ひょっこり公子たん島
一応。水着回ですw
「ねぇ、公子さんってオシャレとか興味無いの?」
「はぁ?いきなり何だよふゆき、ビンタでもされたいのか?」
まぁ、興味は無いけど。
「いや、いつも、その、ドラミちゃんみたいな黄色いワンピースきてんじゃん。服とか買いに行かないのかなって?」
「ドラミちゃん!そんなにカワイイもんじゃないだろグフフ……」
何だよ~。ほめるなら先に言えって。
「そこ……。喜ぶところなんだ……」
「お前、やっぱり、私を馬鹿にしてたのか?シバくぞ?」
ドラミちゃん、カワイイだろが!
「いや、似合ってるのは似合ってるけど……。何か、昭和初期の子供みたいだ……いった!」
「警告したのに、馬鹿にしたお前が悪いんだからな。ったく、安くて動きやすいからこれでいいんだよ」
今日はヒマワリ柄。夏も冬もワンピース。冬にはパーカーを上から着ればいいのだ。お腹のポッケには煙草に財布が入る。完璧だ!
「いって~。定規はやめて、マジで痛いわ……」
「ってか、教室行けよ……。ってか。何でお前、私服なんだよ?」
「やっぱり、知らなかったんだね」
「何を?」
「今日から、夏休みだよ?」
「え?」
まじか、直帰してたからしらんかった……。
「家に行っても、パチンコ屋にもいなかったし、寝ぼけて出て行った。って言ってたからここかな~。って」
「行き先をお前に予想されてるのは腹立つが、よく知らせてくれたな、ありがとう。よし!帰ろ!」
うわ~い!パチンコ行こ~!
「実はさみんなが、下で待ってるんだ」
「は?何で?」
「海!行こ!」
「は?嫌だけど?」
海とか夏に行くもんじゃない。涼しくなってきた時に食料を調達するところだ。
「いいから、いいから~」
「いくないわ!おい!荷物のように抱えるな!おい!おろせぇ~!!!」
という訳でやって来ました。真夏の海……。
無駄に輝く太陽!目が痛くなる程にきらめく海!クソ熱い黄金のビーチ!そこにちゃばねるパリピども……。無駄のかたまり……。
「公子ちゃん。水着買ってきたんだけど……。着ないの?公子ちゃんの為に買ってきの……。どう?着ない?ちゃんとサイズ測ったから、サイズはあってるわ!」
「……。いいよ。泳がないし。暑いし。帰りたいし……」
ってか……。いつはかったんだよお前……。
「そ、そう……。じゃ、私も……。ここにいるわ……。お友達は一緒にいなきゃね……」
「…………わかったよ、もう!それかせ!」
勉や勇気やふゆきを羨ましそうに見るんじゃない!ったく……。
「やった!あ!あとね。浮き輪とビーチボール、スイカとバットにあとは、バーベキューセットと花火!これも買ってきの!公子ちゃんと一緒に遊びたくて!」
「まさか……。みるくお前……夜までいるきなのか?」
花火って……。まだ、昼まえなんだが、コイツ私を殺すつもりか?
しかも、これ……。子供用の水着だよな?黄色いヒマワリ柄って……。まぁいいか。タダだし……。
お、以外に悪くないな。そしていい物毎日食ってるからか、肉もついてきたな……。まぁ、みるくのおかげだし、今日1日くらい付き合ってやるか……。
「あ、お帰り!凄く似合ってるわ!お洋服はこのバックに入れてね!これ!膨らませといたから!」
「ありがとう……」
いや!乳でけ~し!足なげ~し!しかも、黒のビキニって!色気やば!
そして、どんだけ遊ぶ気満々なんだよ!イルカの乗るやつに浮き輪にゴムボート!
私が便所で着替えてた時間。10分位だったぞ?
「うわ、公子さん……。水着までドラミちゃんスタイルかよ」
「みるくが買ってきたんだよ……。あれ?勉と勇気は?」
「ジュース買いにいった。戻ってきたら、ビーチボールで遊ぼうって」
「いいわね!ビーチボール!ふゆきくん得意なの?」
「あ、あの……。はい……」
「あぁ……。そうだったな。みるく……上だけでも服きろ、コイツ女が怖いらしいから」
ブリブリぶり子に聞いてたの忘れてたわ。
流石にボインでムッチリ美魔女がおったら怖いよな……。私もだ。怖い通りこして、憎い……。ってあれ?
