キミコハザード
みんな自由ですw
「おい!?ふざけんな!暗号機上げるタイミング下手かよ!がっ!だっる!」
絶対に判定がおかしいぞ?第6人格!あ~。イライラする~……。
『暗号機のタイミング下手かよ!』
おし、これで、おk……。このチャットは煽りでも悪口でも、何でも無い。正論だ。
人の行動をよく見て。冷静に行動して。みんなと一緒に楽しく頑張ろうね!という意味なのだからな。
『は?まともにチェイスしてから言え』
「はぁ!?コイツ殺す!」
文章解読能力が無いヤツは、小学校からやり直せ!馬鹿め!
昨日。勉が帰ったあと……。たつえさんが泣きながら部屋を……。あの書斎を掃除していた。あの輪っかのついたロープも……染みも……もう無い。それはいい……。いいんだが……。
「お嬢様、お飲み物は?」
「おトイレは?」 「身体拭きましょうか?」 「おやつですよ」 「お着替えしましょうか?」 「ひとりで寝れますか?」「お嬢様?」……「お嬢様?」……と。
たつえさんが。1時間おきに部屋に来るようになってしまった。依存対象が自戒から……私にシフトしてしまったのだ。
さっきやっと、じいさんがパチンコに連れて行った……。ニコニコと嬉しそうに……。
私も行きたかったが今日は昼過ぎに、勉が母親を連れて来る。
「会いたくない。知らない人怖い。部屋から出たくないし。ぶっちゃけ人と話したくない。お土産無いなら。チャリンコ置いて。早よ帰れ」
昨日。勉にお礼なんていいのよ。と丁寧に断ったはずなのだが……。夜にじいさんを通して、谷川母が電話してきやがったのだ。
「明日。谷川くんの所のお母さんが、お礼と謝罪に来られるそうです。……何か、有名所のプリンをお持ちするそうですよ?」
「そ、そうですか……」
勉め!余計な知恵をつけよって!……逃げようかな?そう思った……。
しかし……。だがしかし……だ。プリンに罪はないのではなかろうか?ちゃんとお土産を持ってくるヤツに……悪いヤツはいないんじゃあなかろうか?もしかしたら……いいヤツかも知れないんじゃあなかろうか?
谷川親父はゴミだが……。奥さんもまぁまぁ、金は持っているんではなかろうか?彼女はいったい……どこのプリンを買ってくるのであろうか?コンビニか。ドンキか。それとも老舗のものか……。
とうとうと考えて。とうとう私はプリンを食べたいと思った……。コンビニのじゃあないプリンを……。 著:さくらきみこ
熟考に熟考を重ね。じゅくじゅくの私の脳みそが導き出した答えは……。山形屋の高級プリンが食べたい!だった。
そして、谷川母がもうすぐやってくる……。来るのだが……。家主が二人ともパチンコに行ってしまった家には、私いがい誰もおらず。
私はリビングのソファーで横になりながら、コーヒーを飲み。ゲームを楽しみ。そして顔も知らない誰かにイライラしているのだった。
「ごめんくださ~い……。あ、お嬢さん。こんにちは……。あの……谷川です。公子さんはいらっしゃいますか?」
「ぎゃは!?」
おい!何で家の中にいるんだこの人!この家は鍵がかかるお家だろ?鍵をかけないのがブームになってるのか?
「公子さん。こんにちは……。これ……プリン」
「あぁ……ありがとう……ございます」
勉と母か、チャットにムカつき過ぎて、来るの忘れてたわ……。
しかし、奥さんよアンタが驚いてどうする?何か?森山さんちのさくらちゃんだとでも思ったのか?シバくぞ!
「あ、あの……すいません。私てっきり……。あの……。私は谷川めぐみと言います……。息子を助けて頂き誠にありがとうございました。そして……夫が失礼な事を……」
「い、いえ……。失礼な事を言ったのは私だったと思うので……。お気になさらず……。で。なぜ家の中へ?」
「あ、先ほど電話があって森山さんから……。娘が家にいるので鍵は開けておきます。と言われたので……。あと、お茶等もご自由にどうぞと……」
「そ、そうですか……」
強盗とかだったら、どうすんだ!じじい!
