 グハハハハハ!面白いなこれ!まわる~よ♪まわる~よ♪キミコはまわる~!グハハハハハ!


 「き、公子ちゃん!?」


 「おぼろろろろろろろろろろ!!!」

 の、飲み過ぎた……。


 「ちょっと!公子さん!トイレで!うわ!くさ!?」


 「き、公子さん!僕が一緒に……。うぐ……。行きます……」


 「いや……。本気でグルグル回りすぎだって……。……ちょっと!俺の海パンでヨダレふかないで!」


 「わ、私はビニール袋で処理しとくわ!大丈夫!公子ちゃんのだもの!素手で行ける!」


 その後……。私には4交代制で監視がつけられ……海での飲酒を禁じられた……。


 そして真夏の海は、ただの灼熱生き地獄と姿を変えたのだった……。まぁ、元々地獄だったけど……。早くお家に帰りたい……。


 そして、信じられない事に……マジで子供達とみるくは……夕方まで遊び、バーベキューを始めやがった……。


 「き、公子さん、どうぞ」


 「あぁ、ありがとう。勇気。お前もいっぱい食べろよ!」

 私が買った訳じゃ無いけど……。


 「はい!ありがとうございます」


 はぁ~。疲れた……。肉うまぁ~。ウィンナーうまぁ~。ビールは……おあずけか……。まぁ、いたしかたなし……。


 「はい……。公子ちゃん……」


 「み、みるく!いいの?飲んでもいいのかい!?」

 うが~!嬉しい!みるくはいいやつだ!


 「飲んだら、もう海に入らないでね……。本当に怖かったんだから……」


 「う……。わ、わかったよ。ごめん……」

 もう……。泣くなって……。ぎゃ~!うんめ!


 「ビールってそんなに美味しいの?俺にもちょっとちょうだい」


 「馬鹿者。まだ早い!子供はジュースだ!」

 そして……。そこにあるビールは全部私のだ!何人たりとも近づけさせん!


 「え~。ケチ」


 「グフフ……。なんとでも言うがいい。これはわたさん……。かぁ~!うめぇ~!」

 これは、1日暑さに耐えた私へのご褒美なのだ!


 「ガキ……うわ!ジュース投げんなって!公子さん、なんとでも言えって言ったじゃん」


 「次言ったら、燃えた炭を投げるからな」

 無礼講であっても、言って良い事と、悪い事があるのだ。


 「公子ちゃん、危ないから駄目よ」


 「でゅっふ。やりそうだから、怖いよね」


 「ししし……。うん」


 お、勇気の笑い声、初めて聞いたかも……。しかし。しししって……。どっかの屋根の下のあんちゃんみたいな笑い方だな……おもしろ……。


 その後はみんなで花火をして、ふゆきを家に送り届けてから帰宅した……。


 「あ、あの……。こ、今晩は……」


 「こ、こんばんわ……」

 勇気の親父……コイツ……。今頃、何しに来た……子供を1週間もほったらかしにしやがって……。


 「あ、お客様?」


 「あ……、僕の……。お父さんです……」


 「……。そう……。悠人、先にお家に入っときましょ……」


 「うん……」


 「す、すいません。お邪魔なのは、わかってたのですが……。今日はお話しがありまして……」


 「…………なんでしょうか?」

 金か?……と思ったが……なんか様子が違うな……。


 今日はスーツを着てるし髭も剃ってる。やっぱり親子だな~。勇気に似てる……。迎えにきたのか?


