表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
有毒宝石  作者: 桜芽鵺葉
7/13

映像


私の能力は雨を降らせたり止ませたりすることだ。


しかし、そんなことは重要ではない。

私はたいして気にもせず、黒兎と一緒に映画を見に行くことにした。

今日は黒兎が私を映画に誘ってくれたのだ。

黒兎が私のために選んでくれた映画に。


映画の内容はよくわからなかったけど、黒兎が隣の席に居ることで私は幸せだった。

映画が終わると同時に黒兎も消えてしまったけど、私たちは確かに会えたのだ。


そして、映画の帰りに私は軍団に捕まえられた。軍団は雨を操りたい軍団だった。


私は軍団に、岩だけの何もない島に連れてかれる。なので、さっそく、海を渡り逃げようと試みた。


島の周りの海は、人を食おうとする化け物しかいないので、人間はめったに海を渡れないらしい。しかし私は能力のおかげで水は得意分野なので、海を超え楽園へ逃げることができる。

海の化け物は私を殺すことができないのだ。


それに楽園は、黒兎と行ったことがある場所なので、生き残れる自信があった。



辿り着いた楽園は、毎日が殺し合いだった。

私は能力的に、殺し合いではそこまで強くないから不利だったし、敵は強かった。

しばらくして、軍団の数名がなんとか海を渡れたようで私を捕まえに来た。


私は軍団から逃げるため、再び化け物まみれの海に逃げた。しかし、何故か化け物が私を食おうとする。私は化け物に食われグロテスクに殺された。

何度も。何度も。何度も。何度も。


そして私は何度も殺されながら、何億年もかけて海を渡り終えた。


実際には私は海を普通に渡れたが、黒兎が開発した機械によってありもしない映像を脳に見せられたのだ。


私は海がトラウマになり、もう楽園に逃げれなくなった。黒兎も実は軍団の一味だったのだ。もう私が逃げられないように、海を怖がらせたのだ。私は泣いた。


そして黒兎は、軍団に見つからないよう密かに一緒に暮らしていくことを私に提案した。


私は頷き、黒兎と一人と一匹で暮らすこととなった。私は年齢と名前を偽り、鴉売りとして働くことになった。


黒兎と町を歩くとき、たまに軍団の一味に遭遇したが、黒兎はお偉いさんなようだ。

私はもう殺されることはない。


そして、地球で戦争が始まり私たちは滅んだ。


映画おもしろかった?と黒兎の声が隣からする。



「映像」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ジェットコースターのような着地!大好きです(≧∇≦) [一言] 海に逃げても楽園に逃げても殺し合いからは逃れられない、この救いのなさが大好き。亡者の群れに追われ続けるようなグロテスクな展開…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