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有毒宝石  作者: 桜芽鵺葉
9/13

15月


「15月だ!」


道を歩いていたら15月がいた。

私は初めて見る15月に驚いたが、見た瞬間に15月の存在を理解した。


どうして今まで忘れて居たのだろうか。

15月はずっと昔から存在していたのに。

一年は15カ月だというのに。


13月も14月も、何者かに消されてしまった。

おそらく1月から12月のどれかが犯人だ。

消された13月と14月は「もともと存在しない月」として歴史から抹消されている。

けれど。15月だけはまだ消されてないのだ。


15月が復活すれば15月15日の虫拾いの日も15月415日のカラスの青光りの日も15月7532日のサーモ王子生誕記念日も元に戻る。

15月の存在を世界に知らしめなくては。


15月は私と目が合うと、信号機に擬態した。

信号機に擬態した15月をじっと見る。


15月はドキドキしてるかのように、赤いランプをチカチカチカチカ点滅させている。

黄色のランプも青色のランプも赤色の光でチカチカチカチカ点滅している。


うねうね動く15月。

私に15月だとバレたと気がついたのか、15月は擬態をやめた。


「15月よね?」


私は15月に尋ねた。

15月は答えなかった。


暦は喋れないのだから。


その時、私と15月の間に真っ赤な電車が停止する。

15月はチカチカとランプを青色に点滅させてから、真っ赤な電車に乗る。


「さよなら、15月」


15月は私の方をじっと見て、電車の中から私にチョコレートをくれた。

チョコレートは美味しかった。



「15月」おわり


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― 新着の感想 ―
[良い点] 15月がとても良い人だった。もっとずっと一緒にいたい…! [一言] 暦ってそういえば一種類じゃないんだよなとこれを読んで思い出しました。 私も15月が見えるようになりたいな。言葉は通じなく…
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