「あの……。お台所をお借りしてもよろしいでしょうか?その。お手が不自由みたいなので……お茶と……。あと、お昼の準備を……頼まれ……ました」
「あ……。何か、すいません。ご自由にどうぞ……」
じいさん……。そこまで嫁とパチンコしたかったか……。まぁ、わからんでも無いが……しかし……。まぁ、いいか、じいさんの家だし……。
「では、お台所……失礼しますね」
「はい……。おい。勉……お前の母ちゃん美人すぎんか?いくつだよ?」
「38、なんで、ひそひそ話すんだよ」
「癖だ気にするな……。やば……。あれが美魔女ってヤツか?何かツヤツヤしてて。エロいな……」
髪の毛もサラサラでボンキュッボンだ……。私のガサガサ唇と違って、唇がプルンとしてる。
「公子さん、おっさんみたいだよ。いった!だから、叩かないでよ」
「は?女の人におっさんって言っといて、なぜ叩かれないと思った?口撃も立派な攻撃だ。そして、やられたらやり返す。これは常識だ。覚えとけ……。で。早く開けろこれ。」
プリン……。大正解だ……。高いヤツだ。
「もう。ちょっと待ってて、スプーン取ってくる。お母さんスプーンちょうだい」
「はい。ご飯前だけど、大丈夫?」
「うん。プリンだし」
はぁ~、何か大きい台所が似合うな……。羨ましい……。……おし、スプーン来たしプリンをいただこかいね。
…………。ご飯一緒に食べていくんだ……。
「……」
「……」
「………………」
きまじぃ~。ご飯は美味しいけども。
「公子さん。今日は静かだね……」
「そ、そうかしら?」
勉……。人間には裏表があるのだ……。黙ってろ。そして食ったらさっさと帰れ。
「いつもは、公子さん。どんななの?」
「あ~。なんか、ヤンキー?」
「こらこら……谷川くん。変なこと言わないのよ~」
じゃないと、私の持ってるフォークが血を吹くぞ。
「今日は、謝る。ってのも、そうだったんだけどさ……。公子さんに、お母さんの友達になってあげて欲しくて」
「はぁ?」
何だそれ?あわれみか?おい。ボッチ舐めんなよ!勉!お前もこの前までボッチだったろが!……。あれ?これ……因果応報か?報復か?仕返しか!?実は、勉……。お前、友達いらなかったのか!?
「ゆ、悠人。いきなり何を言ってるの……。いきなりそんなこと言われても……。公子さんが困るわよ……」
「は、はぁ……」
いや、奥さん。まんざらでもないんかい!チラチラ見るんじゃない!そしてジッと見るな!
「僕、高校出たら家出るっていったろ?そしたら母さん家で独りになちゃうんだ……」
「ゆ、悠人……。あなた……。そんな事……」
「…………」
おいおい、やめろ……この空気……。良くない。
「公子さんなら、大丈夫だって。お母さんと仲良く……ってかお母さんを引っ張っていってくれると思って……」
「ひっぱってくって……」
私はレッカー車じゃない。ミニカーなのだぞ。
「あんな親父と一緒にずっと家にいたら……お母さんが可愛そうだ……。僕は嫌だ……」
「悠人。いい加減にしなさい。私の事はいいから……。悠人は悠人の事だけ考えなさい」
「無理だって……。離婚もしないし……。離婚するなら僕も一緒について行く……でも。離婚出来ないのも、俺のせいでしょう?お金かかるから……」
「悠人……。あなた……人様の前で………………悠人のせいじゃないの……。お母さんが怖いだけなの……」
「……」
おい、奥さんよ。その話しは、人様の前で……………………のところで終わらせる話しだ……。チラッとこっちの様子を見て話し始めるな!
「でも……。心配……。だから公子さん……。駄目かな?」
「はぁ……勉……。駄目だ……。みるくさんだっけ?」
「めぐみです……」
「そう……。あのね。めぐみるくさん。人に話しを聞いて欲しい時は堂々と恥をさらすもんだ、本音をね……」
「!……。すいません」
「そして。勉。離婚したとして。一緒にお前がついてって何になる?一銭の金にもならん……。やくにたたん金食い虫を誰が連れて行くと思うんだ?馬鹿者」
「そんな言い方……。そんなのわかってるよ……だから公子さんに……」
「あのな……。私に何のとくがあるんだ?それ?私の一番嫌いな言葉は、募金とボランティアと赤い羽根だ」
逆に私に募金して、ボランティアして、赤い羽根をよこせと思う……。毎日、キャベツなのだから。
まぁ、勝ったときに募金は時々するが……。金持ちの娯楽や自己欲求を満たす為に、難民や子供を使うな……。と思う。まぁ、助かってる人間がいるのは事実だけど。
「お金……が欲しいの?お母さん持ってるよ。あそこの医院長は、お母さんのお父さんだし……」
「え?そうなの?」
お金持ちのお嬢様か!みるく!
