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世界崩壊  作者: 姫草夏目
6/7

おやすみ、そして名前は、

人は何故、消える時に限って、後悔をするのだろうか。


想えば、俺は恥の多い人生を送ってきた。


自分に何か優れた才能がある訳でも無いのに、すぐ人を見下した。

でもかと言ってそれを行う度胸も、それを云う勇気もなかった俺は、いつしか上っ面だらけの言葉を人に対して吐くようになった。


そして自分にはどうせ何も出来ないと云う免罪符を作り、才能を作ろうとすらしなかった。


嗚呼、これは何者にも成れなかった、唯の屍として生きた俺に対する神様からの罰だ。


でも、そんな、恥と罪に溢れた俺を、世界でたった1人、たった1人だけ、信じてくれた人が、居たはずなんだ。


みんなが嫌がって居た俺の話を、面白いと言って、最期まで聞いてくれた、


周りから才能がないと言われた俺の絵を、素晴らしいと言って、最期まで見てくれた、


こんな、嘘と恥で構成されて居るようなただの肉片を、人として認めてくれた、


思い出せ、思い出せ、


朧げになった記憶の中を、必死に泳いだ。


春のような、暖かくて、優しい名前をした、誰かを、


記憶の中、1人置いて逝きたくは無いんだ。


あ、あ、やっと見つけた、


そうだ、貴方の名前は、









刹那、世界が崩れる音がした。



































「どんな事があっても、これだけは忘れないでくれ」


「あのね、僕はね、君のする話が大好きなんだよ。唯斗。」


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