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4.ギルドと火種

男、女、男、男、男……男の人が多いな。



おそらく五分の四は男だと思う。それにしても、女の人の露出が激しい。かなり激しい。


言うなればボーンッキュッボーンッだ。しかも出し惜しみなく谷間とか見えちゃってるし?さりげなく、何気なく自分の胸を見て、落ち込んだ。


なんだこれは。まな板か。いつの間に胸にまな板がついてたんだ。



「大丈夫だ真白、七歳児なんだから伸びしろは無限だイダッ」



「失礼、手が滑った」



「くそっ、ゼスめ…そんな分厚い本読んでるから手が滑るんだよっ」



頭を摩りながらシュンは涙目でゼスを睨みつけた…今のはワザとだったと思うんだけど、シュンが気がついてないならわざわざ言う必要ないか。


今日はギルドというところに連れてこられた。


シュン曰く、ここでメンバー登録することでダンジョンという魔物のいる場所に行けるようになるんだそうだ。


不慣れとはいえ、私も向こうから送られてきた勇者の端くれ。登録しておいて損はない、そうだ。



「真白、今から俺は仕事に行かなきゃならない。だから絶対にシュンから離れないように。それから、もし何かあったらこれを使って呼んでくれ」



渡してくれたのは、キラキラした宝石のような綺麗な青い石。



「これは魔石だ。それに喋りかければ、俺に通じる。ただいつでも出られるわけじゃないから、本当に必要な時だけにしてくれ」



「うん、わかった」



ゼスがいなくなるのはちょっと…いや、かなり不安だ。そんな心情が顔に表れていたのか、ゼスは私の頭を撫でた。



「大丈夫だ、シュンはバカだが頼りになる」



つい先ほど何かを確認しに行ってしまった挙句、グラマラスな女の人たちに声をかけられてウハウハしてるシュンを見る。


…本当に大丈夫なんだろうね?


一抹の不安が胸を掠めたが、大丈夫だということにしておこう。



「ゼス、ありがとう。またね」



「あぁ」



ゼスから離れて、シュンのいる方に駆けて行った。それからグラマラスな美女たちを撃退すると、シュンが「真白はヤキモチ焼きだなぁー」なんてニヤニヤしてたからほっぺたをビンタしておいた。


今、シュンのほっぺたは真っ赤に腫れてる。



「えーっと…この子がメンバー登録ですか?」



ようやく本来の目的を思い出したシュンが、受付のお姉さん、ミシェルさんに話しかける。…が、彼女は怪訝そうにシュンの腕に抱かれてる私を見る。



「えぇ、こいつこう見えて十六歳なんすよ」



「あぁ、エルフ族ですか。ずいぶんうまく隠してますね。ではこちらにご記入ください」



「え?」



何も隠していないけど…っていうか、エルフ族ってなに?



「ありがとうございますー。最近物騒ですからね」



しれっと登録用紙をもらったシュンは、それを受け取ると備え付けのソファーに座った。私はそれを膝に乗りながら覗き込む。



「ねえねえ、エルフ族ってなに?」



「魔力を持った妖精だよ。たいてい、耳と尻尾が生えてるんだ」



「ふぅん?でも私、エルフ族じゃないよ」



「大人の都合だよ。そういうことにしておいた方がいい時もある」



まぁシュンがそういうなら、そうなんだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーー


登録者名

ヒイラギ マシロ


属性

フェアリータイプ


参加希望

特になし


レベル

初級


ーーーーーーーーーーーーーーーー


書き終えたシュンは、それを提出しに行こうとした。



「おいお前、冗談だろォ?そんなガキ登録する気かよ」



ぴたりと、シュンが足を止める。必然的に、シュンと手を繋いでいた私の足も止まる。


見上げると、頭がデカイ筋肉質の男が立ってた。視線がどうして頭に行くかといえば、デカイ上に髪の毛が一本も生えてないからだ。…いや、これなら生えてても目立つか。



「余所者か…」



ポツリとシュンが呟く。その声は低かった。



「そんなチビ、ダンジョンに行ったところで足手まといになるだけだろうがァ?誰もパーティーにいれねぇだろうよ」



ゲラゲラ笑う男は、どうやら私をバカにしてるらしい。話し方が独特で、気味が悪かった。



「てめぇ…ふざけんなよ」



「だからァ、これから俺がいくパーティーに参加させてやってもいいぜェ?それともお前には無理か、そんなガキ連れてやがるしなァ!」



「くっそ…やってやるよ‼︎」



ニタァ、と君の悪い笑みを浮かべた男に、怖くなってシュンの手を強く掴んだ。



「シュンダメだよ!きっと罠だよ」



初心者な私でも、わかるくらい危うい状況だった。周りの人たちも、こちらを見ながらコソコソと話してる。



「っるせぇ!お前がバカにされてんだぞ!黙って引き下がれるか!」



頭に血が上ってしまったシュンは、もう聞く耳を持たない。


ここでマナちゃんとかツカサがいてくれたらどうにかしてくれるんだけど…私じゃどうしようもない。


それがどうしようもなく悔しくて堪らなかった。



「明日の午後三時、シルク広場に来い。逃げるんじゃねぇぞォ?」



「誰が逃げるかよ」



シュンが噛みつくようにそう言えば、男はゲラゲラ笑いながら、「明日、楽しみにしてるぜェ?」といってギルドを出て行った。



「…上等だ」



低く唸ったシュンの顔は怒り一色で、私の方を見向きもしなかった。

血みどろシーン書きたくてウズウズする!イェア!ってわけで次のシーングロいかもなので気をつけてください。

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