あったかいぬくもり
父の愛。
がたんごとん、がたんごとん
電車はゆれる
おじいちゃんがいない
ぼくは妹と二人っきり
電車にゆられてる
えいがを見に行って、おもちゃも買ってもらって
たのしい一日
あとお家に帰るだけだった
なのに
おじいちゃんがいない
ぼくらは買ってもらった、おもちゃを待ちきれず
電車の中でむちゅうであそんでいたら
いない
いない
・・・おじいちゃん
ぼくはどうしていいのか分からない
いもうとは、まだたのしそうにあそんでいる
どうしよう
どうしよう
おかあさん
おとうさん
ぼくはじっとうつむく
いもうとはふしぎそうにぼくを見る
ぼくはむりやりわらった
知らないえきを
一つ
二つ
三つ
と、こえていく。
ぼくはとなりのおばちゃんに、ゆうきをだして
「おじいちゃんがいなくなった」
と言った
おばちゃんは、しゃしょうさんにつたえてくれて、
ぼくらは次のえきでおりた
なまえとじゅうしょをきかれ、
ぼくらはまちあいしつでまった
じっと
ずっと
そしたら
おとうさんとおかあさんがやってきた
ぼくは、ぱちんとおとうさんにたたかれた。
えっ、どうして
「お兄ちゃんだろ」
おとうさんはかおをまっ赤にしておこっている
「ずっと、さがしたんだぞ」
「・・・ごめん」
ぼくは、ないた
ないた
ないた
おとうさんは、ぎゅっとぼくをだきしめた
力づよくて大きくてあったかい
「よかった、見つかった」
おとうさんは言った
ぼくは、ずっとないていた
あったかい
あったかい
あったかい
ぬくもり
四人で手をつないでかえった
とってもあったかい
ぬくもり
この話・・・ほぼ実話です。
おじいちゃーん(笑)。
私たちも一緒に駅に降りていたと思ったそうです。
じいちゃん、慌てて家に戻って、「いない」って、血相変えて父母に言いました(笑)。
そこから、探し回り、駅から電話があって・・・という流れ。
親父、ビンタは理不尽(笑)。
でも、愛を感じました。
今では笑い話です。