2~詐欺師、順応する~
読みにくいかもしれません。
すみません。
2~詐欺師、順応する~
そこは大自然。見渡す限り草原が広がっていた。
とてもキレイな光景だった。
(風が気持ちいな・・・こんな事思った事ないぞ)
遮道は記憶を思い返す。
(確か俺は、逆恨みでバカな地主の息子に刺されたはず。)
傷口だったところをさするが何も異常は無い様だ。
(服も当時きていたものか。ムンクレールのダウンを着ていて良かった。ここは少し寒いから夜これがあれば少しは安心だ。ああ、なんでこんな時に限って俺はバランチアガのくっそ重たいヘビースニーカーを履いてきてしまったんだ。まあそれは良い、少し汚れるのが気が引けるがこの際そんな事を言ってる場合じゃない。まずは食料や水を確保しなければ俺はここで死んでしまう。遠くを見ても何もない。まずいな・・・)
遮道がそんな事を考えていると急に頭の中で声が聞こえた
≪転生特典としてスキル~マインドコントロール~が付与されました≫
(!?!?!?)
(スキル?なんだ、マインドコントロール?そんなもの元々持ってるぞ、俺は元詐欺師だぞ。おい!どういう意味だ!)
遮道は必死に心の中で叫んでみたが、頭の中で聞こえた声の応答は無かった。
(こんな何もないところでマインドコントロールを誰にしろっていうんだ。自分自身にでもかけろとでも言うのか?)
≪スキル~マインドコントロール~を発動。対象はマスター≫
その瞬間、俺は意識を失・・・
何も起こらなかった。
(俺が念じたらスキルが発動したな。でもおれ自身にはスキルは効果が無いようだ。せめて誰かがこの場にいればテストができるんだが・・・)
ふと空を見上げる。
そこにはただひたすらキレイな大空が広がっていた。
(ん?鳥?か?、そうかあの鳥・・・)
空を悠然と羽ばたく鳥らしき生物がみえる。
遮道はその鳥らしき生物を対象に先ほどの要領でスキルを発動してみた。
「キャー」
鳥の様な生物が奇声をあげた
鳥の一匹が遮道の元へ近づいてくる。
(やった。成功だ!これで鶏肉が食えるぞ。ん?ちょっとまて、あれ鳥か?そもそも火なんてどうやっておこせばいいんだ。俺にはそんな原人スキルなどないし。いやそんな事よりあの鳥みたいなの変だぞ。ちょっと怖くなってきたな。うわっなんか近くで見ると人っぽい?食べれそうな見た目じゃないな。というか完全にアレは俺のしっている鳥なんかじゃない。あれは・・・)
鳥の様な生物が遮道の元へ舞い降りた。
「jfgだkふぁらが」
(しゃべった!・・が・・もちろんなんていう意味かはわからない)
「jfgだkふぁらがgkfまかばばぇkば」
(とりあえず、詐欺師の頃のスキル笑顔だ!)
遮道は笑顔で挨拶をした。
「こんにちは♪僕は遮道、よろしく!」
「kめkまばfじゃらあばgfkんがkgbがdふぁおあたばzんべk」
(さっぱり何を言っているのかわからんが、おそらく敵意はなさそうだ。たぶんメスっぽい。まあ良いさすがにこいつは食えないが、とにかくこの場から助けてもらわねば!)
遮道は身振り手振りで通信を試みる。
「mbgかふぁpひたふぁばk」
「いやそうじゃなくて!僕は!ここから人のいる場所へ移動がしたいんだ!」
「いbmがkfまうがfsぅr」
~3時間後~
遮道は諦めた。
3時間頑張ってみたが意志の疎通ができるとはまったく思えなかった。
(これからどうすれば、少し寒くなって気が・・・あれ?ちょっと暗くないか?)
(腹減ったな・・・水は川があるが、さっき飲んでみたが、少し腹が痛い気がする)
(ああ、こいつもう邪魔だよ。どっか行けよ。役立たずが。いつまで俺のそばにいるんだよ。さっき一緒に飛んでたのは仲間だろ。もうそいつらはいないぞ。鳥は暗くなると目が見えなくなるっていうし。お前もそろそろ帰らないとまずいんじゃないか?なあ)
(あ~せめて言葉が通じれば、俺よ、気合でこの世界の言葉を全て理解してくれ!頼むよ)
≪スキル~マインドコントロール~を発動。対象はマスター≫
(え?)
その瞬間、急に鳥の様な生物が話しかけてきた
「いつまでここにいるんですか?私そろそろ帰らないとまずいんですが。あなたはここで何をしているんですか?さっきから何を言っているのかまったく分からないし。私はあなたがわれら種族の神聖な領域で何をしているか確認するまでこの場を離れることができないんですよ。いい加減この場から立ち去ってくれませんか?」
(急に意味が理解できる。これは俺に対してマインドコントロールというスキルが発動した結果なのか?)
「え~っとあの、すいませんが僕のこの言葉は伝わりますか?」
鳥が急にびっくりした顔をしたのが感じ取れた。
(伝わったみたいだな。これなら・・・)
「しゃべれるなら今まで私の事をバカにしてたんですか?ええとあなたはここで何をしているんですか?」
「僕は遮道という、あなたは?」
「私の名はリリ・グリフィンです。」
「僕は・・・」
(異世界から来た?そんな話誰が信じる。バカ正直にこちらの情報を漏らすのはまずい。まずは情報を集めること。)
「僕は、実は、記憶がないんだ。今こうしてやっと言葉を思い出した。実は僕自身、なんでこんな場所にいるのかも、そしてここがどこかもわからない。気づいたらここにいて、空を見上げてたら君が降りてきたんだ。危害を加えないでくれてありがとう。そして君がそばにいてくれて嬉しかった。それは本当だ」
詐欺師の手口:嘘を付く時は相手と話していて嬉しいという表現を使う、そして嘘の中に本当を織り交ぜる。さらに一線を引くこと、こいつが急に俺を襲わない保障などどこにもないからな。
「そんな・・・ここはハーピィー族の領域です。あなたは見たところヒューマン族では?」
「そうみたいだな。僕自身が人間というかヒューマンというのか?なのは自覚はあるみたいだ。」
(そうかハーピィー、昔カードゲームででてきたからなんとなく知っている。鳥の羽を持つ獣人族ってところか。)
「ハーピィー族のリリ・グリフィンさん。あなたに頼みがあります。僕はこのハーピィー族の聖域で何かをするつもりはありません。というかこのままこの場所に一人でいたら死にます。見ての通り僕はただのヒューマン、何の能力もありません。この世界の事情もまだはっきり思い出せず、言葉がやっと思い出せただけです。じきに暗くなる。あなた方に対して僕は敵意も危害を加えるつもりもありません。もしあなたの同情が少しでもあるのであればあなたが帰ろうとする場所へ一緒に連れて行ってもらえませんか?もちろん何か掟やルールなどがあれば遵守するし、なんなら牢屋にでも放り込んでくれたってかまわない。この場所から離れられるのであればなんだってかまわない。どうだろうか?」
遮道はこれでもないというくらいに詐欺スキルを駆使し熱弁したのだった。