目が覚めてほっとした
キューがクリンゲに襲われた。
寺の内部で閃光と激しい爆発音が確認された。
そして青い顔をした教徒がキューケン様が、と言った時点でオレは走った。
キューはボディーガードに庇われていたが頭から血を流していた。
ボディーガードの方はもっと酷くて、着物の上からでもただ事ではないと分かるほど血まみれで。
「キュー!」
とりあえず、頭を打ったなら下手に動かせない。
そこに医学を学んだ経験のある教徒が複数人呼ばれて色々確認、他の教徒に指示を出してキューは担架で運ばれた。
ボディーガードの彼も同じく運ばれた。
それぞれボディーガードの彼とキューの治療にあたり、結局その日の夜が明けた頃に処置が終わった。
オレは邪魔にしかならないのでそばに居られず、かと言って寝れるわけもなくただひたすらキューの部屋のドアの横でうずくまっていた。
「ゴッドリープ様」
「…っ、キューは!?」
「幸い、今のところ命に別状はありません」
「今のところ?」
「頭を打っていますので、確実なことは…」
怖い。
キューを失うのが怖い。
「ただ、今はとりあえず安定していますのでお側にいて差し上げてください」
「うん、わかったよ…」
その後はキューの側に居続けた。
キューが起きなくて、点滴で色々入れてても女性の教徒がキューのお世話をしている時も離れなかった。
時々気絶するように寝ては、オレが目覚めてもなお起きないキューに焦る。
が、そんなことを繰り返していたらやっとキューが目を覚ました。
その後はクソギツネがキューを癒してくれてなんとかなった。
「さすがに、クソギツネも疲れるだろうしボディーガードの彼まで癒せとは言えないし…」
パンがゆを食べて、トイレと風呂だけ済ませて再び横になったキュー。
今日までは女性の教徒が世話をしていたと知ると慌てていたのが可愛かったが、すごく可哀想だった。それはシモの世話までされると恥ずかしいよね。
目覚める前の意識を飛ばしていた時とは違い、今は穏やかな表情で寝ているので一安心。
「あ、そういえば犯人探しを忘れていた」
まあ、検討はついている。
十中八九クリンゲだろう。
クリンゲはオレに複雑な感情を向け、キューに嫉妬していた。
これからそれを少しずつ癒して自立させようと思っていたのだが甘かった。
完全に、行くあてがないからとあれを寺に受け入れたオレが悪かった。
「ごめんね、キュー」
嫌な思いをさせた。
クマをあげたあの二人が自立の目処が立って、寺の決まりだからと出て行くしかない二人が仕方なく後継にと推薦したボディーガードとも上手くやっていたキュー。
きっと今の彼を見たら傷つくだろうから、落ち着くまでは会わせられないな。
「…クリンゲは今頃どうなってるかな」
この寺は特殊だ。
天主兼神の子のオレから見ても。
だから…きっと捕まっていたらただでは済まないだろう。
けれど、オレがそれを止めてやる義理はない。
きっと捕まっているだろうけれど、ご愁傷様という奴だ。
「まあ、いずれは嫌でもオレの耳には入ってくるだろう」
その時、キューには聞かせないように気をつけないとね。




