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Contractor†Goddess  作者: 月詠 桔梗鑾
1章:出会い編
4/8

白と黒

一か月ぶりの更新

陛下~に至ってはあと少しで章が終わるはずだったのに更新していない(汗)


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本当に感謝しています

扉を出てすぐの事

ジィさんの精霊に前もって私が入るクラスを教えてもらっていた



このラタン魔法学園

素養さえあれば誰でも入れる



金銭の面では国が全面的にサポートしてくれる



ジィさんが言った"忠実な犬"を育てるためなら金など惜しくもないのだろう


このラタン魔法学園も馬鹿みたいに大きい

敷地に関して言えば正直どこからどこまでがこの学園の所有地なのかさえ分からない



訓練場として裏庭のその奥に山がある

その山も敷地内だそうだ




建物も地下3階

地上15階という、創り


どこにどう金をかければこんな大きなものになるのかジィさんも不思議だと言っていた



2階から10階まではここで学ぶ生徒が使う教室がある

階にはそれぞれ5つの教室があり、下から幼等部、中等部、高等部になっている



毎年入る人数や年齢に差はあるものの途中入学や退学をする人がいるので微妙にバランスを保っているらしい



更に、優秀な生徒は学園で学びつつ選抜として国軍からの援助要請時は出向く義務がある


権利ではなく義務

そこはやはり腐っても犬という立場上、拒否権は我々にはない


良い環境で良い師に学び生活する代償と言っても過言ではない



そんな優秀な生徒

そうでない生徒を一瞬で判別するのが入学時に与えられた制服のネクタイに刺繍された文字



類稀なる才能を持ち、後の国の中枢を担う存在..将来を期待されている強き証。その者には≪S≫を




他者より一歩先を行き何らかの功績、能力を持つセカンド者。その者には≪A≫を



いつかは国の為にその身を投じる剣となる者。その者には≪B≫を


いつかは国の為にその身を投じる盾となる者。その者には≪C≫を



地域住民を護り、保護し、この国の為に戦う者たちを支える者。その者には≪D≫を



今後の期待を込め、知識を学ぶことを許された者。その者には≪E≫を...但し、1年の後能力の開花が認められなかった者は二度と学園には足を踏み入れることを許されない




この学園に建設当初から存在するランク制度

上からS、A、B、C、D...E



この中からSのランクを持つものが国軍の援助に強制参加させられる

緊急時はAランクも出動を余儀なくされるが、今のところ出動したことはない



(そういえば、あの青年は....何ランクだったのかしら)



ふとそんなことを思った

ここまで説明してくれたのは、ジィさん本人


私をこの学園に入学させようとしたとき必死になって自分の学園のことを教えてくれた


たった1年前の事だから多分この内容で変わってはいないはず




そしてそんな私の学び舎である教室は8階

入ってみるとかなり綺麗な教室だった


やはりまだ誰もいない

まだ入学式が終わっていないのだろう



適当なところに腰掛け息をつく


≪黄昏ているの?≫

『阿呆、今後の成行きに憂いているのよ』



一人静かに窓の外を見る

透明なガラスに私の姿が映った



黒と灰色を足して二で割ったような言いようのない中途半端な髪色

双眼はそんな髪色の色素を全くもって無視したアメジストの輝きを放っていた





と、突然ガラスの向こうの私...その背後に人影が現れた

その人影は私が振り向くより早くその手で私の視界をふさぐ



「何の冗談?」


急な登場に多少驚きはしたものの

相手が分かれば警戒する必要はないだろう



冷たい物言いにその人影は小さく笑った


「最近は白い方しか相手にしないお前に腹を立てて自分から出てきたんだよ。可哀想だろ?」



(なーにが可哀想だ)


私の視界をふさぐ手をよけ振り向く

そこには黒としかたとえようのない長身の男がいた



≪よく言うね。自分の世界で揉め事があって暫く来れないと言ったのは自分じゃないか≫


姿は現さないもののラクアはその黒き男に対し嫌いだと声音から訴えていた



「た、確かにそう言ったが何かあれば呼べとも言った」


≪ふ...および出なかったってことだろ≫



嘲笑うラクア

本当に、いい性格してる




一見白き穢れなき王子なのに、実際は腹の奥底まで真っ黒な鬼畜王だ



「ちょっと、その辺で終わりにして。そろそろ誰かしらこっちに来るころだし....」



そう言って私は目の前の黒き男を睨んだ

黒い男...私とは違い完全なる黒色の髪、そしてそれに比例する黒い瞳



ラクアとは違い少し吊り上った目は他者を睨めば殺せそうな程



悪人面にならないのはその整った顔立ちのせいだろう

気性が荒っぽいのはこの男の生まれにも関係するだろうが、今はどうでもいいか




≪ほら、ミーもそう言っている。お前、お役御免だ「ラクアもそこまで」...チッ≫



(はーい、舌打ち頂きましたー)


本当に人は見かけで判断できないものね

天使のラクアはこんなんなのに、対する悪魔の様な目の前の男は...


「悪かった、ごめんなさい」


(なんて素直な子なのかしら)


頭を少し下げて申し訳なさそうにする姿に犬の姿を連想させた

それを言うならラクアは猫か


「私も悪かった。次何かあったらラクアではなく貴方を呼ぶね―――――アレン」



その男、名をアレンと言う

黒を纏い黒を束ねる絶対君主



「楽しみにしている―――我が主」


去り際に見せたアレンの女性よりも妖艶な笑み

あの微笑が数多の人間を虜にし、地へ落とす



≪面白いからもうしばらくは俺にしときなよ≫


『ラクアって心底黒いよね』



クスクス笑っているのが分かった

ガラスには私しか映っていない



表情の乏しい私の顔だ

ガヤガヤと遠くから足音と、声が聞こえてきた



入学式が終わったのだろう



≪何を言っているのミー。これでも俺、天上のお偉いさまですよ―――主様≫


ラクアの黄金色の瞳が弧を描いている気がした

天上のお偉いさま...こちらについても強ち外れではない



対照的なラクアとアレン

私の霊獣――――ラクア



ならばアレンは何なのか

それは直ぐにわかること



リベールの血筋が持つ力

それは私にもしっかりと流れていた



『友達できるかな』

≪どうだろ、ミー...案外黒いから≫



(あんたにだけは言われたくないね)



窓から視線を下へと落とす

さて、4年にわたる学園生活が始まる



期待と不安、更なる復讐の炎を灯す

次の瞬間思考を阻むように扉を開ける音がした



ガラガラ


扉のガラスと、外から入り込んだ光が反射しきらりと私のネクタイを一瞬だけ照らす



其処には一文字

ラクアと同じ瞳の色をした糸で丁寧に刺繍された



――――――Eの文字が見えた


ミシェル=ハワアーズ=キャンベラ

年齢16

性別女

髪は黒灰色

瞳はアメジスト


ランク―――――E

『』は念話です

「」は会話です

≪≫は人外語です



矛盾点等御座いましたらお手数ですがご報告いただければ幸いです

誤字脱字等御座いましても御願いします


ここまでよんでくださってありがとうございました

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