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2-8 夢の終わり ⑥
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十七時十二分。
アストロエリア内。
一般客の避難誘導をしていたアオイの目が、謎の女とそれを追うキツネの姿を捉える。二人が崖の方へと消えていくのを見て、アオイも迷わずその後を追った。
無線からは断続的に情報が飛び込んでくるが、その内容にアオイは違和感を覚えていた。ヘカトンケイルが、インドラを連れ去ったようだという。
アオイは三人のハンターと謎の女という対立構造を想定していたのだが、この状況だけを見れば、それは必ずしも正しいとは思えない。
後方で響く銃声を耳にして、アオイは反射的に振り返った。
淡路が一般客とアナザーとの間に割入って発砲したようだと分かると、アオイは再び前を向いてキツネと謎の女とを追う。この場は、一課の人間と淡路に任せようと判断したのだ。
崖の手前まで行くと、アオイは柵に手を掛けて下を覗きこむ。暗闇からは、密集した木々の間で、小枝の折れるような乾いた音だけが聞こえている。
深呼吸すると、アオイは夜の暗がりの中へ飛び込んだ。




