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孤島オンライン  作者: 西谷夏樹
アイランド・ウォー
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ログアウト -9-

「あそこまでボコボコにすることないのにな……」


長かった中間試験が終わった。俺は篠原との約束通り秋葉原のプレイスペースでソルリンの対戦をし、案の定と言うべきかフルボッコにされて傷心中だ。


帰りの電車では篠原にソルリンの立ち回りについていろいろ講義を受けたけれど、精神的ダメージが大きくて内容はあまり頭に入っていない。ただまあ、篠原が楽しそうにしていたのは覚えている。


中間試験のほうはと言うと、三日間のうち最初の一日目は酷い有様だったものの、後ろの二日間は集中して勉強したのでなんとかなった。ロンの襲撃さえなければ初日もそれなりの点数が取れたはずなのだけど、こればかりは己の間の悪さを呪うしかないな。


ともかく。大変だった試験は幕を閉じ、明日から土日が始まる。


「二日ぶりのコスニア、ガッツリ遊んでやる……!」


試験中は少し気を抜けばコスニアのことを思い出してしまって大変だった。俺は二日間まったくコスニアに触っていない。完全にコスニアを断ったのはこれが初めてだけど、禁断症状が出そうになって苦しかった。


ちなみに、ギルドマスターが二日間まったくログインしないのは緊急時に困るだろうから、篠原にはかなこ♪と連絡を取り合ってもらって緊急事態が起こればすぐ知らせもらえるようにお願いしていた。


幸い、篠原から聞いた限りではゲーム内は平和そのもので特になにも事件は起きていないらしい。


二日間もあればゲーム内ではかなり攻略が進んでいるはず。今日はその進捗をチェックして、現状の把握に努めなければ。


――ピロンッ!


「ん?」


携帯端末にメッセージが届いた。


『太田晴信:来週から昼休みのバスケに新メンバーが来るぜ。留学生なんだが、ウチの部の秘密兵器だから期待しといてくれ!』


「秘密兵器?」


なんだそれは……。太田が期待を煽る言い方をするのはいつものことだけど、ちょっと気になる。


留学生って言うのが特にだ。どこの国から来たんだろう。英語圏なら話が弾みそうだな。


昼休みのお遊びバスケは大体友達同士の繋がりでメンバーを増やしている。通常のバスケのようにフルメンバーで試合をしているわけじゃないから、メンバー追加は素直に楽しみだ。


『赤沢凛音:バスケ部の秘密兵器とやらの実力、来週確かめさせてもらう』

『太田晴信:腰抜かすなよ~!』


太田からの返信に既読を付けて俺は携帯端末をしまった。


コスニアも楽しみだけど、来週の昼休みも面白いことになりそうだ。



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