28話 メイドとお風呂
誤字報告してくれている方、ありがとうございます!助かってます。
リアラも泣き止み、夕食を食べ終わった和樹は風呂に入っていた。
和樹はリアラが泣くほ自分の俺の事を思ってくれていたのが嬉しくて、ニヤけながら頭を洗っている。
(なんか言っちゃ失礼だけど泣いてるリアラめちゃくちゃ可愛かったぁ)
と変態じみた考えをしながらももう一つのことを考えていた。
(雫……あそこまで男を毛嫌いするとは……)
雫がどんな仕打ちを受けたのかは分からないが、少なくとも男が嫌いになってしまう程の事をされたのだろう。
(けど何か気になるんだよなぁ……)
リアラは確かに雫の事をレズと言っていた。実際にリアラを見て引っ付いていたのも確認した。
(別にそこまで本気で女の子が好きって訳でもないように見えたんだよなぁ)
実際にどうかは知らないが、個人の感想でそう思っただけ。
あまり気にしていても仕方がないだろうと、切り替えて頭を洗おうとした。
「ん?」
(おいおい……今脱衣場の扉が開いた音がしたぞ。この部屋には俺とリアラしか住んでいない。これがリアラじゃなければ幽霊か侵入者と言うことだ)
「はっ……まさかな……」
そんな事はないと自分に言い聞かせる和樹だが、そんな考えは無駄に終わる。
(何かモゾモゾしてる!絶対服脱いでる!影でわかっちゃうよ!)
長い髪に細く見えるも程よく肉のついた美しい体のシルエット。そんな幻想的な存在が脱衣場で服を脱ぐ動きをしている。
(俺の理性は今日終わるかもしれない……)
予想は正しく、リアラが風呂の扉を開けて入ってきた。その裸体にはバスタオルが巻かれているが、透き通るような肌とスラッとした足、光に反射するほどのサラサラな銀髪。その全てが視界に入った。
「すみません……私も入っていいですか?」
流石に恥ずかしいのか、顔を赤らめ、恥じらいながらもそう言ったリアラ。
「ちょ!何でだよ!やばいって!」
「今日は和樹様と入りたいんです……駄目ですか?」
(駄目じゃないけど駄目だ!俺の理性が持たない!けどここまで顔を赤くして覚悟を決めて入ってきたリアラに今更出ていけというのも……駄目だ!考えがまとまらない!)
その美しすぎる裸体とリアラのその表情に既に頭はパニック状態。
和樹は必死に落ち着こうとするが、心臓の鼓動はなおも遅くならない。
「わ……わかった、入ってもいい」
何とか絞り出した答えがこれ。やはりリアラと風呂に入ってみたいという脳内の悪魔に逆らう事はできなかった。
「で、では、丁度体を洗おうとしてるところだと思いますので、背中は私が洗いますね」
「は、はい」
テンパって敬語を使ってしまう程に和樹の頭は混乱している。
和樹はリアラにボディソープを含ませたボディタオルを渡した。
(俺の人生にこんな日が来るとは……今美少女が俺の背中を洗ってくれている!)
リアラは痛くない程の力でゴシゴシと、和樹の背中を洗っている。
「痛くないですか?」
「はい、大丈夫です」
(全然大丈夫じゃない!主に俺の理性が!リアラの裸を想像してしまう……だぁ〜!落ち着け、落ち着け)
(呼んだ?)
和樹の下半身は脳から伝達されたエロス信号に応じて返事をしようとする。
(何だよエロス信号って!呼んでねぇ!)
和樹は煩悩を抑えようと、脳内の悪魔と懸命に戦う。
(こんな事で慌ててたら駄目だ……冷静に……)
そう思っていたところに更に刺客が現れた。
リアラは何と首に手を回して抱き締めてきた。当然のように背中にはとても柔らかい感触が襲う。
(断言します、俺は今世界で一番素晴らしい二つの山脈に触れている)
ここまで来ると最早逆に冷静になるというものだ。
「和樹様……今日はすみませんでした」
リアラは和樹にいきなり謝罪をした。
「……言っただろ?気にしてないって。怒ってくれたのは嬉しかったし」
「ですが、いきなり怒鳴ってしまったので申し訳なくて……」
「そんな事は気にしなくていいよ。リアラに俺は怒ることなんて何にも無いんだから」
いつも真面目でクールに振る舞う。率先して何でもしてくれる料理がめちゃくちゃ美味いメイド。これのどこに否があるのだろうか。
「けど、自分の事を蔑むのだけはなしな。俺に遠慮するのも駄目。言いたい事は言ってくれていいから」
「……わかりました」
主人とメイドと言ってもできるだけ平等な関係でいたいからこそ、リアラには遠慮しないでほしい。これが和樹の願いだった。
「では、お風呂も一緒に浸かって下さい」
「…………」
和樹は言葉を間違ってしまったのかもしれない。
体を洗い終わった後、和樹は下半身を隠していたタオルを腰に巻いて湯に浸かった。
リアラは髪を入念に洗っている。こうしていつも丁寧に洗ってある為、普段の綺麗で艷やかな銀髪を保てている。
体を洗い終わったリアラは和樹が浸かっている湯に浸かった。和樹が後ろになってしまえば主張してしまうかもしれないので、和樹はリアラの前にいる。
(うおぉぉ!ヤバい!何がヤバいって?俺もさっぱりだ!)
リアラが少し前に行けば、体が密着する状態。ある意味ここを耐え凌ぐ事が人生で一番辛いことかもしれない。
「和樹様」
「ん?」
「あんな事があった後ですけど……私幸せです」
「……そうか」
リアラの方は向いていないから表情は分からない。だが、それでも今までで一番優しくて愛があるような、そんな声が聞こえた。
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