「そ、そうだったのね。ごめんね。すぐ服着るから……」
「すいません……。ってか何で知ってるの公子さん?」
「ぶり子に聞いた」
そんなことよりも……だ。
「ぶり子……?姫川先生の事?あの人……。勝手に……」
「そんなことはどうでもいいが……。私も水着だぞ?何で普通に話してるんだ?お前」
とりあえず、蹴る準備をしとこうかな。一応聞いただけだし。
「え?だって、公子さんは子……いった!早いって!痛ぇ!」
「一応、聞いてやったのに。お世辞くらい言え馬鹿者」
まぁ、言っても蹴ったけど。
「これで大丈夫かしら?」
「あ、えっと……。はい、大丈夫です」
「何か、エロい……。腹立つな……。ふゆき、コイツはマネキンだと思え」
服着せたけど……。逆にエロくなったな……。まぁ、ふゆきがなれるしかない。
「公子ちゃん。マネキンって酷いわよ!でくのぼうなら良いわよ。昔のお友達が私にあだ名つけてくれたのよ。フフフ」
「酷いでしょ……。その友達……」
「そう?優しかったわよ?お金あげなくなったらいなくってなったけど。でも良いの!今は公子ちゃんがいるから」
「ふゆき……。みるくを怖がるだけ時間の無駄だ。違う意味で怖いがな」
いつも、気付いたらいるのだ……。怖いしビックリする。この前は髪の毛洗って流したら、後ろに立ってた。
「ハハ……。そうだね……。頑張ってなれるよ」
「慣れるって、私はお化けじゃ無いんだから……。あら、お帰り!悠人ありがとう。いくらだった?」
「いや、いいよ。ってか公子さん。それ……ヤバいよ。何狙いなの?」
「公子さん……。あの……。に、似合ってます!」
「何も狙ってねぇわ。勇気を見習え、馬鹿者共」
まったくコイツらは……。4人で笑ってんじゃない!
「じゃ!ビーチバレーやろうぜ!」
「「「お~!」」」
「まじか……」
今日死ぬかもしれん……。
てか……。よくもまぁ、砂浜で走り回れるなコイツら……。ってかみるくお前……。何か超ハイスペックじゃないか?さっきからミス一回もしてないぞ……。
「公子さん……。運動音痴すぎない?」
「公子さん!ファイトです!」
「でゅふ。キックとか叩くのは早いのに……ぎゃ!?もう!跳び蹴りしないでよ」
「うるせ!あ~、疲れた。休憩してくる」
こんな暑い中、玉遊びなんかやってられるか!するなら、クーラーの効いた店で玉遊びするわ!だから私を家に帰せ!
「じゃ、私も!」
「もう……。良いから、子供達と遊んでろよ。私は荷物を……見とくから」
みるくが来ると、休憩にならん。
「そ、そう?じゃ、ちゃんと見ててね。私を!ちゃんと見ててね!頑張るから!私!」
「わかったから、頑張れ……」
荷物って言わなかったっけ?そして何回も言わんでもいいわ……。
「うん!私、頑張るから!だから、ちゃんと私を……きゃ」
「しつこい……」
まったく……。クーラーボックスまで準備してあるとは、恐れ入るぜ。
しかも!ビールがあるじゃん!いいね、いいね!いただきま~す!かぁ~。これこれ!火照った身体に効くね~!
……………………。どうしてこうなった?
暑いから、ちょっと水浴びでもするか。と、みるくの麦わら帽子をパクって、浮き輪の中に入って。波のゆりかごに揺られながら昼寝していたハズなのに……。
めっちゃめちゃ流されとるんやけども……。
あぁ……。浜辺の人間がゴミのようだ。そして、私は海を漂うゴミのようだ……。
これ……。マジでやべぇんじゃね?戻らんとサメに喰われる!うおら!パワフル全開バタ足ジェット~!
「もう無理……」
3分頑張った……全然進まんし疲れた。それに……足がつりそう……。
あ~、どうしよ。波がちゃぷちゃぷ……。なんだっけこれ……。あ!ひょっこりひょうたん島だ!って!おい!そんな事思い出してる場合じゃあない!
ひょっこりキミコたん島になる前に、早く戻らねば!ひょっこり出て来たサメに喰われてしまうかもしれん!まぁ、サメは目が弱点らしいから指を入れれば、何とかなるか……。
海にはカッパはいないし、引きずり込まれんから、まったり救助を待つことにしよう……。
あ……。まぁ、いいか……お風呂じゃなくて海だし……うんこじゃないし……。
ってか。このまま流れたら桜島につくのかな?……。1日?2日?3日。
3日はキツいな~……はよ救助……も……とむ……。
「痛い!痛い!痛い!ほっぺたを叩くのは誰だ!?張り倒すぞ!」
せっかくいい気持ちで寝てたのに!
