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チーズケーキ屋さん

作者: 賀下 御影

 少女は人間だった。また、少女も自分自身が人間であることを知っていた。

 少女は森に住んでいた。ひとっこ1人いない森に。森の生き物たちもまた、少女が人間であることを知っていた。しかし、それ以上でもそれ以下でもなかった。

 誰も少女がこの森にいる理由を尋ねなかったし、知ろうとも思わなかった。少女は少女で、森は森だった。少女も森の生き物たちも、森を降りればたくさんの人間がいるのを知っていたが、少女は少女で、森は森だった。

 少女はある日、チーズケーキ屋さんを開こうと思った。少女がチーズケーキが何なのかをよく知っていた理由は、少女が人間だったからだ。それ以上でもそれ以下でもない。森にはたくさんものがあった。乳牛も、鶏も、かまどもあった。

 少女は人間なので、見事にチーズケーキ屋さんを作り上げた。お店は連日大盛況で、森の生き物たちはふるって少女のチーズケーキを食べた。チーズケーキ屋さんは森1番の人気だった。少女が、人間でもあり、森の仲間でもあったから、そうなったのかもしれない。

 森の生き物たちは少女のチーズケーキが大好きになった。今までに食べたこともなかったからだ。来る日も来る日も、チーズケーキ屋さんに訪れ、たくさんのチーズケーキを買っていった。少女は大忙しだった。

 

 少女は人間だった。少女は少女で、森は森だった。人間の作った味を知った森の生き物たちは、よりチーズケーキの匂いがする方向めがけて、森を下りては、人間に殺された。それ以上でもそれ以下でもなかった。

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