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第6話 深淵の胎動

ーーアルセリオは、街を回りながら…誰を調査隊に呼び込むかを考えていた


アルセリオ

(さて……どうしたものか…)


アルセリオ

(俺とレオは固定として…最低でもレオくらいの力は無ぇと怖いな。何が起こるか分かんねぇし…身を守る事くらいは出来る奴じゃねぇと…)


レオナール

「この場合…遺跡を先行する、斥候の様な役回りが要るよな?」


アルセリオ

「そうだな。そいつは欠かせねぇ…。だが、問題は…誰も来たことが無い場所な事だ。


 道が分かんねぇだけじゃなく、トラップや出てくるかも知れない魔獣だって…全くの新パターンの可能性も大いにあるからな。


ーー素の力量も高くなきゃ、いざと言う時に生き残れねぇ…。」


アルセリオ

「《真理へ触れしアウロラ》の誰かに手伝ってもらえれば良いんだが…そもそも接点がねぇ。レオはあるか?」


レオナール

「あるぞ。」


ーーレオナールはそう答える


アルセリオ

「そうだよな…普通…ある訳無いよな…」


レオナール

「あるぞ?」


ーー負けじとまた答える


アルセリオ

「レオは記憶喪失だからな…交友関係なんて普通狭いよな…悪かった。他をあたるわ」


レオナール

「いやだからあるぞ。」


(しばしの沈黙が漂よう)


アルセリオ

「……………。…はっ??…マジ…?」


レオナール

「マジだ。カルナ殿と面識がある。彼に言えば、接点とやらを作れるだろう?」


アルセリオ

「はぁ……。俺、もうお前の事が分かんねぇかも知れねぇ…。」


レオナール

「うむ。ならばこれから理解していってくれ!」


(すっとんきょうな返事が返ってくる)


アルセリオ

「そうじゃねぇ…そうじゃねぇんだが…まぁ良い。レオ、そいつとはいつ会える?」


レオナール

「今すぐだ。合図をすれば来てくれる。」


アルセリオ

「分かった。とりあえず探偵社に戻って、話をするとしよう。」


レオナール

「うむ。一目に付かないだろうから、その方がカルナ殿も喜ぶだろう。」


(そのまま、二人は探偵社へと帰路につく)


  ***


カランカラン…


アルセリオ

「帰ったぜ…親父。」


シグルド

「おお!二人とも。依頼は解決したか?」


アルセリオ

「いや、まだまだだな。話がどんどんデカくなってやがんだ。それと…」


シグルド

「ん?どうした。」


アルセリオ

「これから、アウロラのカルナさんが来るから、机…綺麗にしておいてくれ。」


(そう言って、アルセリオ2階へと上がっていく…)


シグルド

「おう。分かった……ぜ?…いや待て、今カルナって…アウロラのっ!?」


レオナール

「ああ。俺が面識を持っていてな。今回の依頼に協力してくれないか…聞いてみるんだ。」


シグルド(机を片付けながら)

「おいおい…俺…お前の事が分かんなくなって来たわ…」


レオナール

「うむ。つい先程、アルにも言われたが、これから理解していってくれ!」


シグルド

「どうせこうも言われたろ?そうじゃねぇってな。本当にそうじゃねぇぞ…」


レオナール「………?」


シグルド

(こいつ…本気で分かってねぇな…大変そうだぜ…アルセリオの奴は…)


シグルド

「とりあえず俺は上に上がっとくから、後はお前らでどうにかしろよ。」


(そう言ってシグルドは2階へ上がる)


ーーしばらくして…


アルセリオ

「よし。準備完了だ。レオ、呼んでくれるか?」


レオナール

「了解した。それでは呼ぶぞ。」


(レオナールが胸元のポケットから、とある証を取り出し、声を掛ける)


レオナール

「カルナ殿…少し、良いだろうか。」


???

「あら…?あなた…何か光っているわよ?」


(そう…女の声が聞こえる)


???

「どうした?フィー……。…むっ…?これは、ああ…レオナールか。どうした?何か用事でもあるのか?」


(奥から男の声がし、こちらに問いかけてくる)


レオナール

「ああ、少しこちらに来てくれないか?話したい事があってな。」


???

「分かった。…フィー、行ってくる。少し待っていてくれ。」


???

「えぇ。大丈夫よ…。行って来なさい。」


(すると…先程の証から光がふっと消え、何も居ない筈の空間に、一人の男が現れる)


???

「よう。久しぶりだな…レオナール。俺に用事と聞いたが、何かあったのか?」


アルセリオ

「アンタを呼んでくれって言ったのは俺だ。今俺が受けている依頼について、協力の打診をしに来た。」


???