「あ~ん!公子ちゃん!無事でよかった~!」
「よかったですね、奥さん。お嬢ちゃんも海に入るときは気をつけてね。では、自分はこれで……」
「大丈夫ですか。公子さん?」
「もう、誰かに声をかけてから行ってよ。心配するじゃないか……」
「浮き輪で漂流とか……。公子さんヤベェ……」
「…………?あぁ。そういえば私、流されてたんだったな……。みるく暑いから、いい加減離れろって……もう……」
その、ほっかほかの肉まんを私の顔からはなせ!
「嫌よ!もう、離れない!死ぬまで離さないわ!」
「勉、どうにかしろって、お前の母ちゃんだろ?」
このままじゃ、肉まんの弾力で圧迫死しまう。
「今回は公子さんが悪いんだから、諦めて……それにみんな本当に心配したんだからね!」
「…………。す、すまん……。以後、気をつけます」
そ、そんなに怒んなよ……。
「あ~あ。安心したら腹減ったな~。な!勇気!」
「え……。う、うん!へった!」
「……そ、そうね。お昼ご飯にしましょう!公子ちゃん!お弁当あるから!私、作ってきたの!みんなであっちで食べよ!」
「うん」
いや……。抱っこしなくて良いから……。はぁ、不覚……。人様に迷惑をかけてしまった……。婆ちゃんに殺される。
ってか……。まだ昼かよ……。もう帰ろうぜ?
「食後のデザートはこれよ!ジャジャジャ、ジャーン!」
「スイカ……。お腹いっぱいなんだが……」
効果音古……。てか。もう、くえんて……。
「ハハハ……。公子さんは運動神経悪そうだもんね~」
「は?ふゆき……。バットで頭を割られたいらしいな?よこせ、それ……」
パカンとしてやろう。
「いや。本当にしそうで怖い」
「…………。しねぇわ。私の本気を見せてやる」
「何だよその間は……。はい。……いった!」
「天誅。……おっし!やるか!目隠しするからちゃんと案内しろよ!」
フフフ……。ゴールデンバットキミちゃんの力……見せてやんよ!小僧共!
…………。確か、グルグル回るんだったよな?何回まわるんだ?とりあえずまわるか……。
お!なんか、遠心力が良い感じのGを受けて、良い感じにまわるぞ!とても良い感じだ!
グハハハハハ!面白いなこれ!まわる~よ♪まわる~よ♪キミコはまわる~!グハハハハハ!
「き、公子ちゃん!?」
「おぼろろろろろろろろろろ!!!」
の、飲み過ぎた……。
「ちょっと!公子さん!トイレで!うわ!くさ!?」
「き、公子さん!僕が一緒に……。うぐ……。行きます……」
「いや……。本気でグルグル回りすぎだって……。……ちょっと!俺の海パンでヨダレふかないで!」
「わ、私はビニール袋で処理しとくわ!大丈夫!公子ちゃんのだもの!素手で行ける!」
その後……。私には4交代制で監視がつけられ……海での飲酒を禁じられた……。
そして真夏の海は、ただの灼熱生き地獄と姿を変えたのだった……。まぁ、元々地獄だったけど……。早くお家に帰りたい……。
そして、信じられない事に……マジで子供達とみるくは……夕方まで遊び、バーベキューを始めやがった……。
「き、公子さん、どうぞ」
「あぁ、ありがとう。勇気。お前もいっぱい食べろよ!」
私が買った訳じゃ無いけど……。
「はい!ありがとうございます」
はぁ~。疲れた……。肉うまぁ~。ウィンナーうまぁ~。ビールは……おあずけか……。まぁ、いたしかたなし……。
「はい……。公子ちゃん……」
「み、みるく!いいの?飲んでもいいのかい!?」
うが~!嬉しい!みるくはいいやつだ!
「飲んだら、もう海に入らないでね……。本当に怖かったんだから……」
「う……。わ、わかったよ。ごめん……」
もう……。泣くなって……。ぎゃ~!うんめ!
「ビールってそんなに美味しいの?俺にもちょっとちょうだい」
「馬鹿者。まだ早い!子供はジュースだ!」
そして……。そこにあるビールは全部私のだ!何人たりとも近づけさせん!
「え~。ケチ」
「グフフ……。なんとでも言うがいい。これはわたさん……。かぁ~!うめぇ~!」
これは、1日暑さに耐えた私へのご褒美なのだ!