 「あの……。今日……。仕事を決めてきました」


 「え!お父さん、本当?」


 「あ、あぁ。あれから……。その……。公子さんが置いていってくれたお金で。家の掃除もして、お母さんの遺骨もお寺に預けてきた……」


 ……。そんな有効な使い方してくれたのか……あの示談金……もとい逆身代金。


 「お前がいなくなって……。公子さんに言われて……。やっと私は気付いたんだ……。あぁ、虐待って……暴力だけじゃ無いんだなって……。そして、勇気がいなくなって……さみしかった……」


 「お父さん……」


 「勇気。今までごめんな……。父さん。自分の事ばっかりで……。すぐには信じてもらえないかもしれないけど……。父さんこれからは頑張るから……」


 「うん……」


 「よかったな勇気……。ちゃんと()()()()が、迎えに来てくれて」

 根は真面目……。勇気が言ってた事は本当だったんだな。クソ酒ゴミカスとか言ってゴメン。


 「はい!」


 「あ……。その事なんですけど……。もう少しだけ……。勇気をお願いできませんでしょうか?」


 「え?なんで?」


 「いや、結局……お金使っちゃったので……。ご飯も無いですし、電気ガス水道も……」


 「……」

 コイツ……。まぁ、でも仕方ないか……。無いものはないのだ。挨拶に来ただけでも……。前を向いただけでもヨシとしよう。


 「駄目でしょうか?」


 「はぁ……。ったく……。勇気はどうしたい?」

 そんなん、ことわれんだろ……。


 「え?ぼ、僕?」


 「あぁ、お前だ。お前がどうするか、自分で決めろ……」

 ことわれんが……今の私には他の方法がある。


 「僕は……。家に帰りたい……」


 「勇気。でも、家に帰っても給料日まで、何も無いんだ」


 「でも……。前と変わんないから、良いよ……。公子さんの家は楽しいけど……何か、家の事が……。お父さんの事が気になッちゃって……」


 「勇気……」


 「おし!わかったよ。ちょっと待ってろ」

 グフフ……。あるのだよ。金が……。今の私には金があるのだ。


 皆さん元気ですか~!金があれば!何でも出来る!持ってくぞ~!1万2万3万ダ~!


 まぁ、3万じゃ、滞納分と食費。全然足りんか……。


 「公子ちゃん……。大丈夫?」


 「うん、問題ない……。あ、それ、袋に詰めてもらっていい?もう、いらんだろ?」

 コイツ……。食材余ったら、全部捨てるからな。有効活用だ。


 「うん。丁度捨てようと思ったところ。ちょっと待ってね」


 おし、これでいいだろ……。ったく金持ちめ、何でも買えば良いって思いやがって。

 お金は大切にせんともったいないお化けが出るんだからな!何でも、お金で解決すればいいってもんじゃないんだ!


 「待たせたな……。ほら、当面の生活費と、今日の残り物だ。持ってけ」

 10万あれば、足りるだろ。後は肉と野菜とビールだ。


 ビールはまた買いに行けば良い。だって、私。お金あるんだもの!


 「い、いやいや……。受け取れません……。それに、酒も煙草もやめようかと……」


 「そんなの無理だ。諦めろ。飲み過ぎ、吸い過ぎじゃなきゃ、誰も困らんし、誰も死なん」

 禁酒、禁煙……何度挑戦したことか!


