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有毒宝石  作者: 桜芽鵺葉
8/13

読めない時計


ガラスケースに仕舞われたそれは時計だ。

銀色の四角い箱のような形に、金色の長い針と短い針と細い針がついていて、他にも天秤やら振り子やらがついている。


私は時間を確認したくて、その時計を見る。

短い針が指してるのは4時。

長い針が指してるのは20分。

細い針はおそらく秒だろう。

4時20分。間違いがないか念のためデジタル時計を確認すると、現在は4時20分15秒。

一致している。


けれど。

本当にその見方で合っているのだろうか。


デジタル時計が4時20分40秒を示す時。

私はもう一度銀色の時計を見た。

まずは秒だ。

細い針は40秒をさしていない。

これは秒針ではなかったのかもしれない。

短い針が指してるのは8時の方向。

長い針が指してるのは3分の方向。

8時3分21秒。


私は、自分の見方が違っているのだと思ったから、色んな見方で、時計と時間を一致させようと試みた。

いったいどれが時、どれが分、どれが秒なのか。天秤は秒に関わることなのか。振り子は一定に揺れているのか。


それから数時間、時計を見ながら考えた頃。

「待たせてごめんね」と黒兎が隣にいた。


私はちらりとデジタル時計を見た。

デジタル時計は4時20分50秒だ。


読み方の解けないアナログ時計は14時25分6秒を示している。


「私も、数秒前に来たばかりよ」




「読めない時計」おわり


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