表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブーケ  作者: 灯影


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/2

 

「ウミガメのスープって知ってる?」



 そう彼女が聞いてきたのは、一時間ほど前だったかーー





「私あれ大好きで、ちょっと作ってみたの」




『ある男が愛する女性から、花と男の好きな珈琲をプレゼントとして受け取った。その三日後男は息をしていなかった。なぜか?』



「はは! なんだよそれ! 殺されたんじゃん! クイズにもならないって」


「やっぱりそう思う? あれ考えようとすると難しくて」


「どうせ花か珈琲に何かしたんだろ」


「なんだと思う?」


「珈琲に毒?」


「ざんねん、花でした!」


「花?」


「そう! 花がひらくと毒が拡がるようにしてあったの」


「そんなこと出来るわけ?」


「それが可能になる毒があるってテレビでやってたよ」 


「テレビでやるなよ……」


「本当そうだよね。でね、その毒、なんかじわじわ苦しくなって、最期は息が出来なくなるんだって。怖いよね」



 彼女は怖いという感想とは真逆に、とても綺麗に微笑んでいた。



 その後すぐに彼女は帰っていった。


 しばらくしてふと、そういえば彼女が持ってきた花と珈琲が目に入った。


『駅前でもらったの。可愛いよね、この花』


 彼女の言葉が脳裏を掠めた。


 そして、テーブルには飲み干されたコーヒーカップが二つ。


 しかしこの珈琲はストックが無くなったので自分が頼んだものだ。


 水が張られたグラスに一輪の花。


 水につけて暖かい部屋にあるからか、彼女が挿した時より心なしかひらいている気がする。


 ――寒気がした。


 彼女はとてもおっとりした大人しい女性で、自分が何をしても怒らない、そういうタイプだ。


「はっ、あいつがそんなことするわけ無いよな」


 そう鼻で笑ってみたけれどーー

 先ほどから何となく苦しくなってきていることに気づいている。


 心臓か肺か。


 とにかく胸の辺りが苦しくて重たい。


「おいおいおい、待ってくれーー」



 早くなる鼓動。

 浅く、荒くなる呼吸。

 じわりじわりと暗闇と恐怖が体中を侵食していった。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