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ゲノム・レプリカ  作者: 伊都川ハヤト
Human after all

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2-6 Tell me ⑤



 自室のベッドの上で、ヒカルは天井を眺めていた。オンライン授業も今日の課題も終えてしまい、やることもなく唯ボンヤリしている。


 リリカは、隣の自宅に帰ってしまった。二人は、言い合いをしたのだ。


 クリスマスには、会えないと伝えた。それから、リリカが行きたがっているのを知っていて、クリスマスにアドベンチャーニューワールドへ行くなと伝えた。勿論リリカは説明を求めたが、ヒカルには理由を説明することが出来ない。


 ヒカルはテレビで見た犯行予告の件を伝えたが、それはアドベンチャーニューワールドへ行かない理由にはなっても、彼らがクリスマスに会えない理由にはならないのだ。


 初め、ヒカルは宥めるように話していたし、リリカも随分冷静だった。しかし途中でリリカから「自分の事をどう思っているのか」と尋ねられ、返事を躊躇った事が切っ掛けで怒らせてしまい、売り言葉に買い言葉で言い合いになった。


 リリカが家を飛び出した後、いつもなら直ぐに動く足が今日は鉛のようで、ヒカルは追いかけることも出来ずにいる。 


 中林には、昨日のうちに連絡した。ヒカルには自分が呼び出されるような理由も分からないし、警察が自分に名前を付けていることも知らなかったからだ。


 中林は、先日の事件は、キツネと動画の女とが引き起こしたと言った。二人は、核を巡って争っていたという。さらに、消えた水の核は、どうやら動画のあの女が持っているようだ、とも。


 中林はヒカルに、キツネと動画の女を狩るようにいった。これ以上市民に被害が及ぶ前に、二人を止めなければならない。


 ヒカルは随分迷って同意したが、今でも心の中は激しく揺れている。狩るといっても、あの二人はどう見ても同じ人間だからだ。


 リリカのこと、狩りのこと、そのどちらもが頭の中で処理しきれずに、ヒカルを悩ませている。こんなことは、他の誰に相談できることでもない。


 家族である自分がハンターだと分かったら、アオイはどうなるのだろう。リリカは、どう思うのだろう。


 もしかすると、秘密にしていると思っているのは自分だけで、本当はもう気付かれているのではないだろうか。


 考えることが嫌になって体を起こすも、ヒカルはベッドから離れることが出来ずに床に座り込んだ。ベッドに頭を乗せて寄りかかり、天井を見上げる。


 電灯に左手をかざして、ヒカルは自分の腕を眺めた。中林は、この腕で人を狩れという。


 リリカを守ったこの腕で、今度は人を狩る――そんなことが、自分に出来るのだろうか。


 ヒカルは、身震いした。


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