背負わされるもの
第二話です!
目を開けたらそこは雪国だった。
こんな時に何をいってるんだ俺は。見えない力がこんなことをいわせやがる。しかし実際はというと、目を開けた先には、半透明の女の子が立っていた。
年はみた感じ14歳前後だろうか?全てを見通すような大きな目。
長い黒髪に、さらさらのストレートパーマ。
『ねえ、パーマじゃないからね?そこ大事だからね!?あと幽霊じゃないからね?』
「ていうか、さらっと人の心読むのやめてくれる?大体幽霊じゃないのになんで透けてるんだよ?透けてる女は幽霊って相場がきまってるんだぜ」
「しかも、俺の名前呼んだよな?なぜ俺の名前を知っているんだ?百歩譲って幽霊じゃないならあんた何なんだ?」
俺の質問に半透明な女の子は、急に悲しいような申し訳ないような顔をしてずっとこちらをみている。
なんとも悲しい笑顔をみせて彼女は言った。
「ごめんねアラタ。あなたはもう日本に帰れないの。それに私が誰か今は言えない。言ってはいけない。この世界のルールなの。」
でもおれはさっきから見ていた。いや見えていた。
彼女が着ている巫女のような服。
その胸のあたりに束の間の巫女と書いてある。
よし言ってみよう。
「つ、束の間の巫女?」
『ばばばばばかなあああ!
な、なぜあなたがその名前を知っているの??』
うん、こいつあほだ。
『こらー!あほとかいうなし!心の声も聞こえてるって感じ出してたよね?ねえ?だしてたよねえ?』
「まあ、そのなんだ。服に書いてあるしさ。
え、大丈夫なの?この世界のルールとか、、、ぐふwwww厨二病みたいなこといってたけどさ。
ぷーくすくす」
『ち、ちがうし!あれは演出だし!そーいう風のが雰囲気でるかなあって思っただけだし!』
あーなんかいってるなあ。しかしよく見るとここ、なんだが見覚えがある。懐かしい感じがする。
あの怪しい束の間の巫女の後ろにある寺?も
見覚えがある。ここはいったい。。。
『ふふーん、気になっているみたいね。いい加減話が進まないからちゃんと聞いて!そして私のことは束の間の巫女。略してつかりんと呼んでね』
やべーこいつマジでやべーやつだ。自分のことりんとかつけちゃうやべーやつだわ。
『聞こえてるからね?もうそれわざとだよね?
ふん、ま、まあいいわ。続けるわよ』
『さっきもいったけどあなたはもう日本には帰れないの。それはほんとに申し訳なく思っているの』
はあ、2度目の帰れまてんきたよ。
さっきは華麗にスルーしたんだけどなあ。
もう帰れないってことはここはもう日本じゃないのか。
『理解が早くて助かるわ。まずここは守護の門といわているわ。この守護の門の役割はね、、、、』
ながながと続いた彼女の話はこうだった。
時代は江戸時代まで遡る。
かつてあの時代は妖怪とあやかしといわれる存在がいて、陰陽師がその討伐を行っていた。
あやかしというものは、時空の穴を通りこちらの世界にやってくるらしい。
その事に気づいた当時の陰陽師達は、時空の穴に結界を張りあやかしが来れないようにした。
しかし、その結界は時空の穴の向こう側から、陣の一つを仕掛けなければならなかった。
当時、陰陽師の代表である安倍晴明が、向こう側へわたり陣をはったらしい。
そしてその結界がここにきて弱まってきており
またあやかしがこちらにくる危険があるのだそうだ。
つまり、目の前の束の間の巫女もといつかりんは
俺に現代の安倍晴明になれというのだ。
導入部変が長くてすみません!