表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/107

私のしたことの罪と罰

あの後。


キューケンとかいう女を怪我させたからだろう。


我が子爵家は突然、色々な家と縁を切られた。


貴族社会においてそれはあまりにも致命的で。


パラディース教がどれほど我が国の貴族社会に浸透してきているのか思い知らされると同時に、それを敵に回したのだと再確認させられた。


「なんてことしたの!この親不孝者!」


「お前のせいで我が子爵家は終わりだ!」


身体が弱かった私。


溺愛してくれた両親は、最後の希望としてゴッドリープ様に縋った。


ゴッドリープ様は不思議なお力で私を癒した。


それ以降私は健康になった。


だが、今はどうだろう。


「ごほっ、ごほっ…ごめんなさい、お父様、お母様…」


「お前なんて産まなければよかった!」


「お前さえいなければよかった!」


私を愛して、私のためにゴッドリープ様に縋った両親は。


ゴッドリープ様に刃向かった私を詰り蔑み要らない子だと糾弾する。


ゴッドリープ様に癒していただき健康になった私は。


身体がどんどん弱り、いつ死んでもおかしくない。


心細いのに、もう両親は私の手を握ってはくれない。


「…せめて、苦しまずに逝きたい」


その願いが叶うことはなく、私はやがて血を吐くようになった。


血交じりの痰を伴う咳はとても苦しい。


まるで、私のしたことを責め立てるかのよう。


身体もろくに動かせず、ただベッドの上で丸まってやり過ごすだけ。


ここまで来るとさすがに、両親は枕元で私を責めることはなくなった。


「…けれど、会いに来てはくれない」


ぽつりと溢れた独り言は、声がかすれた酷いもの。


両親は、今お上に掛け合って爵位と領地を返上する手続きをしている。


ボディーガードを雇いつつ、私財の一部を投資に当ててなんとか今後のやり繰りを模索しているらしい。


そして、それがうまく行けば私に出来るだけ良い治療を受けさせると言ってくれた。


けれどそれまでは、落ち着くまでは両親は忙しいから。


「あえない…」


会ってはくれない。


手を握ってはくれない。


わかっている、全部自業自得だ。


両親はなにも悪いことをしていないのに私に巻き込まれた。


それなのに結局は見捨てないで、酷いことを言ってごめんねと言ってまた助けようとしてくれている。


「ごめんなさい」


巻き込んでごめんなさい。


辛い思いをさせてごめんなさい。


それなのに寂しいと思ってごめんなさい。


会いたいと思ってごめんなさい。


手を繋いで欲しいと思ってごめんなさい。


「まだ、しにたくない…」


せめて、もう一度。


両親に抱きしめられてから死にたい。


本当に、ごめんなさい。


ゴッドリープ様の大切な女の子を傷つけてごめんなさい。


身勝手なことを思って、やらかしたこと全部…ごめんなさい。


「…?」


心の中で、ただひたすらに謝罪していたら。


なにか、尻尾見たいなものがちらっと見えて。


意識が暗転した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