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神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました  作者: 下菊みこと


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お互いを独占する

兄様がある日、女の子の教徒に優しく手を差し伸べた。


廊下掃除中にドジをして転んでしまったらしい、可愛らしい女の子。


兄様の手を取るその子の顔は、明らかに恋する乙女の顔で。


兄様はその子を助け起こすとその場から去ろうとしたが、そうは問屋がおろさない。


「兄様!」


「あれ、キュー。どうしたの」


慌てた様子で駆けつける私を兄様は驚いた表情で見つめる。


が、無視して兄様と無理矢理腕を組む。


兄様は特に抵抗しない。


「キュー、兄様とお散歩したい」


「え」


「このままでお散歩したい!」


まあつまりは仲の良さを他の教徒たちにアピールに行きたいということ。


涙目で兄様を見つめれば、合点がいったようで兄様は歩き出す。


「いいよ、お寺の中を練り歩こうか」


「うん」


「このくらいでヤキモチを妬くなんて、キューは可愛いね」


兄様は何故か勝ち誇った顔でそう言うけれど、兄様も大概だと思う。


だって、私が男の子の教徒から可愛いお人形をプレゼントされた時とかめちゃくちゃぶすくれてたし。


むっとしてる兄様に気付いた教徒がひたすら邪な念はないと言い訳して平謝りしていたのは記憶に新しい。


こう考えてみると、私たちは婚約してからというものお互いを独占するようになったと思う。


じゃあ窮屈かというとそんなことは全くなくて、むしろ私のことで焦ったりヤキモチを妬く兄様をみると満たされる。兄様の方も多分同じ気持ち。


「ねえ、キュー」


「なに?兄様」


「こうしていると、キューはオレのだって自慢してるみたいで楽しいね」


「キューも同じ気持ち」


お寺にいる教徒たちに見せつけるように腕を組んで練り歩いていたら、ヤキモチは治った。


今はただただ満たされた気持ち。


けれど、さすがに邪魔できない時間もある。


お仕事の時間だ。

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