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3-9 unmask ⑩
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隕石でも落ちたかのような爆音と揺れとで、中林は雪の中にへたり込む。
揺れが治まるのに合わせて黒煙の上がる方を双眼鏡で確認すると、中林の目にはハンターたちの姿が映った。
「ああ……やはり素晴らしい子だ。ヒカル」
コアトリクエの歌は、もう聞こえてこない。コアトリクエはもう二度と、人前に姿を現すことはないだろう。
人々が目を覚ます前にと、中林はホテルへ向かって歩き始めた。
アオイの姿は、発見できていない。しかし、彼女が死ぬことはあり得ない。
(また会える。私たちは、その運命にあるのだから……)
中林の目には、今はなにも聞こえなくなった満天の星空が映っていた。