第3話 処分
馬車での旅行中、ナナが馬で追いついてきた。
「せんぱーい!来ましたよ!」
「あっそ。」
「レディ、よくきてくださいました。連絡係ありがとうございます。」
「仕事ですからね。当然です。」
ナナや元大臣の部下達は1部王子側の人間として働くことになった。もちろん王子をよく思わないものもいる。そのうちナナは王子側につくことになったうちの1人である。そして、国の内政状況を報告する係を命じた。
「レェーネ王子、報告です。王子様、無事誕生いたしました。これにより、レェーネ様側につくものと新たな王子側につくものとに国内が別れつつあります。」
「はあ、まあ、予想通りな展開だな。報告ありがとうございます。」
「いいんですか?放っておいて。私が暗殺する事もできますが。」
「しませんよ。暗殺なんて。」
「……王子の立場が危うくなるとは……今までの功績を見ればどちらが王につくべきか明白だろうに…」
「そうでもないさ。フィルシュ。どちらについた方がいいかなんてそれぞれの腹の内で決まるものだからな。」
王子の顔は曇っていた。そしてその日も夜になる。ナナはウィルの隣りに座ろうとして拒否され、馬車の上に座る事になった。
「もー!先輩の隣りがよかったのにーー!」
夜になるとウィルやウィリ達も馬車から出てくる。ウィルは馬車の上へと行く。
「せんぱーい!やっぱり私の横がよくてきてくれたんですね!?」
「違うよ。見張りしに来ただけだし。」
真夜中、レェーネの馬車へと招かれざる客がくる。暗殺者が王子を狙ってくる。馬車へと入るとそこには王子が眠っていた。だが、暗殺者が入ると同時に剣が動く。暗殺者の首を一瞬にしてはねた。
「なっ?!」
「なんの用だ。このような真夜中に。あ、すまん。死んでしまっては聞けぬな。」
そして、より多くの暗殺者達が王子の馬車を襲撃する。王子へとナイフが飛んできた。そのナイフをクナイが弾く。
「よっと!」
ウィルが応戦してくれたらしい。レェーネは暗殺者達を馬車から引き離すように移動した。
そして、追ってくる暗殺者をウィルと共に撃破する。そして、ナナも加わって戦った。夜明け頃、死体となった暗殺者達の死体が散乱していた。だが、1人だけ捕らえる事に成功していた。
「さあ、白状なさい!誰が主犯です!?」
ナナの尋問に相手は答えない。
「ボク、拷問とか苦手なんだけど、どうしよっか?」
「殺すのがいいんじゃないか?」
「バカだな。それじゃ情報得られないじゃん。」
なんてウィルとレェーネはにこやかに話している。
「答えないとこの2人にかかるとどうなるかわかりませんよ?」
ナナは少し呆れながらそう言った。
「大臣!大臣だ!大臣がっ」
ざしゅ。
「「?!」」
「不要だ。誰が主犯かなど分かりきっている。」
「だからって殺しちゃったら……」
「せっかくの証言者がぁ?!」
「俺を狙う輩など今、1人だ。」
「誰?」
「国王、そう、俺の父だ。」
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