プロローグ
目の前にある光を発する小さな機械は、どうしてこうも操作が難しいのだろうか?チカチカ光る画面では、いろんな文字がごった返してる。
ユーザー名?ってなに、本名じゃないの?
えっ、あれ?変な画面飛んじゃった。
画面にアップされるのは、髭面のおっさん。なにこれ、全然可愛くない!これどうすればいいの⁉︎
どうしたらいいかわからなくてわたわたしてると、隣から覗き込んだシュンが噴き出した。
「ぶふぉっ、ちげーよ真白!それじゃあお前のキャラ髭面のおっさんになっちまうぞ」
画面を見てケラケラ笑うシュンに、私は唇を尖らせた。
「だって難しいんだもん…」
「ほら、貸してみろよ」
カチカチと器用に機械を操って、操作していくシュンはいつもみたいに目がキラキラしてる。
【REAL IMAGINATION】、略してリアイマと呼ばれるゲームはシュンが発売の三日前からツカサと並んで買ったもの。
シュンこと、三浦瞬は重度のゲーマーで、頭の約九十%がゲームのことで占められていて新作が出るたびにツカサと買いに行っているという徹底ぶり。
そして今日も、体が弱いせいで外に出られず、病室の住人になってる私のところに、瞬の妹のマナちゃんとツカサを連れて来てくれた。
「本当、真白はいつになったらゲームに慣れるんだ?結構プレーしてきたと思うんだけど」
「わかってないなぁ、お兄ちゃん。真白っちはいつまでも慣れないところが可愛いんじゃん」
ゲームの画面を食い入るように見つめながら操作していたマナちゃんは不意に顔を上げた。
「そりゃそうかもしんねぇけどさ。あ、真白、できたぞ」
「ありがとう!」
それを受け取って、画面に表示されたスタートボタンを押す。
【Welcome to the real imagination world!】
画面が光ったと思ったら、次の瞬間視界が真っ暗になった。
はじまりました!はじめました*\(^o^)/*異世界物語、ぼちぼちコツコツ更新頑張ります。