表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/107

私的には不満はないです

「キュー、ごめんね」


兄様がある日、お寺を半日空けた。


帰ってきたと思ったら謝られた。


「なにが?」


「実は、今日…キューの親御さんに挨拶に行ったんだ」


きょとんとする。


胸に手を当てる。


あの日泣き喚いて以降、もう胸の痛みはほとんどない。


今も、特別感じるものはなかった。


「そっか」


「勝手なことをしてごめんね」


そりゃあまあ、いつのまに全部調べ上げたのかとか。


なぜ一言でも言ってくれないのかとか。


思うところはまああるけれど。


「私的には不満はないです」


「そう?」


「一応挨拶は大事」


あの人たちにそんなものいるかどうかは置いておいて。


兄様は律儀だから、娘さんは預かってます元気ですくらいは言っておかないと心配だったんだろう。


そんな人が良い兄様も好き。


「あ」


「ん?」


「弟は元気だった?」


問えば微笑まれた。


「残念ながら直接きちんと挨拶はしていないけれど、乳母に連れられて庭で日向ぼっこしている姿は帰りにちらっと見たよ。健康そうだった」


ほっとする。


ここにきてから幸せいっぱいで、兄様のことばかりだったけど。


心配してないわけではなかったから。


「弟くんは、キューの弟であるならオレの義弟同然だからよろしくお願いしますねって言っておいたから大丈夫」


「ありがとう」


「いいんだよ」


両親は弟は愛していたので大丈夫だと思うけど、今では規模の大きいらしいパラディース教の天主たる兄様がそう言ってくれれば間違いも起きるまい。


兄様はやっぱり、パーフェクト兄様ムーブがとても上手だ。


「そうそう、キューにお土産だよ」


「え、なあに?」


「キューの大好きなメロンパン」


いつだかお目付役の彼に買ってもらったそれ。


残念ながら私が昼まで寝過ごしたので、消費期限一日のそれは彼のお腹に消えたが。


兄様は同じものを買ってきてくれたらしい。


「ありがとう。これ美味しくてとてもお気に入り」


「そっか。寄って良かったよ」


「兄様も一緒に食べよう」


「いいのかい?」


「うん!」


でもそうか。


弟が元気にしているなら良かった。


もう一つ気がかりは。


「ねえ兄様」


「うん」


「私の乳母だった人って、元気かな」


聞けば、兄様は困った顔をした。


でもその後少し困ったまま笑って言った。


「少なくとも身体の方は元気そうにしているらしいよ。精神面までは保証できないけど。でもその人ってキューを捨てた人だよね。気にしなくていいよ」


兄様が気にしなくていいというので、それ以上突っ込むことはしない。


元気らしいし。


精神的に云々というと、やっぱり罪悪感でも持って暮らしてるんだろうか。


あれほど別れ際慰めたというのに。


いつか立ち直ってほしいな。


「それよりほら、キューおいで。メロンパン食べよう」


「うん」


二人でもしゃもしゃ食べる。


やっぱりここのメロンパンは、いつ食べても美味しかった。

仕返ししたことは言わない兄様なのでした。


高評価、ブックマークなどいつもありがとうございます!とても励みになっております!完結まで途切れず投稿できるよう頑張りますね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ちょっと乳母さんが可哀想と思ってしまった。 命令したのは実の親だし、乳母さんが雇い主に対して逆らう事は出来なかったから。 しかも乳母さんの方が罪悪感半端ない感じで… 直接手に下す人と、…
[一言] ある意味、乳母が一番貧乏くじだったような… 命令だから逆らえず、バブバブ期は一番愛情かけてくれて、それだけに引かれて、捨てられてヒロインは傷ついたけど乳母の罪悪感も大きくて。 彼女が救われる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