「その風貌…なるほど。お前が件の探偵か。初めて会うな…。俺はカルナだ。既に知っているとは思うが、よろしく頼む。」


アルセリオ

「ああ。よろしく。早速、本題に入って良いか?」


カルナ

「ああ、入って良いぞ。」


(そう言って、彼らは椅子に腰掛け、カルナは虚空から紅茶を取り出し、飲み始める)


アルセリオ

「それじゃあ、君達アウロラのメンバーで、探索に向いた人は居るかい?もちろん、実力も保証出来る上でだ。」


カルナ

「ふむ……。そうだな。その探索というのは、過去の闇に関する古代遺跡か何かか?」


アルセリオ

「ああ、その通りだ。よく分かったな。」


カルナ

「やはりか…なら、フィーが適任だな。」


アルセリオ

「フィー?もしかして、《深淵》フィアリア・グンヒルドの事を言っているのか?」


カルナ

「ああ、そのフィーだ。先程、最初にそちらへ聞こえたであろう女の声が、当の本人だ。」


アルセリオ

「なるほど。それじゃあ、お取次願えるか?」


カルナ

「……。…見ているのだろう?フィー。」


(そう言うと…皆の上の空間が、ゆらりと揺らめく…)


フィアリア

「あら、見えちゃってた?流石ね…あなたは。」


アルセリオ&レオナール

「………っ!?」


(虚空から現れ、カルナの隣に座る)


アルセリオ

「まさか…見られてたとはな。まったく気づかなかった…」


フィアリア

「当然よ。そんなに簡単に見破られて堪るもんですか…。」


カルナ

「長くなりそうだな。俺は帰るぞ?フィー。」


フィアリア

「えぇ。分かったわ…それと、そこの騎士さんも連れて行ってあげなさい。」


カルナ

「むっ……?どうしてだ?」


フィアリア

「退屈そうにしているからよ。あなたも久しぶりらしいじゃない?だから、積もる話もあるでしょ?存分に話して来なさい。」


カルナ

「うむ。分かった。それじゃあ…レオナール。行こうか。」


レオナール

「ああ…。分かった。アル、少し行って来る。」


アルセリオ

「おう。行ってこい。」


(二人の男がその場を去り、女は話を切り出す)


フィアリア

「それで?遺跡探索の斥候だったかしら?良いわよ。引き受けてあげる。」


アルセリオ

「感謝する。…が、どうせ条件があるんだろう?」


フィアリア

「その通りよ…。一つ、調べて欲しい事があるの。聞いてくれるかしら?」


アルセリオ

「ああ、聞かせてもらおう。」


フィアリア

「私…自分の異名にある通り、"魔界"に最も近い、"深淵"を任されてるの。

これは知っているわね?」


アルセリオ(頷きながら)

「ああ、当然な。」


フィアリア

「それじゃあ、探偵さんが今追っている"印"と憤怒の封印についての事と照らし合わせて、何か見えてこないかしら…?」


(アルセリオは目を閉じて考えながら、その結論を口にする)


アルセリオ

「もしかして…"封印"の一部が、既に解かれている…ってのか?」


フィアリア

「その通りよ。

ーーとある日のことね。

私も、いつもと変わらない日々を過ごしていたのだけど…


"私の"深淵に…時間を空けて、何回か…ある鼓動が響いたの…

そう、憤怒の鼓動ね…」


アルセリオ

「……なるほど。ちなみに、何回鳴ったんだ?」


フィアリア

「今朝も鳴ったから…既に3回ね。」


アルセリオ

「………っ!?…マジか。…こりゃあ、うかうかしちゃいられねぇな…」


(アルセリオの血相が変わる)


フィアリア

「貴方に、これを阻止して欲しいの…それと、もし解き放たれた場合は…鎮めてくれないかしら?それが出来たら、

一つ…"何でも"用意してあげるわ…。」


アルセリオ

「そりゃ助かる…。だが良いのか?条件が一つなのに対して、報酬が二つって…。お前が損してるだろ?」


フィアリア

「別に良いのよ…。私、あまり欲しい物とか無いし…それに…」


アルセリオ

「それに…?なんだ?」


フィアリア

「いえ、特別な事では無いのだけれど…あの人が…楽しそうにしているから…」


(そう言うと…フィアリアの顔が、少し赤みを帯びる)


アルセリオ

「………なるほど。ご厚意ありがとう。それじゃあ、こいつを渡しとこうか…。」


(アルセリオがとある紙を手渡す)


フィアリア

「あら…もう勝った気でいるのね?まぁ良いわ。そう言うの嫌いじゃ無いし。


……なるほどね。本当、面白い事を考えるわね…分かったわ、用意しておく。合図は…」


アルセリオ

「俺をずっと"見て"おけ。そしたら自ずと見えて来るさ。」


フィアリア

「ふふっ…。その自信…少し、あの人に似ているわね。好きよ?そう言う所。」


アルセリオ

「褒めてくれてありがとう。探偵なんだ…。自信があってなんぼだろ?」


フィアリア

「それもそうね。…それじゃあ、私も探索についての準備をして来るから…行く時は言ってね?」


アルセリオ

「ああ、声を出して呼ぶ事にする。」


フィアリア

「ええ…。また、すぐお会いしましょう…。」


(そう言って、彼女はゆらりと消えていく)


アルセリオ

「斥候は揃った。後は…戦力を整えなきゃな。……少数精鋭が一番か。」


(そうして、アルセリオはとある場所へと足を運んだ)

懐かしき場所で、探偵アルセリオは“仲間”と出会う。

運命を刻む迷宮行きの扉が、今、再び開かれる――。


次回、第7話 「再会」

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