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序章 ギルド職員達

ギルドの職員って普段どんなことしてるんだろうね?

プロローグです

誤字脱字がありあましたら、お知らせください


「エミリアのパーティーには、この依頼は無理だからやめときな」


 疲れ切った、気怠けな顔で男ーアルトスはいった。

 カウンターを挟んで向かい側のエミリアと呼ばれた少女、年は17歳ぐらいだろうか?赤い髪と瞳をした活発そうな女の子に視線を向けながら。


「他の…ほら、畑を荒らす魔物退治と雑草除去ならちょうどいいから」


視線を向けられた女の子は


「この依頼がいいの!!なんで受けれないよ?」

「なんでかわからないか?」


怪訝そうな視線を向けられたエミリアは


「私は、世界を救う『炎の勇者』よ、冒険者証の中にも勇者適性あるでしょ?」

「じゃ、尚更だ」

「なんでよー!?」


ここはこの世界最大の冒険者ギルドの本部がある受付カウンターである。

そこで、受付しているのが俺、アルトスだ。

そして、このうるさいのが自称「炎の勇者、エミリア」である。


「あんた、この間森の一部黒焦げにしたろ?」

「え?・・・・」


わかり易く、目をそらす。


「それに、護衛依頼引受けて、依頼者ボコったらしいな。」

「いや・・ちょっと、それは違う。」

「じゃあ何したの?」

「あれは、依頼者が騙して不当に高く食品を売ろうとしてたからお仕置きしたの。」


少しすい胸をつき出して、自慢そうに言う

アルトスは頭を片手で押さえながらため息をつく。


「それは、その地区の領主や憲兵がする事で、冒険者がする仕事ではないだろ?」

「だって、そこにいる人たちが困っていたのよ?」

「だとしても、依頼内容に不備や悪意があるようなものは、ギルドに提出報告書を提出するのがきまりなんだよ。

 お偉いさんや、他の部署から色々な苦情が来てるんだよ。」

「うーーー。」


怨めしそうに見つめるエミリアをお構いなしに睨みつける


「後処理する方のみにもなれ、お前らのパーティーお咎めなしだったろ?」

「うん」

「それだけでもありがたいと思って、そんな目せずに俺の言った依頼にしな。」

「えー、でも」

「じゃあ、他の窓口行くんだな。」


エミリアの反論を食い気味に制すと、威圧する目を向けて追い払う。


「ケチーーーー!! もうこの窓口来てやるもんかー!!」

「どうぞ、どうぞ他の窓口で依頼を受けてくださいまし。」


口惜しそうにエミリアは出口の方へ駆け出すと

「アルのバーカ、バーカ、アルなんてうんこ踏んじゃえばいいんだ、ベーーーだ!!」


(ぶちっ!!)

「おい、ディルトルト塩持ってこい」


カウンターの後ろの事務机に座る大柄で筋骨隆々の獣人に命令する。


「アルが自分で取ってこい。」

「命令だ」

「パワハラと冒険者に対する粗相で、部長に言いますよ。」

「うっ!!」


と言いながら、大きいからで器用に机の上にある書類を整理しだす。


「まあまあ、アルトスさんもお茶飲んで落ち着いて。」


カウンター後ろの机に座ると可愛らしい女の子、年齢は20歳ぐらいだろうか

銀髪のおっとりした女の子、シルフィーナがお茶を入れたコップを机に置いてくれた。


「ありがとう、優しい言葉をかけてくれるのは、シルフィだけか・・・・」


斜め前の席からジロリを鋭い視線を感じる。

視線の方を見ると、その先には猛禽類特有の威圧感を抱いてしまう、緑の髪をした女の子レーネ=モーネが抗議する。


「アル…あんた勘違いしているかもしれないから、言っておくけど…」


アルトスは怪訝そうに聞き耳を立てる。


「シルフィがあなたに優しい言葉かけているのは、この後グダグダいって仕事の効率落ちるから情けでかけているだけあって、決して優しくしてあげようとしているのではないからね。」

「何ーーーー!!」

「え、えぇっ!!」


レーネの言葉に、大袈裟に驚く俺と、


「俺…シルフィの事信じてたのに…」

「ちょ、ちょっと、レーネ、私そんな事微塵も思ってないですから!!」


ヨヨヨというしなりをつくにながら、泣きそうな仕草を作るアルを見て。

レーネの言葉に少し涙目になりながら抗議するシルフィーナ。


「シルフィ、冗談よ、冗談。」

「そうそう。」

「ふぇ…」


傍目で一連の内容をきいていたディルトルトは苦笑いを浮かべるしかなかった。


「さて、仕事を再開しますか。」

「「「はい」」」


そういうアルの号令で、気分を入れ替えて机に向かって業務を行うギルド職員たちだった。


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