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世界崩壊  作者: 姫草夏目
2/7

当たり前が崩れる

俺はその事に気づいた時、なんだか不思議な気持ちになった。


今日までの当たり前があの空と共に崩れて行くのか、と。


小学生の時から通った通学路も


今居る教室も


昨日やっとの思いで手に入れたあいつが好きだと言っていたあの本も


友達とよく待ち合わせした近所の駅も


塾の帰りよく寄ったコンビニも


あいつとよく話した自分の住んでるマンションの非常階段も


あいつとよく騒いだあのビルのカフェスペースも


全部 全部 全部


明日には全てなくなってしまう。


なんだか呆気ないな。そう俺は帰りの支度をしながら思った


「えーじゃあ、来週の予定説明するからよく聞いといてねー来週はー」


担任が来週の予定の説明をし始めた。いつもなら真剣に聞くところだが

今日は空を見た。俺が見た空はかすかに聞こえる秒針の音と共にゆっくり、ゆっくりと世界を蝕んでいた


「じゃあそう言う事だから、忘れ物には気をつけてね。日直ー」


いつの間にか担任の話は終わっていたようだ。最後だし、やっぱちゃんと聞けばよかったかな


「起立」


嗚呼 もうすぐ終わる、


「気をつけー」


割とこの教室嫌いじゃなかったかもしれない


「礼」


「さようなら」


左様なら。俺の、大切だった、青い春。


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