「はい……。あの……。子供の前でこういう事を言うのはアレだったんですが……。その、旦那とは会話も夜の方も……もう無いですし……。生活には、全然……。困らないんです……。でも、この子がその……夫から馬鹿にされるのが可哀想で……でも、私独りじゃこの子を高校にさえ行かせてあげられないし……」
「そんなの。金盗って家出すりゃいいじゃん?」
金があるなら、あの七三が困るだけで他には、誰も困らん。
「家出……ですか?」
「うん。1000万あれば高校出るまでなら、何とかなるんじゃない?」
知らんけど。私は生活費だけなら1年で100万かからんからな。本当に知らん。
「1000万……たった。それだけで?」
「おい!勉!私を抑えろ!フォークがみるくに飛びそうだ!」
たった。って!おい!コイツ!目を覚まさせてや……お、勉偉いぞ。いい動きだ。危ない危ない。猟奇的な公子さんが出てくるところだった。
「公子さん。本当にやりそうだから怖いんだよ……」
「ほう……。良くわかって来たじゃないか。私はやるぞ。グフフ」
「いや、笑い方怖いから……。いった!何で叩くんだよ」
「失礼な事を言うからだ。そしていつまで抱きついてるんだ。エロ小僧」
まったく……。揉むところなんて全くないが。一応これでも女だ……。相手が子供と言えども大人として、一閃を引いてやるべきだろう。
「え!エロって!公子さんが止めろ。って言ったんだろ!?それに……もっと、ちゃんと食べた方がいいよ?ガリガリ……いった!」
「食えなくても食えない者の恨み辛み憎しみキックだ。覚えておけ」
募金してるヤツって自分でどんくらい募金してんだろ?あぁ~可哀想。って思いながら、ワイン飲んで、牛食ってんだろな。
「なんだよそれ……。まったく……」
「フフフ……。家では静かなのに……公子さんといるとこんなに明るいのね悠人」
「こ、これは……公子さんが悪い……嘘。嘘!ごめん!フォークおろして!」
「フフフ……。公子さん……。私、決めました!家出してみます!どうすればいいかわかりませんが……。やってみます!」
「お母さん!」
「何だか、悠人の元気な姿を見てたら。頑張らなきゃ!って思えたわ!ありがとう公子さん!」
「いえいえ……。私は何も……」
だから、お家のことは、お家でやって、早く帰ろうか。私は、早くパチンコに行きたいのだ!クソじいさんめ!ニコニコしながら、申し訳無さそうにして行きやがって!
「あの……。その……。これからも悠人と仲良くしてあげて下さいね……。あとそれから、私……お友達と呼べる方がいなくて……。よければ私とも……お友達になーー」
「ーー考えておきまーー」
「ーーこれ!あの!今回の迷惑料です……。こういうお礼の仕方は……。失礼かと思ったのですが……。」
「………………。いやいや……。これはこれは、ご丁寧にどうも……」
あれ……10万位の厚みがあるぞ……。やば……。…………おい。はなしなさい。くれるんだろこれ?……その手をはなしなさい!こら!破れるだろうが!はなせ!
「わ、私とも、お友達に……」
「も、もちろん……。よ、よろしくお願いしま……ぎゃ!」
急に離すな。馬鹿者!ひっくり返ちゃっただろがい!いった~!こぶがまだ治って無いんだって。
「でゅっふ……。公子さん何やってんだよまったく……。大丈夫?」
「ご、ごめんなさい。公子ちゃん!お部屋まで運ぶわね」
「あ……どうも……」
たく……。嬉しそうに笑いおってからに……。笑顔がそっくりだ……。笑い方は似てないが……。
しかし、みるく……ボンボンのお嬢様かと思ったが、こいつ以外とくせ者だな……金の使い方を知っておるわ……。そして既にちゃん呼び……。
「それじゃ。僕たち帰るね。また、来るよ」
「わ、私もまた……。プリンかケーキどっちがいいかしら?」
「…………。イチゴのケーキ」
チョコ苦手なんだ。板チョコ食うと鼻血が出る。
「わ、わかった!今度はケーキ買ってくるわ……それじゃ……。また……明日……」
「またね公子さん!」
「…………」
みるく……。また明日って、言わなかったか?まぁ、気のせいだろ……。おっしゃっ!10万ゲット!この前のと合わせて12万あるぞ!