 「ですが……」


 「我慢。我慢。我慢。そんな事しても、真面目にはなれん。無駄な努力だ。そんな努力をするなら、仕事と勇気の為に努力をしろ」

 私は1つの努力さえ困難だ。子育てに、禁煙に禁酒に仕事?無理無理……。リアルに死ぬ。


 「しかし……」


 「やめるかやめんかは好きにしろ。私は疲れたからもう寝る。ほら勇気、さっさと一緒に帰れ。金は月々ちょっとずつ返せば良いから」

 1日外にいたから、もう立ってるだけでも面倒いんだ。


 「公子さん!ありがとう!」


 「必ず。お返しします!ありがとうございます!このご恩は一生忘れません」


 「当たり前だ。ちゃんと返せ。じゃあな……」

 はぁ~。終わった。終わった。勇気め、嬉しそうにしやがって……。


 「公子ちゃん、終わったの?」


 「うん、あれ?勉は?」


 「疲れたから寝るって」


 「そう。私も寝る」

 もう、疲れはてた。


 「駄目よ。お風呂入んないと」


 「今日はもう、いいよ。海につかったし」

 海って塩だし、なんか殺菌効果とかあんだろ。


 「え?でも、体洗わないと……」


 「ほうほう、汚いって言うんだな。わかったよ。みるく。今日は部屋で寝るといい。私は一人で寝る」

 コイツ、毎日来るからな。たまには一人で寝たい。


 「そ、そんなこと言って無いわよ。公子ちゃんが肥だめに落ちたとしても、私は一緒に寝るわ!」


 「…………落ちる前に助けてくれ」

 私はドブにハマる女なのだ。落ちない自信がない。


 「も、もちろん!」


 はぁ~……。疲れた~。ベッド……。気持ちいい……。


 しかし、人間変わる気になれば変わるもんだな……いや……。あそこの家の場合……元に戻ったってだけか……まぁ、勇気も嬉しそうでよかった……よかっ……た。


 ……………………。なんだこれ……。


 なんか体がかゆいぞ……そして、ひりひりするんだが……。


 「公子ちゃん……。ど~したの?お腹すいた?トイレ?一緒に行こうか?」


 「いや、いい……寝とけ」

 ぞれは、友達思い。じゃ無くて、子供扱いじゃ無いのか?


 「は~い」


 クソ……。かゆ……。シャワー浴びよ……。


 ……………………あれ?……。


 書斎の扉が少し開いてるんだが……。。……き、気のせいだ。元々、開いてたんだ……。そ、そんなことよりも風呂だ!


 「ひっひぃぃぃっぃ!」

 いってぇぇ!?これ……日焼けか?全身ヒリヒリするんだが!ぎゃ~!


 「え~ん……痛いよ~……。日焼け止めマジで大事なんだな…………ひっ!?」

 ゴトッって何が落ちた!?やめろって!こういうの!


 ん?あかぎれ傷跡に効く……塗り薬?え?何でお風呂場に?


 「……あ、あの。さくらちゃんなのかなぁ?……ク、クスリ……。ありがろね~」

 寝よう!寝よう!早く寝よう!


 寝ればすぐに朝なのだ!きっとそうなのだ!それでいいのだ!

 西からのぼったお日様が~東に~しず…………ぎゃぁぁぁぁぁあ!


 い、今……。しまったんだが!?……書斎の扉が!ひとりでにしまったんだが!?


 無理無理無理無理無理無理無理無理!!!寝る!寝る!私!寝る寝る寝るね!おやすみ!


 「どうしたの公子ちゃん?」


 「ぎゃ!?な、なんだよ!みるく……。驚かせるなよ!」

 迎えに来たかと思ったわ!


 「あ、ほら、やっぱり痛いでしょ?それ塗ったげようか?ってか、ぬってあげる。むしろぬるわ……フフフ」


 「あ、あぁ……。お願い……」

 むしろって何だよ……。


 はぁ~、しかし今日はコイツ……大活躍だったな……。元々はいい娘なんだろうな……。


 「フフフ……。そう……。よかったわね……。面白いでしょ……?」


 「…………。み、みるくは一人で……。いったい何を!?」

 みるくさん?白目をむいてどうなされたのかしら?誰と喋っているのかしーー


『ーーフフフ……。お薬、効くと良いね……』




 

 ……………………あいたたた!なんだこれ……。


 身体中が痛い……。筋肉痛に日焼けか?うわ、くさ……。塗り薬の匂いか?何で?


 なんか昨日あったような……?


 「公子ちゃん、朝ご飯出来たよ~」


 「わかった!」

 まぁいいか、飯食ってから考えよう!


 だって!夏休みなのだから!パチンコしながら、考える時間はいっぱいあるのだ!


夏休みが始まりました!

これから、夏のイベントが始まりますが……公子さんはどう楽しむのでしょうね?w



ブクマ:評価:コメント等々よろしくお願いします!

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