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神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました  作者: 下菊みこと


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兄様に色々な経験をさせたい

時が経つのは早いもので。


兄様の妹ということで引き取られて早数日。


このお寺?の内部にもだいぶ慣れて、今では一人で中を歩き回る許可も貰えている。


迷子になることもない。


教徒たちも幸い、今のところ私を兄様の妹として崇めてくれる人ばかり。


「…とはいえ、そうでない人もいつかは出てくるだろうけど」


兄様はこのパラディース教のトップであり象徴だから。


その兄様に、特別扱いされる私をよく思わない人も当然いつかは現れるだろう。


それがいつになるかはわからないけれど。


「…まあ、私には兄様がいるから多分どう転んでも最終的には大丈夫だと思うけど」


そう、私は大丈夫だ。


問題はむしろ、兄様だろう。


兄様はパラディース教のトップであり象徴。


パラディース教に救いを求める人にはみんなに救いを与えている。


だから教徒たちも救われており、大丈夫。


「でも、兄様は誰が助けてくれるんだろう」


兄様は、お仕事が終わった後はいつも辛そう。


少しだけ暗くて辛そうな表情で私の部屋に来て。


無言で私と抱きしめ合う。


その後は穏やかな表情になるから、少しは癒してあげられてるとは思うけど。


「根本的には解決してない…」


兄様はそもそも幼子で。


本来なら外で遊びまわって様々な経験を積むべき年頃で。


けれど兄様はお役目があるから。


パラディース教のために日夜頑張っているから。


基本的に、お寺?の中で静かに過ごす。


「…人より成長が早くて聡明な兄様とはいえ、内面の成長のためにも色々な経験は必要だと思う」


そうひとりごちるが、難しいのもわかる。


総本山にいる人たちは困窮している人であり、色々なダメージを受けてきた人だ。


お寺の中に兄様がいないと、それだけで不安になる人が多い。


外に自由に出る、というのは教徒たちを憐れみ優しく接する兄様には現実的ではない。


「私が兄様にしてあげられることは…」


兄様が自由時間を過ごしている間は、常に一緒に共にいる。


それは私を気にかけてくれる兄様にとっては悪くなく、私も兄様を好きだし心配もしているので苦ではない。


では、兄様が仕事中に出来ることはなにかないか?


「…外に出られないならいっそ、外のものを持ち込んでくるのはどうだろう」


私は別にお寺の境内みたいなところまでなら自由に出られるし、お寺内部にいなきゃいけない兄様よりは自由だ。


例えば境内からでも採れるお花を採取して兄様に見せるとか。


例えば境内でも捕まえられる生き物を生きたまま兄様の前に連れてくるとか。


出来ることは沢山あるのではないだろうか。


兄様に、お寺の中でも経験を積んでもらうことは可能ではないだろうか。


「…よし、頑張ってみよう!」


私は早速、兄様の仕事中の今から行動を開始した。

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