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食堂

お昼休みが始まった。

「律、俺たち食堂行こうと思うんだけど一緒にどう?」

スカイ君が声をかけてくれた。

「嬉しいです。行きます。」

「私は弁当あるんだが」

 エリオが鞄を抱えながら立ち上がった。

「どうせ足りねえだろ。急ごうぜ」

「ああ」

 僕も鞄を持って立ち上がるとスマホが震えた。食堂に向かいながら確認すると朝陽からポポンが来てた。

「スカイ君、エリオ君。友人が食堂に居るのですが、ご一緒しても良いですか?」

「俺はいいぜ」

「私も構わない」

「ありがとうございます」


 食堂に入ると、少し奥の四人掛けテーブルに朝陽が座っていた。

 ふわふわの耳がぴくりと動いて、すぐにこっちを見つけて笑った。

「律!こっちこっち」

 尻尾が椅子に当たってぺちぺちしている。

「こんにちは、朝陽。この二人は…」

「スカイだ!よろしくなー!」

「エリオ・サリム。よろしく」

「あ、えっと、朝陽です。律の高校からの友達で…」

 耳を伏せて少し緊張したみたいにお辞儀する朝陽に、スカイが豪快に笑った。

「よーし、全員揃ったな!メシ食おうぜ!」

 楽しい昼休みになった。


 午後からも説明が続いた。

 十四時くらいに終わった。思ったより早いんだな。

 机の上を片付けて鞄を持つとスマホが震えた。確認すると朝陽だ。タイミングがいいな。

「終わった終わったー!帰ろうぜー」

 スカイが大きく伸びをしながら声をかけてきた。

「律、君も電車か」

 エリオも鞄に荷物を入れながら声をかけてきた。

「はい、電車です。朝陽も一緒ですけどいいですか」

「無論だ」

「いいね!行こうぜ」

 三人で纏まって駅に向かおうとした。

「新入生のみんな、サークル見てってくださ〜い!」

 駅に近い校門に近づくとそんな元気な声が響く。

 法被を着た先輩たちからサークル勧誘のチラシを受け取ってしまった。どんどん増えてく。

「あっ、ありがとうございます……ちょっと……すみません……」

 周囲の先輩達はにこにこしている。逃げよう。

 三人は早足で駅に着いた。

「どうしよう……」

 鞄にパンパンに入ったチラシを前に途方に暮れた。

 余程情けない顔をしてたのかスカイが笑いながら背中を叩いてきた。

「ちゃんと断れよー」

 スカイの手には数枚チラシが握られてた。

「スカイ、気になるのがあったのか」

 手ぶらのエリオが尋ねる。すごいな。

「まあな。けどまあ、決めてるからなー」

「そうか」

 スカイも上手く通り抜けてた。いいなあ。

 

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