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神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました  作者: 下菊みこと


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兄様の秘密を知った

彼は結局、下山してメロンパンを買ってきてくれるらしい。


彼の相方をやっている、兄様の側仕えの彼は今兄様の代わりにお寺の取り仕切りをするので忙しい。


兄様は部屋に人を寄せ付けないので、見張りもいない。


私の部屋の隣が兄様の部屋。


つまり。


「今です」


まさにチャンス。


声をかけると絶対に拒絶されるので、何も言わずにドアを開けて兄様の部屋に無断で侵入した。


すかさずドアを閉める。


これでしばらくバレまい。


そしてバレた時には時すでに遅し。今は兄様の部屋には誰も入れないので連れ戻すのも無理。


「…キュー、きちゃったの?」


部屋の中央にしかれた布団。


その中に埋もれているのは絶対に兄様。


そんな典型的な引きこもり方してたんだね、兄様。


「ごめんなさい、兄様」


「ううん。怒ってないよ。追い出したりもしないよ」


怒られるかと思ったら、存外優しい。


怒らないって前言ってたもんね。


「でも、せっかくだからそのままそこにいてね。外に出るの逆に禁止」


「ありゃ」


「食べ物持ってきた?」


「兄様のためにね、ジュースとお菓子いっぱい持ってきた!」


なお無断で持ち出したものです。


あとで厨房に怒られてきます。


「無断で持ってきたでしょ」


「バレた」


「わかるよ、キューのことだもの」


くすくす笑う兄様。


でも布団からは出ない。


…その割に、弱ってる感じの声では無いな?


「あとで厨房に怒られてくる」


「おや、それは大変だ」


「ふふ、兄様もついてきてね」


「いいけど、キューのしたことなら厨房の子たちも怒れないと思うなぁ」


はたと気付く。


たしかに。


「怒られないと逆に気まずい」


「ごめんなさいすれば大丈夫だよ。兄様もついていってあげる」


「ありがとう、兄様」


…さて。


本題に入ろうか。


「ところで兄様」


「うん」


「聞かれたくない?」


沈黙。


その後先に口を開いたのは兄様だった。


「まあねえ」


「うーん」


「でも、普段わがままを言わないキューが強行突破してくるくらいだからなぁ」


「うん、諦めないよ」


「自分で言っちゃうのか」


くすくす笑う兄様。


「キューはさ、オカルトは大丈夫?」


「前世の記憶持ちに聞くことじゃないと思う」


「そっかぁ」


困ったような、迷うような声。


「…キューは、俺のこと好き?」


「うん、大好き」


「なにがあっても嫌わないって誓える?」


「誓える…いや、人殺しとかされるとちょっと困るけど」


「そりゃそうだ」


またくすくす笑う声。


「キューに嫌われるのが一番嫌なんだよね」


「うん。でも嫌わないからなぁ…」


「そっかぁ。じゃあいっかぁ…」


いいのかぁ。


強行突破までしてきた身としては、良くないと困るけど。


「じゃあ、布団ぺいってしちゃうけどキューは大丈夫?」


「うん、なにがあるのかわからないけど多分平気」


「じゃあぺいってするね」


兄様が、布団をぺいってする。


中から現れたのは。


キツネのお耳と尻尾を生やした、半獣人なケモミミ兄様だった。

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