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1-4 守りたいもの ⑦
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「――カ。リリカ!」
聞き覚えのある声を耳にして、リリカは目を開く。ヒカルが、自分を探している。
「ヒカル!」
リリカが声を上げると、ヒカルはそれを頼りに直ぐにリリカの元へと駆け付けた。
リリカは立ち上がってヒカルに思い切り飛びつこうとしたが、急に膝から力が抜けてしまい、その場にへたり込んでしまう。
ヒカルはリリカの体を受け止めて、彼女を支えながらその場にそっと座らせた。
「バカ!」
リリカは泣きじゃくりながら、ヒカルに抱きついている。
「うん。ごめん。帰ろう。リリカ」
ヒカルはリリカを受け止めて、彼女の体を抱き返した。
疲労からか、安堵からか、二人は強い眠気を覚えていた。