「ガキ……うわ!ジュース投げんなって!公子さん、なんとでも言えって言ったじゃん」
「次言ったら、燃えた炭を投げるからな」
無礼講であっても、言って良い事と、悪い事があるのだ。
「公子ちゃん、危ないから駄目よ」
「でゅっふ。やりそうだから、怖いよね」
「ししし……。うん」
お、勇気の笑い声、初めて聞いたかも……。しかし。しししって……。どっかの屋根の下のあんちゃんみたいな笑い方だな……おもしろ……。
その後はみんなで花火をして、ふゆきを家に送り届けてから帰宅した……。
「あ、あの……。こ、今晩は……」
「こ、こんばんわ……」
勇気の親父……コイツ……。今頃、何しに来た……子供を1週間もほったらかしにしやがって……。
「あ、お客様?」
「あ……、僕の……。お父さんです……」
「……。そう……。悠人、先にお家に入っときましょ……」
「うん……」
「す、すいません。お邪魔なのは、わかってたのですが……。今日はお話しがありまして……」
「…………なんでしょうか?」
金か?……と思ったが……なんか様子が違うな……。
今日はスーツを着てるし髭も剃ってる。やっぱり親子だな~。勇気に似てる……。迎えにきたのか?
「あの……。今日……。仕事を決めてきました」
「え!お父さん、本当?」
「あ、あぁ。あれから……。その……。公子さんが置いていってくれたお金で。家の掃除もして、お母さんの遺骨もお寺に預けてきた……」
……。そんな有効な使い方してくれたのか……あの示談金……もとい逆身代金。
「お前がいなくなって……。公子さんに言われて……。やっと私は気付いたんだ……。あぁ、虐待って……暴力だけじゃ無いんだなって……。そして、勇気がいなくなって……さみしかった……」
「お父さん……」
「勇気。今までごめんな……。父さん。自分の事ばっかりで……。すぐには信じてもらえないかもしれないけど……。父さんこれからは頑張るから……」
「うん……」
「よかったな勇気……。ちゃんとお父さんが、迎えに来てくれて」
根は真面目……。勇気が言ってた事は本当だったんだな。クソ酒ゴミカスとか言ってゴメン。
「はい!」
「あ……。その事なんですけど……。もう少しだけ……。勇気をお願いできませんでしょうか?」
「え?なんで?」
「いや、結局……お金使っちゃったので……。ご飯も無いですし、電気ガス水道も……」
「……」
コイツ……。まぁ、でも仕方ないか……。無いものはないのだ。挨拶に来ただけでも……。前を向いただけでもヨシとしよう。
「駄目でしょうか?」
「はぁ……。ったく……。勇気はどうしたい?」
そんなん、ことわれんだろ……。
「え?ぼ、僕?」
「あぁ、お前だ。お前がどうするか、自分で決めろ……」
ことわれんが……今の私には他の方法がある。
「僕は……。家に帰りたい……」
「勇気。でも、家に帰っても給料日まで、何も無いんだ」
「でも……。前と変わんないから、良いよ……。公子さんの家は楽しいけど……何か、家の事が……。お父さんの事が気になッちゃって……」
「勇気……」
「おし!わかったよ。ちょっと待ってろ」
グフフ……。あるのだよ。金が……。今の私には金があるのだ。
皆さん元気ですか~!金があれば!何でも出来る!持ってくぞ~!1万2万3万ダ~!
まぁ、3万じゃ、滞納分と食費。全然足りんか……。
「公子ちゃん……。大丈夫?」
「うん、問題ない……。あ、それ、袋に詰めてもらっていい?もう、いらんだろ?」
コイツ……。食材余ったら、全部捨てるからな。有効活用だ。
「うん。丁度捨てようと思ったところ。ちょっと待ってね」
おし、これでいいだろ……。ったく金持ちめ、何でも買えば良いって思いやがって。
お金は大切にせんともったいないお化けが出るんだからな!何でも、お金で解決すればいいってもんじゃないんだ!
「待たせたな……。ほら、当面の生活費と、今日の残り物だ。持ってけ」
10万あれば、足りるだろ。後は肉と野菜とビールだ。
ビールはまた買いに行けば良い。だって、私。お金あるんだもの!
「い、いやいや……。受け取れません……。それに、酒も煙草もやめようかと……」
「そんなの無理だ。諦めろ。飲み過ぎ、吸い過ぎじゃなきゃ、誰も困らんし、誰も死なん」
禁酒、禁煙……何度挑戦したことか!
