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悪役覇道  作者: wisteria
2/6

転換

しばらくは毎日投稿を頑張りたいと思っています。

よろしくお願いします。

 転換の時、いわゆる「ターニングポイント」と言うのはいつも予告なしに訪れる。俺の場合もご多分にもれず、それは突然やってきた。


 その日は、本当に普通すぎるほど普通の日だった。チャイムが鳴る一分前に委員長が着席しろとしつこく呼びかけ、副委員長は窓際最後尾の席、いわゆる特等席で五月の暖かくまどろみを誘う優しい日差しに当たりながら船をこいでいる、そんなありきたりな日常。

 チャイムが鳴り、教師が板書を止めて挨拶さすをした。そして教師が教室から出て行ったすぐ後、それは起こった。絵に描いたような日常を破るが如く始まったのだ。

 突然、教室の中心に白い光の柱が上がった。俺はそれを直視してしまい、太陽を直接見たときのような感覚に襲われた。


「うっっ」


 無意識に苦痛の声が漏れた。反射的に目をつぶり、まぶたの裏に光を感じなくなるまで待つ。目をつぶっても突き抜け、だんだん大きくなってくる光に耐えるように俺は目を閉じる力をさらに強めた。

 三十秒ほど経っただろうか。うっすらと目を開けて光がなくなったのを確認すると、俺は友人二人の状況を確認するためにはっきりと目を開けた。


「えっ」


 思わず声が口から漏れた。俺は目の前に映る景色が信じられずに瞬きを繰り返す。


「どこだ…ここは?」


 目を開けたときに最初に目に入ったのは大理石の床。次に、その床に描かれた白い魔方陣のような何か。それが広い床を覆うように広がっている。壁も大理石のようなものでできており、光の入ってくる方を見ると、窓は鉄格子で厳重に塞がれていた。しかも扉らしいものが見当たらないときてる。

 この部屋の中の人間を絶対に外に出したくないと、そんな悪意を感じる部屋だ。ここがどこであるかは全く見当がつかないが、今までいた教室ではない事は明らかだろう。


「っと…まずはあいつらの無事を確認しねえと」


 驚きからなんとか立ち直り周りを見渡すと、突然の事態に戸惑っているクラスメイト達の姿が伺えた。その中から海と滝を見つけ出し合流する。


「東っち、何があったかわかる?」

「何がなんだかさっぱりだ。白い光の柱が上がって思わず目を閉じたんだ。んで目を開けるとここにいた。」


 海達は、突然の事態に困惑しているように見えた。


「東のほうもそういう認識か。光の柱が大きくなって教室の中の全員を飲み込んだのは覚えてるんだが。その後気づいたらここに…」


三人で何があったかの認識をすり合わせる。その結果、やはりあの白い光の柱が原因なのではないか、とそういう結論になった。


「みんな、ここは落ち着こう。何があったのかわからなくて混乱するのはわかるけど、今は冷静にならないと」


突然、薄暗く冷たい大理石の部屋の雰囲気に飲まれて不安になっているクラスメイトを励ます明るく朗々とした声が響いた。


「委員長か」

「こういう時もリーダーとは本当にしっかりしてるな」


 本当にその通りだ。さっきの一言でクラスの雰囲気がぐっと良くなった。こういうのが一軍パワーと言うやつなのだろう。

 委員長は次に、クラス全員がいるかどうかを確かめるために点呼を始めた。全員いるかなど俺は正直きにもしなかった。こんな特殊な状況でも気配りを普通に行えることが委員長の素質というやつなのだろうか。何はともあれ点呼が終わり、クラスメイト40人全員がいることが確認された。

 さて、まあここまで来たら大体次の展開は予想できる。これはいわゆるクラス転移というやつなのだろう。この床に書かれている魔法陣もいかにもな雰囲気だしな。ということは……そろそろ王妃様か王女様が現れるのだろうか?

 そこまで思考が至った時点で案の定この部屋へ向かっているであろう足音が聞こえてきた。しかし優雅さを重視しているのか足音はとてもゆっくりでこちらへの配慮を感じさせない。俺はつい壁の向こうに向かって「早く来いよ!」と怒りそうになった。

 誰か知らんが初対面の前からこちらに好意的じゃない感情を抱かせるとは…まるで俺らなんてどうにでもできると考えているみたいじゃないか。

 というか、どうやってこの部屋の中に入るんだ?扉はないし… そんなことを考えている間にも足音は近づいてくる。

 足音が部屋の前で止まった。その瞬間、壁の一部が白く光り、扉の模様のようなものを描き始めた。俺はその白に既視感を覚えた。そう、魔法陣の白と似ているのだ。普段は細かな色の違いなど気に留めもしないが、この白は言葉には言い表せない神秘性のような何かがあったためすぐにわかったのだ。

 その後、白い光が扉を描き終わると、その部分が開き、一人の十五歳くらい(同年代)の女性と数人の騎士のような格好をした者達が入ってきた。

 初めに入ってきた女性は、突然のことに驚き、また魔法を見たなどと言って興奮している俺とクラスメイトに向かって、豊かで滑らかな金髪を揺らしながらこう言い放った。


「我はアノルフィア皇国 第一皇女にして次期皇帝 

 マーガレット・アインツェ・アノルフィアである。

 よく来たな、勇者達よ。歓迎しよう」

読んで頂きありがとうございます。

まだタイトルと内容が噛み合っていませんが、あとニ話で話が軌道に乗る予定です。

応援して頂けるとありがたいです。


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