いっこう♪いっこう♪パチンコへ~♪ならそ♪ならそ♪確定音♪キュキュ♪キュキュ♪キュキュ♪キュキュ♪キュキュ♪キュキュキュイーン♪みんなで鳴らそうパトランプ♪イエイ!
と言うわけでやって来ました。なかなか勝てない、いつものお店!今日はなんだか、負ける気がしねぇぜ!
「おや、公子さん。話しは終わったんですか?あ、たっちゃん箱おろしてあげるよ」
「あ、ありがとう。たもちゃん……。お嬢様!最近の台は音も画面も凄いですね~。ビックリしちゃいました」
「そうですか……」
いやいや……。こっちがビビるって……。二人で22箱?何事?この店。隠しイベントねぇよ?回収イベントしか……。1パチしか客いねえし……。4パチ釘ゴミだし。
しかも。たっちゃんに、たもちゃんって……。グフフ……楽しそうにしやがって。さて……私も楽しも!
これは、どうした事だ……?眉毛……どうした?オーラ湯気だったろ?え?5600枚……。やば……。
さて……。今回は何が起きる……。1万や2万勝ちの時は、うんこ踏む位だが……。前回大勝ちした時はドブに落ちて骨折したな……。前々回はバイクにひかれた……。その前は何だっけ……。あぁ、アイツが来なくなったんだ。あの時は開店から閉店までで、ゴットを5回引いた。
数年に一回大勝ちするが……。これは不幸が起こる前の前金……準備金だ。慰謝料だ。
警戒しながら帰らねば……。襲われねぇよな……。家!は私のじゃないから空き巣が入っても問題ないか……。火事?いや……違うか……。先にじいさん達帰ったしな……。
「お帰りなさい……お嬢様……。どう……?似合うかしら?」
「お帰り。公子さん……。でゅっふ。どうしたの?固まって」
「じいさん達は?」
みるく……。勉……。何故ここに……。
「森山さんと、奥様は再婚されるとかで、ハネムーンに……。住むところや学校のことを相談したら……。それならここで働きませんか?と……いってくれまして……。その……。公子ちゃんのお友達なら大歓迎です。と言ってくれて……。私……即決しました」
「僕も一緒に来たから。よろしくね。公子さん。やっぱり。公子さんに相談して良かったろ?」
「そうね悠人……。公子ちゃんは私達の救世主様ね。ふふふ」
「ぎゃふん……」
自業自得。因果応報。自分の仕出かした事のツケは、自分に回ってくる……。
私のしたことで。じいさん達は前を向き再び歩き出した。みるくや勉達は、新たな一歩を踏み出した……。私は……。他人と気を使いながら暮らすようになった……。私だけ何か違う……。
「こ、これ……。買って来たんだけど……食べない?イチゴのケーキ……」
「ま、まあるいの!」
「でゅっふ……。驚きすぎだって……いった!」
「おい、昼覚えとけって言ったろ……。恨み辛み憎しみキック。罰としてお前がケーキの準備をしろ」
え~。ホールのケーキとか何年ぶりだろう?アイツが買ってきたのが最後だから……。11年!まぁ、誕生日なんかあってもない様なもんだし。独りじゃ食い切らん。
ってか、あれ?アレって誕生日以外でも食べていいのかな?まあるいのだけど……。
「何で俺が……うわ!わかったってば!まったくもう……お母さんそれ、貸して……」
「はい。…………あの、本当にありがとう……。公子ちゃん……私……。凄く……」
「今から、ケーキだ。美味しい物を食べるのだから、泣くな。女はトイレで独り泣くのだ。ばぁちゃんが言ってた」
不幸話しも感謝もいらん、私はみるくと眉毛の救世主に合計20万の慰謝料を貰ったのだ……。
「うん。格好いいお婆さんね。公子ちゃんみたい」
「だっは!似てるとか言ったら。ばぁちゃんに殺されるわ!」
ばぁちゃんは正義の人だった。
生きてたら今の私は殺されてる。マジで……。
まぁ、友達のいない。金持ちの友達……。本当に欲しかったかと言えば。そうでも無いけど……私が飽きられるまでは、一緒に遊んでもいいかな……。
公子さんにお友達?が出来ましたねw
さて、次回は誰から行こうかな……。
迷い中w
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