「ですが……」
「我慢。我慢。我慢。そんな事しても、真面目にはなれん。無駄な努力だ。そんな努力をするなら、仕事と勇気の為に努力をしろ」
私は1つの努力さえ困難だ。子育てに、禁煙に禁酒に仕事?無理無理……。リアルに死ぬ。
「しかし……」
「やめるかやめんかは好きにしろ。私は疲れたからもう寝る。ほら勇気、さっさと一緒に帰れ。金は月々ちょっとずつ返せば良いから」
1日外にいたから、もう立ってるだけでも面倒いんだ。
「公子さん!ありがとう!」
「必ず。お返しします!ありがとうございます!このご恩は一生忘れません」
「当たり前だ。ちゃんと返せ。じゃあな……」
はぁ~。終わった。終わった。勇気め、嬉しそうにしやがって……。
「公子ちゃん、終わったの?」
「うん、あれ?勉は?」
「疲れたから寝るって」
「そう。私も寝る」
もう、疲れはてた。
「駄目よ。お風呂入んないと」
「今日はもう、いいよ。海につかったし」
海って塩だし、なんか殺菌効果とかあんだろ。
「え?でも、体洗わないと……」
「ほうほう、汚いって言うんだな。わかったよ。みるく。今日は部屋で寝るといい。私は一人で寝る」
コイツ、毎日来るからな。たまには一人で寝たい。
「そ、そんなこと言って無いわよ。公子ちゃんが肥だめに落ちたとしても、私は一緒に寝るわ!」
「…………落ちる前に助けてくれ」
私はドブにハマる女なのだ。落ちない自信がない。
「も、もちろん!」
はぁ~……。疲れた~。ベッド……。気持ちいい……。
しかし、人間変わる気になれば変わるもんだな……いや……。あそこの家の場合……元に戻ったってだけか……まぁ、勇気も嬉しそうでよかった……よかっ……た。
……………………。なんだこれ……。
なんか体がかゆいぞ……そして、ひりひりするんだが……。
「公子ちゃん……。ど~したの?お腹すいた?トイレ?一緒に行こうか?」
「いや、いい……寝とけ」
ぞれは、友達思い。じゃ無くて、子供扱いじゃ無いのか?
「は~い」
クソ……。かゆ……。シャワー浴びよ……。
……………………あれ?……。
書斎の扉が少し開いてるんだが……。。……き、気のせいだ。元々、開いてたんだ……。そ、そんなことよりも風呂だ!
「ひっひぃぃぃっぃ!」
いってぇぇ!?これ……日焼けか?全身ヒリヒリするんだが!ぎゃ~!
「え~ん……痛いよ~……。日焼け止めマジで大事なんだな…………ひっ!?」
ゴトッって何が落ちた!?やめろって!こういうの!
ん?あかぎれ傷跡に効く……塗り薬?え?何でお風呂場に?
「……あ、あの。さくらちゃんなのかなぁ?……ク、クスリ……。ありがろね~」
寝よう!寝よう!早く寝よう!
寝ればすぐに朝なのだ!きっとそうなのだ!それでいいのだ!
西からのぼったお日様が~東に~しず…………ぎゃぁぁぁぁぁあ!
い、今……。しまったんだが!?……書斎の扉が!ひとりでにしまったんだが!?
無理無理無理無理無理無理無理無理!!!寝る!寝る!私!寝る寝る寝るね!おやすみ!
「どうしたの公子ちゃん?」
「ぎゃ!?な、なんだよ!みるく……。驚かせるなよ!」
迎えに来たかと思ったわ!
「あ、ほら、やっぱり痛いでしょ?それ塗ったげようか?ってか、ぬってあげる。むしろぬるわ……フフフ」
「あ、あぁ……。お願い……」
むしろって何だよ……。
はぁ~、しかし今日はコイツ……大活躍だったな……。元々はいい娘なんだろうな……。
「フフフ……。そう……。よかったわね……。面白いでしょ……?」
「…………。み、みるくは一人で……。いったい何を!?」
みるくさん?白目をむいてどうなされたのかしら?誰と喋っているのかしーー
『ーーフフフ……。お薬、効くと良いね……』
……………………あいたたた!なんだこれ……。
身体中が痛い……。筋肉痛に日焼けか?うわ、くさ……。塗り薬の匂いか?何で?
なんか昨日あったような……?
「公子ちゃん、朝ご飯出来たよ~」
「わかった!」
まぁいいか、飯食ってから考えよう!
だって!夏休みなのだから!パチンコしながら、考える時間はいっぱいあるのだ!
夏休みが始まりました!
これから、夏のイベントが始まりますが……公子さんはどう楽しむのでしょうね?w
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