同じ色の少女
我がパラディース教は、神の子たるゴッドリープさまのご加護の元で成り立っている。
パラディース教の教徒の大半は、スラム街の棄民だ。
炊き出しなどを行う教徒たちの誘いで、新たな教徒が集まる。
パラディース教の規模はどんどん増えている。
が、パラディース教の総本山に立ち入れるのはごく僅かな信者だけ。
「ゴッドリープさまは、自立してこそヒトというものとおっしゃっているからな」
総本山では棄民の保護をしていて、自立出来るまで徹底的にサポートが行われる。
俺も、そろそろ自立できそうで今総本山を降りて街で暮らす準備中だ。
そして今日、自立出来そうな仲間たちとともに街に降りた帰りに出会った。
ゴッドリープ様と同じ色を持つ少女に!
「きっとこれは、運命だったのだ」
そう口走る俺に、仲間たちも頷く。
キューケンさまは俺の背中で眠っていて聞いていない。
ともかく、我らが天主さま…神の子ゴッドリープさまは烏の濡れ羽色の長い髪、そして右目は珍しいアースアイで、左目は紫色だ。
対してこの少女は烏の濡れ羽色の短い髪、左目は珍しいアースアイで右目は黄金色。
これはきっと、なにかの思し召しに違いない!
「しかもキューケンさまは、入信するご予定だったとか。これを運命と呼ばずしてなんと呼ぶ!」
俺の叫びに、仲間たちはそうだそうだと口を揃えて叫び出す。
「いかんいかん、盛り上がるのはいいがキューケンさまはお疲れだ。起こしてしまうのは忍びない」
仲間の一人の言葉に、俺たちは黙る。
幸いキューケンさまはまだ眠っていらっしゃる。
「…よかった」
「では、キューケンさまを安全にパラディース教へと送り届けよう」
「おう!」
そしてキューケンさまをパラディース教の屋敷にお迎えした。
事情を知らないで出迎えにきてくれたみんながキューケンさまを見て〝髪の色がゴッドリープさまと同じだ〟と騒いだので目の色も似ていると言えばもうお祭り騒ぎになり、結局はキューケンさまを起こしてしまう形になった。
そして起きたキューケンさまの目を見て、みんなますます大騒ぎになったのだからキューケンさまの困惑も仕方がなかったように思う。




