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もういない人に会えるカフェ

作者: SHIN
掲載日:2024/02/11

もう何年になるだろう・・・


私は、震災で飼っていた猫を喪った。


当時学生だった私は、自宅の瓦礫を片付けたとき・・・


悲しみにくれた・・・


「ミア・・・」


だいぶ歳をとった猫だったが・・・


ベンガル種らしき雑種の、かしこくなつっこい猫だった。


自分がこれほどまでに、いくじなしな男であるか・・・




「あれからどれくらいか・・・」


会社の帰りに、カフェをみつけた。



カフェの中には、客がおらず・・・


執事風の服を着たマスターらしき人物が・・・


しかし・・・


黒猫をそのまま人間にしたような男性である。


「猫!?」


「はい。

黒猫亭にようこそ。」


「猫!?」


「はい。

お客様にお勧めなのは・・・」


手早くコーヒーを淹れ・・・


すっと、私の前に出す。


気付けば、私は・・・


カウンター席に座っていた。


コーヒーを飲み始めると・・・


目の前に、幼い印象の猫耳娘が現れた。


「ミア・・・」


年のころ、十代後半のようだった。


「ご主人様!

ようやく会えたにゃ!」


「ミア・・・

ごめんよ!

すぐに助けに行けなくて!」


「それが聞けて、安心したにゃ!

いつも・・・

ミアが呼ぶと、ご主人様は来てくれたにゃ!

でも・・・

もう行かなくちゃならないにゃ・・・」


「え!?」


「約束するにゃ!

今、人間に生まれ変わっているにゃ!

あと少しで、ご主人様のところに「帰る」にゃ!」


そう言うと・・・


ミアの姿は、消えていった・・・


「はッ!?」


気付くと、私は・・・


コーヒーを飲み干していた。


「お客さん・・・

会いたかった人に会えたんですね。」


マスターが言った。


「お代を・・・」


「頂いておりません。

ここは・・・

不本意な別れをした人を救うカフェでございます。」



店を出ると・・・


「あれ?

確かにカフェがあったはずなのに!」


カフェは、跡形もなかった。



そして・・・


春のある日・・・


「今年は、新人が来たんだ。」


上司が言った。


「皆川 美亜です。

よろしくにゃ!」


そう・・・


帰って来たのだ。


「ミア」が、人間となって・・・


絆は、確かにあったのだ・・・




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― 新着の感想 ―
[良い点] わーとっても素敵なお話.。.:*♡ カフェでの出会い。そして会社で... まさしく"絆"を感じました。 素敵なお話をありがとうございました(^^)v みこと [一言] 武 頼庵様ご主催…
[良い点] 「繋がる絆企画」から参りました。 ミアは少しだけ猫の姿に戻って主人公に会い、先のことも伝えてくれたんですね。 素敵なカフェでの、素敵なお話でした。
[良い点] ステキなカフェですね。 黒猫マスターに会ってみたいです!
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